「おーお。こりゃまたボロボロだなぁ……」
ドックに着いた2体のガンダムを見て、思わずダイゴがボヤく。アンノーンとの戦闘で、スザクもビャッコも傷だらけだ。
「ビャッコは主に装甲の損傷とバーニア破損。スザクはそれに加えて武器管制システムの異常…ってとこか」
イチタロウもダイゴに並んで呟く。
「…すみません……」
「なぁに、タケルが謝るこっちゃねぇよ。それに、こんな事もあろうかと、ちゃんと資材も積んで来てんだ。さーて、久方振りに腕がなるぜぇ!」
「…と、言うワケだ。後は僕達に任せて、タケルは休んでくるといい」
イチタロウが笑顔でタケルに言う。タケルは軽くうなづいた。
「あ、ありがとうございますっ」
「但ぁしっ!」
と、突然ダイゴが声を上げる。
「?」
「…システム起動してくれにゃ修理できんだろうが…」
「……あ、そうか」
「パトリシア=ウィンディです」
ところ変わって、ガンブレッドのブリッジ。ルシードとアヤカの前にいるのは パティだ。
あの後、出頭を求められたパティは、いったん機体をドックに移してからブリッジに向かったのだ。
「あのMS……ガンダムビャッコと言ったか…一体何処で?」
「…この地下です。たまたま見つけたと言うか……なんと言うか…」
少し口篭もるパティに、アヤカが首をかしげる。
「どう言うことなの?」
「…信じてもらえないかもしれないけど、声が聞こえたんです。…なんだか、あの子に…ビャッコに、呼ばれたような気がして……」
「…呼ばれたような、か……」
「……」
ルシードは頭を掻くと、もう一度パティを見た。
少し汚れた白い作業着姿だが、可愛らしいその顔は、到底MSパイロットには見えない。
プシューッ
「?」
ブリッジのドアが開き、タケルがやって来た。
「ルシード艦長」
「ああ、タケルか。どうだ、MSのほうは?」
「ええ。今、ダイゴさんたちがやってくれてます。とりあえず半日ほどで修理は終わるそうです」
「ん、そうか」
「それで……」
と、タケルがパティのほうを見ながら口を開く。
「ん?」
「システムを起動させないと、修理が出来ないんですよ。僕のほうはもうやってるんで、ビャッコを起動させる為に…」
そこでようやく合点がいくルシード。
「あ、なるほど。有難うパティ、もういいよ」
ルシードの声に、パティがうなづく。
「じゃあ行こうか、パティ」
タケルとパティは、駆け足でブリッジを出た。
「…もしかしたら、他のガンダムパイロットも、彼らのような若者なのかもしれないな……」
誰にでもなく、ルシードが呟く。すこし考え込むような素振りをした後、アヤカに向かって声をかけた。
「ところで、あの新型に関してのデータはまとまったか?」
「…すまねぇな、タケル。それにパティも」
システムの起動を終え、ビャッコのコックピットから降りたパティとタケルに、ねぎらいの言葉をかけるダイゴ。
「いえいえ」
パティが笑顔で答える。
「ま、後は俺たちに任せな。なーに、2日もあれば完ペキに仕上げてやるでな!」
ガハハと豪快に笑い、ダイゴはびしっとサムズアップを繰り出した。
「お願いしますっ! …それじゃ、タケル」
「ん?」
「せっかくだから、ココ、案内したげる!」
にこっと笑って、パティが外を指す。
「え? でも…」
「…行ってきな」
躊躇するタケルにダイゴが声をかけた。
「いつもお前の手を借りるわけにはいかねぇよ。いいから行ってきなって。俺達プロがきっちり仕事しとくからな」
「…は、はい!」
「それじゃ行こ、タケル!!」
パティはタケルの手を引っ張って走り出した。
ニューヨークシティ。前世紀と同じ名前を冠してはいるが、その実態は付近に点在していたスラムの寄せ集まった街だ。それでも、その規模は日本の都市とそう変わらない。…もっとも、その姿は、過去のそれとは全くの別物だが。
「タケル、早く早くっ!!」
パティが振り向いてタケルを急かす。
―――タケルちゃん、早く早く!
その姿に、ついタケルはカスミを重ねてしまう…。
「……カスミ…」
目を伏せ、小さく呟くタケル。助けることが出来なかった。言いようの無い虚無感がタケルを襲う。
「…どしたの、タケル?」
「へ? …わぁっ!!!」
とつぜん目の前に現れたパティに、タケルは思わずのけぞってしまう。
「なによ、人の顔見てビックリするなんて…」
「ご、ごめん…」
謝るタケルを見て、パティが悪戯っぽく微笑む。
「…なぁんてね。嘘、嘘。ちょろっとからかっただけ♪」
「は、はぁ……」
「ほら、行こうよ!」
タケルとパティは街の中央に来た。この辺りは昨夜来たので、タケルも見覚えがある。
「…あっちが教会で、向こうは中央広場ね。…あっ、今日は市やってる!」
はしゃぎながら近くの説明をするパティ。思わず顔がほころんでしまう、そんな感じだ。
「ね、市行こっか?」
と、パティがタケルに声をかける。
「市?」
「うんっ」
タケルは少し考えた後、
「…うん、行こう」
小さく微笑んでそう言った。
市とは、簡単に言えばフリーマーケットのことだ。と言っても、不用品だけでなく、食料品や日用品といった生活に必要なものも揃っている。よろず市、と言ったほうがいいかもしれない。
「え、服?」
怪訝な顔をするタケルに、パティは大きくうなづいて言う。
「うん。だって日本出てからずっとそのカッコなんでしょ?」
そのカッコ、とはもちろんタケルの制服姿を見て言っている。学校がえりにハングドマンに襲われ、スザクに乗り、ガンブレッドと合流してからずっとこの制服姿のままだ。作業着やノーマルスーツに着替えたことはあるが、普段はずっと制服を着ている。
「まぁ…そうだけど」
「それじゃ代えの服ぐらい持っとかなきゃ。ほら来て!」
そう言ってパティは近くの服屋にタケルを連れて行った。
「…ねぇ、ちょっとこれ、派手過ぎない?」
試着室のカーテンの向こうからタケルの声がする。すっとカーテンを開けると、スタジャンに皮のズボン姿のタケルが現れた。
「うーん……ちょっちね。やっぱりスカーおじさんの見たてはアテにならないか…」
タケルの格好を上から下まで見て、溜息をつくパティ。
「いいわ、あたしが見たげる。ちょっと待ってて」
そう言って店の奥に引っ込むと、すぐに服を持ってきてタケルに手渡した。
「はい。…これ、着てみて?」
・
・
・
「…どう?」
着替え終えたタケルがカーテンを開く。白いTシャツにジーンズのスタイルだ。
「うん、いいんじゃない!? …結構かっこいいよ」
「あ、ありがと。…僕も、どっちかって言うとこういう格好のほうが楽で好きなんだ」
タケルが笑う。それにつられてパティも微笑む。
「OK。じゃ、これに決まりッと」
「ちょっと待ってよ、お金は?僕持ってないし…」
タケルは制服のポケットから財布を取り出す。その中には、申しわけ程度に硬貨が入っているだけだ。
「いーのいーの。あたしが払うから」
「そんなっ、悪いよ」
「…払わせて。お礼代わりだから」
少し上目遣いでそっと笑うパティ。その表情に、ドキッとするタケル。
「お、お礼って…?」
「子供達を助けてくれたお礼。…スカーおじさーん、今タケルが来てるヤツ。これ買うねーっ」
店主に手を振ると、振り向いてにこっと笑った。
「じゃ、行こ! もっといろんなトコ、案内するからっ」
それからパティはいろいろな所へ、タケルを連れて行った。そこで見る初めてのもの、沢山の人々との出会いに、タケルは目を輝かせていた。
「…ねぇ」
噴水の前で、ソフトクリームをなめていたパティにタケルが声をかける。ちなみにここは、昨夜パティが水浴びしていた場所だ。
「?」
「パティはさ……なんで戦ってるの?」
その問いに、パティは少し首をかしげて考え込む仕草をする。やがて、柔らかく微笑んでこう言った。
「…街を守るため。…ううん、それもあるけど……やっぱりいちばんはパパや子供達を、大切な人たちを守りたいから…かな?」
「?」
「…ちょっとついてきて」
パティは、タケルに手招きすると、路地裏へと向かった。
「階段…地下?」
タケルが問うと、パティは小さくうなづく。
「ここはね、連合軍の情報の中枢を担ってる場所なの。それが何処から漏れたのかは知らないけど、ともかくそれが原因で、あのMSが1年ほど前から来てたみたいなんだ」
「……」
「あたしは戦うこと自体好きじゃない。けど、ココを狙ってこの街が、子供達や街の人たちが傷ついてくのはもっとイヤ。だからあたしはビャッコに乗って、あの子と一緒に戦ってるの」
「そう、なんだ……」
パティの背負っていたものに少し圧倒されながらも、タケルはそれでもまっすぐな瞳をもったパティを、いとおしいとさえ感じていた……。
「…パティ……」
タケルがパティに声をかけたその時、
0 ズガァァァァァン!!!
「…!」
「なにっ!?」
二人が路地から飛び出すと、街から遥か離れた上空に、黒い人影が見えた。
「「あ、“アンノーン”!!?」」
それは、今までの“アンノーン”タイプのどれよりも異質だった。闇と見まがうばかりの漆黒のボディ、ギラリと妖しく光るモノ・アイ。そして、悪魔か死神とでも言うのだろうか、その背中には翼を携えている。
「どうするの!?」
「…どうするもこうするもないよ、急いでガンブレッドに戻ろう!」
タケルは辺りを見まわす。と、市の屋台の前に一台のエレキ・バイクがアイドリング状態で停まっている。
「よしっ」
バイクに近づく。キーが付いていることを確認すると、タケルは何も言わずに飛び乗った。
「あっ、俺のバイク!!!」
と、買い物中だったバイクの持ち主だろう男が目を点にしていた。
「パティ、早く乗って!」
タケルはパティを後ろに乗せると、
「すみません! あとで絶対返しますからッ!!!」
それだけ持ち主に言って、バイクをガンブレッドへと走らせた。
「タケルって、結構大胆なコトするんだね」
「…この場合、しょうがないだろ?」
ボヤくタケル。ガンブレッドが停泊しているドックに着くと、バイクから下りて、格納庫へと急ぐ。
「…おぉ、来たか!」
タケルの姿を見つけて、ダイゴが声を上げる。
「すみません! …ガンダムはどうですか?」
「あぁ、応急処置はしといたが…」
と、ダイゴの声のトーンが落ちる。
「…まだソーラープラズマメガライフルの調子が万全じゃねぇからな、ちょっと外してある。そんかわしといっちゃなんだが、他はカンペキに直しといた。いつでも出られるぜ」
タケルはその言葉にうなづいて、スザクのコックピットに飛び乗った。
「…ビャッコのほうは?」
パティが心配そうに聞く。
「…バーニアがまだ直ってねェ。部品の大半をスザクに使っちまったからな…」
「…そうですか」
「…悪ぃな、パティ」
が、パティは落ち込むどころか
「じゃ、タケルと一緒にスザクで出ます!」
「あ!?」
言うが早いか、閉じる寸前のコックピットハッチに滑りこんだ。
「ってオイ、パティ!!?」
あまりにも突然の出来事にダイゴもビックリだ。もっとも、一番驚いているのは飛び乗られたタケルのほうだが。
「ちょっ、パティ!?」
「あたしも行く! あたしの街だもん、あたしも一緒に戦いたいよ!」
「で、でも…」
焦るタケル。目の前にパティの顔があるのと戦闘への緊張感で耳まで真っ赤だ。
『…しょーがねぇ、連れてってやれタケル!』
通信機からダイゴの声がする。
「って、チーフまで!」
『なに言ってやがる、もう降ろすヒマも無ェだろが!』
確かに。そんな悠長なことやってる間には、あの新型がNYを殲滅してしまうだろう。
「あーもう自棄だ! タケル…」
「パトリシア=ウィンディ!」
「「ガンダムスザク、行きますっ!!!」」
カタパルトから射出されるガンダムスザク。コックピット内に軽くGがかかる。
「んっ…!」
パティの体を抱きかかえているような状態になっているタケルの腕にパティの胸の感触を感じる。
「……パティ、悪いけど後ろに回ってくれない?ちょっと動きづらくて…」
パティがシートの後ろに体を固定させたのを確認して、改めて操縦桿を握りなおす。主武装のメガライフルを外したせいか、こころなしか操縦桿が軽い。
「…! あれか…」
コックピットの全天周スクリーンに漆黒のMSの姿が現れる。
『敵機、TRMS-01“マジシャン”タイプ3機、新型機1機!』
通信機越しのジャッドの声に合わせ、サブモニタが情報を提供する。
「了解。…行くよパティ、しっかり掴まってて!」
スラスターを吹かせ、敵MSに近付くスザク。3機のマジシャンタイプが行く手を阻むが、既に3回も戦っているタケルに負ける要因は無い。
「遅い、そこっ!!」
ビーム・サーベルを抜き、瞬く間に3機全てを撃墜する。しかし、仲間がやられたにもかかわらず、例の黒いMSは微動だにしない。
「一気に攻撃を仕掛けるっ!」
最高速度で敵機に近付くスザク。残り5メートルにまで迫ったとき、一瞬MSの腕が消えた…ような気がした。
ガシィィィィン!!!
「うわぁっ!!」
「キャッ!」
突然の衝撃を受け、スザクが大きくのけぞる。
メインモニタを見ると、いつの間にかMSの手に巨大なビームの鎌が握られている。
「な、なんだ、コイツは……」
頭を振りながらタケルが口を開く。
「? ねぇ、なにか回線に割りこんできてるよ!」
「えっ?」
パティが回線を調節すると、スピーカーから聞きなれない声が聞こえてきた。
『……が……っと…か…』
「?」
どうやらその声は、あの黒いMSからのようだ。
『…テメェが、その赤いMSのパイロットだな?』
「だ…誰だ!」
『…レイナード=ウィル=ライファー……。それがオレの名前よ…。
赤いMS…テメェなかなか強ぇらしいな? オレと勝負しろよ。
オレのこの…“リュシフェル”でなァ!!!』
不意に通信が途切れ、それと同時に“リュシフェル”なるMSが大鎌…ビーム・サイズ…を振りかざして襲いかかってくる!
「うわっ!」
ブゥンッ!!
ビーム・サイズが空を切り、そのすぐ手前でスザクが回避する。
「は…疾い……!」
「スピードだけならマジシャンタイプ以上だよ!」
パティも戦慄を覚える。
「でも! こっちだっていつもより軽くなってる分、疾くなってるはずっ」
「遅ぇっ!!!」
リュシフェルが翼を広げ飛びこんでくる。
「このぉっ」
ビーム・サーベルとビーム・サイズがぶつかりあい、火花が散る。競り合いの隙を縫って左腕のシールドからビームレールガンを発射する。
ズガァン!!
「ちぃぃぃっ」
スザクを突き飛ばし、体勢を整えるレイナード。
「野郎ッ!!!」
そのままビーム・ライフルを構え、下方にいるスザクを捉える。
「墜ちろぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
その光の帯をすんでで交わし、リュシフェルに急接近するスザク。
「やらせは、しないっっ!!!」
ビーム・サーベルを振り上げ、一気に斬りつける。だが、それもリュシフェルのビーム・サイズに阻まれ、切り払われてしまう。
「くそっ、このままじゃ埒があかないよ…!」
「………………」
焦るタケル。
「! タケル、ちょっと」
「?」
と、パティが口を開く。
「ちょっと、耳貸して?」
そう言って、タケルに耳打ちをする。
「……なるほど。…でもいけるかな?」
「やってみなきゃわかんないって! 大丈夫、タケルなら出来る!!」
パティの言葉に、タケルも自信を持つ。
「…よし、やってみるっ!!!」
一方レイナードは、動こうとしないスザクに違和感を感じていた。
「動かねェ……? フッ、まぁいい。動かねぇんなら、仕留めるまでよ!!!」
そう言うとスラスターを全開まで吹かし、ビーム・サイズを構えて突進した。
「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
その突進に合わせ、スザクがビーム・サーベルを格納し、突っ込んでくるリュシフェルに向かっていく。
「沈んでろ、赤い奴ッ!!!」
大きく腕を振り、ビーム・サイズをスザクのコックピットめがけ振り下ろす!
「!!?」
…が、リュシフェルの大鎌は空を切っていた。
「な……何処に消えた!!?」
辺りをきょろきょろと見まわすレイナード。だが、スザクの姿は見当たらない。
その刹那、
ズガァァァァン!!!
「な、何ィィィィィィ!!?」
背後からの攻撃に焦るレイナード。そこにはファイアバード・モードのスザクがいる。
リュシフェルのビーム・サイズをスラスターの噴射で回避したスザクは、その頭上で変形し後ろを取った。そこからレールビームガンを放ったのだ。
「振り向かせないよ、この一撃で決めるッ!!!」
「よーし! 行っちゃえタケル!!」
瞬く間にMS形態に変形し、腰からビーム・サーベルを抜くスザク。そしてそのままリュシフェルのバックパックを一閃した。
ジジ…ジジジ……
バックパックから火花が散る。
「…チィ、機体の損傷が激しすぎるか……」
コックピットで舌打ちするレイナード。
「…やった……のか?」
タケルが呟く。
「…クソ、撤退だ!!」
ギュオォォォ…
リュシフェルがかろうじて残ったバーニアを全開し退避していく。
「逃げた……のか…?」
機体が損傷してるとは到底思えないほどのスピードで、リュシフェルは虚空の彼方へと消えた……。
「ホントに行っちゃうの、ママお姉ちゃん?」
リリィが心配そうにパティの顔を覗き込む。
「…うん、行かなきゃ行けない所があるからね」
「…帰ってくるの?」
「もちろん。いろいろやって、それが終わったら、ちゃんと帰ってくるわ」
笑顔で答えるパティ。
「……タケルにぃちゃん」
と、タケルのシャツの裾を、パルが引っ張る。
「ん、どうしたの?」
「…もしママお姉ちゃんのこと泣かしたら、ぜってーゆるさねーからな!」
キッとタケルを見るその瞳に、タケルはそっと微笑みを返す。
「…ねぇパル。パティの…ママお姉ちゃんのこと、好きかい?」
「うん!」
大きくうなづくパル。
「僕も同じ。…だから大丈夫。パティは、必ず僕が守る。絶対」
パルの頭を撫でて、タケルはそう言った。
「…やくそく…だからな!」
「うん、約束」
男と男の、一対一の約束。
「…それじゃ、パパ。しばらくの間、この子達の事、お願いね」
「…解っていますよ、パトリシア。あなたは、あなたの思う道を行きなさい。その道がたとえ困難な道でも、あなた自身の光が、あなたを導いてくれますから」
「……うん」
そう言うと、パティはルドルフの胸に顔をうずめた。親子の、しばしの別れ。
「…それじゃ、パティ」
「うん。じゃあみんな、……行って来るね」
「……みなさんに、神の御加護があらんことを」
二人の姿がガンブレッドの中に消え、轟音と共にガンブレッドが浮上する。
砂漠の砂が、彼らの旅立ちを応援するかのように、夕陽に光っていた……。
To Be Continued…
未だ見ぬ3機目のガンダムの手がかりを求め、中国に降り立ったタケルと仲間達。
そこで出会った、戦士を名乗る青年、フェイ=ヤァロン。
襲い来るアンノーンに怒りをあらわにするヤァロン。そして……
次回、超機動伝説ガンダムSUZAKU。第7話「蒼き龍」
哀しみの涙を爪で拭い去り、少年達は伝説となる……
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