料理のおいしさは、使われる素材と調味料、調理法によって決まるといわれています。 この素材、調味料、調理法は、各国々によって異なり、その地域特有の食文化を形成しています。 グルメの国、日本では「よりおいしいもの」への探求から、世界中のあらゆる食材が輸入され、 国内において、世界中のどのような料理でも食べることができます。 三菱ガス化学では、バイオ技術による各種酵素の製造研究の中から、 好塩性プロテアーゼの開発に成功しました。これを食品加工分野に利用すべく、 海洋魚介(イワシなど)を原料にした、酵素分解調味料の製造研究に着手し、 さまざまな魚介を原料に数多くの試作品を造り、現代の食の多様化に適応した、 複合的なコクとうま味を有する、新しい調味料を模索していました。 一方、時期を同じくして、料理の総合学園である辻学園は、食の探求の中でも、 とりわけ料理に欠かすことのできない「調味料」の調査研究に総力をあげて取り組んでいました。 そして、世界各地からありとあらゆる調味料を取り寄せ、調理・研究を重ね、 大変興味を持ったもののひとつが、東南アジアの万能調味料『魚醤』だったのです。 魚醤は、魚に塩を加えて、自然発酵させたものですが、魚肉たんぱく質が分解して 生じたアミノ酸や呈味性ペプチドは、うま味を有し、東南アジアの人々にとって、 料理に欠かすことのできないものとなっています。しかしながら、日本の料理や加工食品は 東南アジアと異なり、一般的に淡泊であるため、魚醤特有の魚くささは、あまり好まれませんでした。 そこで辻学園は日本人の嗜好に合った使いやすい魚醤を探し求め、東南アジアを中心に、 現地の製造工場へも赴くなど、日本人の味覚に合う魚醤の調査研究を進めていました。
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