デュエリスト三色団子の凡骨仕立て
「邪魔をする。」
「邪魔するんなら帰ってや」
「・・・・」
「このギャグがわからへんとは、お兄さん関東モンやな。」
「あ・・・気にしないでください。ご注文は?」
「洋梨のタルトを2つ・・・・それと、別件でもうひとつ。」
「べっけん?そんなお菓子あったかな?」
「どれみちゃん、別の用事って事よ・・・」
「別の用事?お菓子屋に何か用?」
「お待たせしました〜♪タルト二つです。」
「うむ。払いはコレで。」
「兄さん、ウチは現金払いやで!」
「あいちゃんは黙ってて!あ、カードOKです。うわ〜ゴールドカード・・・。」
「ところで、別の用事ってなんですか?」
「うむ。率直に言おう。あのマトリクスとやらを譲ってもらいたい。」
「なんや!またアレか!」
「ことごとく厄介事引き寄せるよねぇ・・・」
「値段に糸目はつけん。好きな値で買い取るが?」
「でた〜、金持ちの常套文句ね。」
「でも、サイバトロンの大事なものだし・・・」
「売るのか売らないのか、はっきりさせてもらいたいものだが?」
「サイバトロンの大事な物だもの!お金で売るわけにはいかないよ!!
「そうよ。それにさっき連絡したサイバトロンの人達が取りに来るし・・・」
「そうね!そう簡単に譲れるものじゃないもの!」
「ウチらとしてはこの辺りで・・・・」
「ほう・・・」
「あいちゃん、なにソロバン弾いてるノ!!」
「え?いや・・・ウチのお父ちゃん最近給料下がった言うてるし・・・」
「とにかく!だめです!!」
「ほう・・・俺を敵に回す覚悟があるようだな・・・」
「あ〜!お金に物言わせて、あたし達を脅すつもりね!そうはいかないわよ!」
「マトリクスは渡しません!」
「良く言った!!」
(バタン!)扉の開く音。
「おっと、そこの兄ちゃん。マトリクスはあたしらエンジェル隊とサイバトロンが預かるよ。」
「それは元々サイバトロンのもの。横からかすめとろうなんて、コソ泥のする事ですわ。」
「あ、でもぉ、金持ちでいい男〜♪考えちゃおうかな?」
「ちょ!困りますよランファさん!」
「そうそう!そこの男、残念だが君の商談は無かったことになるよ。」
「うわ〜!可愛いお菓子屋さんですぅ♪あ、このクッキーくださ〜い♪」
「は〜い」
「ちょっと、ミルフィーユさん。こんなときになに考えてるんですか。ねえヴァニラさん。」
「・・・・・・」
「む・・・デュエルディスク。貴様、デュエリストか。」
「・・・・・」(頷く)
「面白い。ならばマトリクスを賭けてデュエルだ!」
シャキーンッ!ピキューン!ぱっ。(デュエルディスク機動音)
「おい、お前!なに言ってんだ!?」
「マトリクスをそんなカード遊びに賭けようなんて・・・・」
(あ、でもあの男性のコスプレ・・・いいかも♪)
「まったくです。非常識にもほどがあります。ねえヴァニラさん。」
「・・・・デュエル」
シャキーンッ!ピキューン!ぱっ。(デュエルディスク機動音)
「ヴァニラぁ、お前やる気マンマンか!」
「うっわぁ!ヴァニラさん、がんばってくださいね!」
「デュエル成立だ!行くぞ俺のターン!!」
「話聞いてねえよ、この男!」
(ふ・・・俺の手札には『白竜の聖騎士』と『ブルーアイズ』が二枚。次のターンでアルティメットを拝ませてやる)
「俺は白竜の聖騎士を召喚!そして魔法カード、白竜降臨でブルーアイズを特殊召喚する!」
「何てことですの!1ターンで最上級モンスターであるブルーアイズを召喚するなんて!」
「やべえぞ、ヴァニラ!お前も壁モンスターか魔法カードを・・・」
「ふ・・。ターンエンドだ。」
「ヴァニラさんのターンですよ。」
「・・・・ドロー。」
「・・・・・・・・」
「ふ・・・どうした。壁モンスターが引けなかったのか?」
「ヴァニラぁ・・・」
「ヴァニラさん・・・」
「エグゾディア・・・・・」
「なにぃぃぃぃ!!!!」
※注:エグゾディア。正式名称『封印されしエグゾディア』
5つのエグゾディアパーツ。『封印されしエグゾディア』を中心に右腕・左腕・右足・左足の5つのカード。
この5枚が手札にそろったとき、いかなる条件にも関わらず、デュエルに勝利するという凄いカードである。
「ば・・・馬鹿な。この俺が・・・1ターンで・・・」
「お兄さん、ショックでふらついとるで。」
「よっぽど自分の腕を過信していたのね・・・」
「・・・・・・」
じっと海馬を見ている。
「ほ・・吼えるのは勝者の特権。今は黙すのみ・・・」
「・・・・・・凡骨」
「───ッ!!」
「・・・・・罰ゲーム」
「!!」
数十分後・・・・・・・・・・
バタバタ・・・バタンッ!!
「ここか!海馬からメール送ってきた店ってのは!」
「うん、そうだよ城之内君!」
「ったく、海馬の野郎、何のようだ?俺達を呼びつけやがって。」
「木馬君じゃなくて、僕達を呼ぶほどだもん。よっぽどの事だよ!」
「ああ、そうだな。とにかく、御邪魔するぜ!」
「・・・・・・・・・」
「か・・・海馬?」
「大変だ!城之内君!海馬君は脳がクラッシュしてるよ!」
「なんだよ、またかぁ。こいつ何回頭ん中吹っ飛べば気が済むんだ?」
「あ〜やっと迎えがきた。お兄さんがた、商売の邪魔やから、とっとと連れて帰ってや。」
「この方の携帯でメール送りましたの。御身内じゃなくて、ご友人のようですわね。」
「いったい・・・どうして海馬君がこんな風に・・・」
「この人は、ヴァニラさんとデュエルして負けちゃったら、こんな風になっちゃったんですぅ。」
「なにぃ!海馬が負けた!?そのヴァニラってのはどいつだ?俺が仇を討ってやるぜ。」
「無茶だよ、城之内君!」
「へっ、心配すんな遊戯!それに、そのヴァニラって奴に勝てば、俺が海馬よりつええって事になるじゃねえか!」
「ヴァニラさんをご指名するとは、身の程知らずもいいトコです。」
「・・・デュエル」
シャキーンッ!ピキューン!ぱっ。(デュエルディスク機動音)
「お!やる気マンマンじゃん!よっしゃ俺の先行だドロー!」
「あいつらまた始めたぞ・・・」
「ほっときましょう。・・・わ〜この人ゴールドだけじゃなくてプラチナカードも持ってる〜♪」
「ランファさん、どさくさにまぎれて人の財布を覗くのは失礼ですわよ。」
「いいじゃな〜い♪金持ちそうなんだから♪」
「行くぜ!鉄の騎士ギアフリード召喚!攻撃表示だ!」
ピキーンッ(攻撃力1800)
「あ・・・あのモンスター前にも見た。」
「リバースカードを一枚セット!ターンエンドだ!」
「・・・・ドロー」
「・・・・・・」
「?」
「ヴァニラさん?・・・・まさか・・・」
「・・・・エグゾディア」
「そんな馬鹿なぁぁぁ!!!」
「じょ!城之内君っ!」
「・・・・凡骨」
続くかな?