◆正解です!
【67の解説】
パレはこう結論づけました。「心臓は一つだったので,これは一人の赤ん坊である」。この問題は結局,その人の個性を作り人間たらしめるものは体のどこに存在するのかという問題となります。母親の胎内にあるときから死ぬまで拍動を続ける心臓は,まさに生命の源であり,ひいては精神の源でもあると中世ではみなされていました。さすがのパレもこの考えから抜け出すことはできなかったのです。脳こそ精神の座であるという考えは,すでに医聖ヒポクラテスが主張していたことだったのですが,アリストテレスは心臓説を主張しました。脳に精神の座があることを理論的に考えだすのはデカルトあたりからです。
【出典】「赤ちゃんはどこまで人間なのか」,ポール・ブルーム,ランダムハウス講談社,2006
◆正解です!
【66の解説】
この問題は,哲学者ダニエル・デネットが考案したもので,チンパンジーには他者の気持ちを推測する能力があるかどうかを調べるためのものでした。後に,この問題は人間の幼児の脳の発達を理解する上でも非常に有効であることがわかりました。この問題に正解するためには,幼児は「アンの気持ちになって」考えなければなりません。面白いことに,普通の4歳児はこの問題に正解できますが,4歳未満の幼児は正解できないのです。彼らは「自分が見た経験」に基づいて考え,「箱を探す」と答えてしまうのです。他人の気持ちになって考えられる能力が発達し始めるのは4歳になってからと言えます。ちなみに,この問題は自閉症の発見にも役立ちます。自閉症の子供は年齢にかかわらず,「箱を探す」と答えるからです。他者の気持ちになって考えるという部分の発達が阻害されているのです。
【出典】「赤ちゃんはどこまで人間なのか」,ポール・ブルーム,ランダムハウス講談社,2006
◆正解です!
【65の解説】
モールス信号は「・」と「−」から成る単調な信号に思えますが,実はとても奥が深いのです。モールス信号を打電するときのリズムには非常に個性があり,十分識別が可能でした。イギリスの女性たちはしだいに敵の通信士のこのような「筆跡」がわかるようになり,それぞれに具体的な名前をつけて呼んでいました。そして用件以外に現れる「彼女は元気かい?」とか「ミュンヘンの天気はどうかな?」などの会話から通信士同士の人間関係までわかりました。人物が特定できるとその敵が今どこにいて,これからどこに向かうかがわかり,その敵の所属する軍隊の動きが手に取るように把握できたのです。たとえ暗号が解読できなくても,モールス信号だけで重要なデータを入手することができました。
【出典】「第1感」,マルコム・グラッドウェル,光文社,2006
◆正解です!
【64の解説】
ゴットマンは3000組以上の夫婦の会話をビデオに収め,独自の感情分類方法で分析しました。会話に現れそうな感情を20種類に分け,嫌悪感は1,軽蔑は2,怒りは7,防護は10,愚痴は22などのように数字を割り振りました。ビデオに現れる夫婦の表情や心拍数などのデータをもとに複雑な方程式を計算し,わずか15分のビデオを分析するだけで,夫婦の15年後を90%の確率で予測できたのです。ゴットマンによれば,結婚が長持ちするには,会話の中の好意的な感情と敵対的な感情の比率は「5:1」でなければならないそうです。
【出典】「第1感」,マルコム・グラッドウェル,光文社,2006
◆正解です!
【63の解説】
心理学者のスーザン・ジェルマンとカレン・エベリングがこの実験を2歳児に対して行いました。すると2歳児は同じ絵でありながら,2の方の絵には「太陽」などと言った名前をつける傾向があったのです。2歳児になると事物を見て,それが偶然であるのか意図されたものであるのかを理解できるようになるのです。
【出典】「赤ちゃんはどこまで人間なのか」,ポール・ブルーム,ランダムハウス講談社,2006
◆正解です!
【62の解説】
これは哲学者ダニエル・デネットが考え出した有名な「サリーとアンの誤信念課題」です。この問題に正しく(「サリーは自分が入れたバスケットの中を探す」)答えるためには,「サリーの立場に立って」考えなければなりません。普通4歳児はこのテストに合格しますが,3歳児以下はほとんどの場合,「自分が」見た状況,すなわち「サリーは箱の中を探す」と答えます。4歳児以上でも自閉症の子供は他者の気持ちを読み取れないため,「箱の中」と答えることが多いようです。
【出典】「赤ちゃんはどこまで人間なのか」,ポール・ブルーム,ランダムハウス講談社,2006
◆正解です!
【60の解説】
1998年,アンドルー・ウェイクフィールド医師の率いるイギリスの医療チームが医学雑誌『ランセット』に,この三種混合ワクチンには自閉症を誘発する可能性があるという論文を発表しました。その根拠として,ワクチン接種後数日以内に自閉症の症状が認められた8人の子どもの例を挙げました。政府はこの論文は根拠がないとしてはねつけましたが,ブレア首相自身が自分の子どもに三種混合ワクチンを接種させたか否かを公表することを拒んだため,論争はますます激化しました。その後の研究で,ワクチンと自閉症との因果関係を裏づける証拠は見つからず,今ではほとんどの研究者は三種混合ワクチンは安全であると考えています。
【出典】「運は数学にまかせなさい」,ジェフリー・S・ローゼンタール,ハヤカワ文庫,2010
◆正解です!
【59の解説】
これは「モンティ・ホール」問題と呼ばれるものです。テレビのクイズ番組の司会者の名前に由来します。1990年に,米国の雑誌の「マリリンに訊いてみよう」というコラムで,マリリン・ヴォス・サヴァントが「ドアを変更した方が確率は2倍になる」と解答しました。この,直観に反する解答のために,フロリダ大学,ミシガン大学,ジョージタウン大学などの数学者を巻き込んだ大論争に発展しました。「サヴァント自身がまぬけなヤギだ」とまで言う学者もいました。しかし結局は,マリリンが正しく,「ドアを変更した方が確率が高くなる」ことがわかりました。まずあなたが最初に選んだドアが当たる確率は三分の一です。次に司会者が車のないドアを開けたとしても,あなたが最初に選んだドアの確率には何の影響もなく,依然として確率は三分の一です。そして消去法により,残りのドアに車が待っている確率は三分の二になるのです。
【出典】「運は数学にまかせなさい」,ジェフリー・S・ローゼンタール,ハヤカワ文庫,2010
◆正解です!
【58の解説】
「スパム」とは「スパイスを加えたハム」の略で,1937年ホーメル社が開発した缶入り食肉製品です。第二次大戦で生肉が不足していたときに様々な国で軍人や民間人に広く出回りました。そして1970年代にイギリスのコメディアングループ,モンティ・パイソンがスパムが巷にあふれていることをネタに大いに受け,「スパム」が「世の中にありすぎるもの」という意味で用いられるようになりました。やがてIT時代の到来とともに,毎日個人のパソコンに大量に送りつけられる商用メールを「スパム」というようになったのです。
【出典】「運は数学にまかせなさい」,ジェフリー・S・ローゼンタール,ハヤカワ文庫,2010
◆正解です!
【57の解説】
スパムメールを100万通送付した場合,普通15通程度の返事がきます。これは 0.0015% の返信率でありあまりにも低いのですが,スパムメールを送るコストが信じられないほど安いので,それで十分ペイするのです。今のところスパムメールを送る場合,1万通につき1ドル程度です。100ドルでは100万通送れます。15通の返事がくると,返信1通につき10ドルの利益でも合計で150ドルとなり,50ドルの純利益が出ます。
【出典】「運は数学にまかせなさい」,ジェフリー・S・ローゼンタール,ハヤカワ文庫,2010
◆正解です!
【56の解説】
まず人間が,スパムメールとそうでないメールを数多く準備します。この膨大な二つのサンプルをもとに,スパム防止プログラムはそれぞれに出てくる単語とその頻度を分類し,スパムの特徴を学習します。そして今度は,実際のメールをチェックして,そこに現れる単語を調べ,それぞれの単語の頻度を計算して「スパムらしさ」を数値で割り出し,「スパムらしさ」が80%以上ならスパムである――などと判断をしているわけです。まず最初に学習するというところが「かわいい」ところです。
【出典】「運は数学にまかせなさい」,ジェフリー・S・ローゼンタール,ハヤカワ文庫,2010
◆正解です!
【55の解説】
この段階の幼児は(個人差にもよりますが),まだ他者の心が読めず,「自分が好きな」もの(クッキー)を渡します。しかし,もしこの実験を1歳6ヵ月の幼児に行うと,なんと「ブロッコリーの皿」を渡すのです。他者の心を読む能力は,まさに1歳から2歳の非常に限られた時期に大きく発達するのです。
【出典】「赤ちゃんはどこまで人間なのか」,ポール・ブルーム,ランダムハウス講談社,2006
◆正解です!
【54の解説】
一回一回の勝負は互いに独立しており,客が勝つこともあればカジノ側が勝つこともあります。しかし「長い期間で平均する」とカジノ側が
「ほんのわずか」有利になるように器具を設定してあるのです。何であれ,ランダムな事象を十分な回数繰り返すと,やがて幸運も不運も帳消しになり,真の確率に近い平均値に落ち着くようになります。これを「大数の法則」といいますが,カジノはこれを利用しているわけです。もしカジノの客がほんの一握りで,数回しか賭けなければカジノは得をするかもしれないし,損をするかもしれません。しかし,カジノに客がたくさんいて,さまざまな賭けをしていれば,ランダム性は事実上消えてなくなり,「対数の法則」が支配するようになるのです。利益を上げるためには,カジノは運に頼る必要はなく,ただ辛抱さえすればいいわけです。
【出典】「運は数学にまかせなさい」,ジェフリー・S・ローゼンタール,ハヤカワ文庫,2010
◆正解です!
【53の解説】
別の学生にかかってきた電話でした(当時の学生寮は共同電話が多かった)。ファインマンの祖母は元気そのものでした。私たちはよく第六感を働かせたり,未来の出来事を夢に見たりします。しかし,はずれたものは簡単に忘れてしまうのに対し,的中した場合は(実は多くの予感の一つにすぎなかったのに),大げさに騒ぎたてます。ことは見かけほど意外ではないのです。
【出典】「運は数学にまかせなさい」,ジェフリー・S・ローゼンタール,ハヤカワ文庫,2010
◆正解です!
【52の解説】
胎児期の生存競争を生き延びた神経細胞(ニューロン)は,他の多くの細胞とは異なり,その個体が死ぬまで生き続けます。つまり,100歳の老人の脳のほとんどは,100歳の神経細胞からできているのです。神経細胞は実に1世紀以上生存できる能力があるのです。
【出典】「いのちのはじまり,いのちのおわり,坂元志歩著,化学同人社,2010
◆正解です!
【51の解説】
受精後25週目になると,ヒトの脳は多数の神経線維で結ばれた領域の間が強く引っ張られて「回(かい)」と呼ばれる隆起となり,逆に弱くつながった領域が「溝」となります。こうして出来た「しわ」は位置が固定され,生涯にわたって変わることはありません。
【出典】「いのちのはじまり,いのちのおわり,坂元志歩著,化学同人社,2010
◆正解です!
【50の解説】
鳥や爬虫類(そして恐竜)は夜行性ではなく,色の必要のない夜の世界で長く過ごすことはありませんでした。そのため4色色覚を持っています。赤,青,緑に加えて,我々ヒトには見ることのできない領域の色が見えていたのです。私たちにはうかがいしることのできない,豊かな色の世界を恐竜は体験していたはずです。
【出典】「いのちのはじまり,いのちのおわり,坂元志歩著,化学同人社,2010
◆正解です!
【49の解説】
パンゲア大陸はペルム紀から三畳紀にかけて存在していたと考えられている超大陸です。ギリシャ語で「すべての陸地」という意味で,アルフレート・ヴェーゲナーが名づけました。パンゲアでは南アメリカはアフリカの左にジグソーパズルのようにはめこまれ,アフリカの下には南極,その下にはオーストラリア大陸がくっついていました。地球内部のマントルは固体でありながら,あたかも液体のように動いています。そのマントルの上部が地殻と一緒になってプレートを形成し,このプレートが何取るの動きに合わせて筏のように移動しているのです。現在は,再び新たな超大陸を作るべく,各大陸が集合しつつある時期だと考えられています。
【出典】「いのちのはじまり,いのちのおわり,坂元志歩著,化学同人社,2010
◆正解です!
【48の解説】
このP/T境界では全生物の90〜95%が絶滅したと言われています。三葉虫もここで一巻の終わりとなりました。9割もの生物種が絶滅したということは,個体レベルで考えると当時地上に棲息していた生物の99%が死滅したといえます。とてつもない出来事が起きていたのです。
【出典】「いのちのはじまり,いのちのおわり,坂元志歩著,化学同人社,2010
◆正解です!
【47の解説】
地表が凍結しても,地球内部のマントルは活動を続けています。そうした熱や二酸化炭素が海嶺や火山から吐き出され蓄積されて,一定の基準を超えたとき,全球凍結が一気に(100年という地球時間から見ればまさに一瞬で)崩壊し,その直後に今度は50℃以上もの気温が地球全土を襲いました。まさに100℃以上もの温度差に見舞われたのです。その証拠に,南アフリカで発見された氷河性堆積物の上には大量の二酸化炭素があったことを示す石灰岩が,厚さ50mにも渡って堆積していたのです。
【出典】「いのちのはじまり,いのちのおわり,坂元志歩著,化学同人社,2010
◆正解です!
【46の解説】
男性になぜ乳首があるのか――それは性の決定が行われる前に乳首が形成されたためです。つまり,ヒトの基本仕様は「女性」なのです。
性染色体は女性はXX型,男性はXY型です。しかし,染色体がXY型だからといって必ずしも外見が男性になるとはかぎりません。受精後7週間目にX染色体上にあるSRYという遺伝子が作動すると,生殖腺が精巣になり,そこから男性ホルモンが出て体全体が男性になります。このSRYが働かないと,たとえXY型のヒトであっても(卵巣がなくても),外見は女性となり,自我も女性のままです。
また逆に,たとえXX型のヒトでも,副腎皮質から男性ホルモンとよく似たホルモンが大量に分泌されると(これを副腎皮質過形成症(CAH)という),外見は女性であっても性の自認は「男性」となります。胎児期のホルモン環境が性の自認に非常に大きな影響を与えるわけです。
【出典】「いのちのはじまり,いのちのおわり,坂元志歩著,化学同人社,2010
◆正解です!
【45の解説】
1個の精子が卵子の中に入ると卵子を覆う膜が瞬時に変化し,他の精子の侵入を阻みます。ところがこの機能がうまく作動せず2個の精子が同時に卵子の中に入ることもあります。この場合,受精卵(1個の卵子に2個の精子が入ったものを「3倍体」といいます)はほとんど流産します。実は流産の6割がこうした染色体異常によるものです。ごくまれに3倍体の新生児が生まれることもありますが,出産直後に死亡します。
【出典】「いのちのはじまり,いのちのおわり,坂元志歩著,化学同人社,2010
◆正解です!
【44の解説】
射精された精子の寿命は2日程度です。受精目的に特化した精子はいわば最小限の燃料しかない特攻機のようなものです。通常卵子は「透明帯」という殻と2〜3層の「卵丘細胞」に覆われています。卵丘細胞は誘因物質を出して精子を引きつけます。最初に到達した精子は先端からタンパク質を溶かす酵素を出して卵丘細胞を突破します。しかし突破した段階で酵素を使い果たし,戦線離脱となります。そしてそのあとに来た精子が透明帯を突破して受精することになります。ようするに精子たちは「協力して」バリヤーを突破し,受精を行っているわけです。そのためには少なくとも200〜300個の精子が卵子のまわりにいないと受精はできません。
【出典】「いのちのはじまり,いのちのおわり,坂元志歩著,化学同人社,2010
◆正解です!
【43の解説】
射精されたばかりの精子はまだ受精能力が備わっていません。射精された精子は女性の子宮や卵管から分泌される物質によって7時間ほどかけて受精能力を獲得するのです。男性の精子は女性によって「一人前」にしてもらうのです。精子が受精能力を獲得すると,頭部先端部分の表面にある糖タンパク質が取り除かれ活発に動くようになります。
【出典】「いのちのはじまり,いのちのおわり,坂元志歩著,化学同人社,2010
◆正解です!
【42の解説】
卵子はその女性が「胎児」として母の体内にいる間に,その胎児の卵巣の中で500万個程度作られ,その後二度と作られることはありません。男性の精子はほぼ生涯にわたって作られ続けるのに対し,女性の卵子はこの500万個が消費され続けるのみです。誕生時には200万個,そして思春期にはたった4万個に減少し,50歳くらいになるとすべて無くなります。しかもその4万個のうち,生殖可能な時期に排卵されるのはなんとたった400個程度なのです!卵子は,毎日1億個も乱造される精子と比べ,とても貴重な存在といえます。(^^)
【出典】「いのちのはじまり,いのちのおわり,坂元志歩著,化学同人社,2010
◆正解です!
【41の解説】
日本がNASAと共同勉強会をしている最中に,NASAはもともと日本が出した小惑星ランデブーのアイデアを独占し,NASA独自で行うと宣言しました。一瞬あっけにとられ,次にむかっときた川口淳一郎は思わず,「よし,それなら我々はイオンエンジンで小惑星を往復し,試料を地球に持ち帰る計画(サンプル・リターン)をやる」と叫びました。結局,NASAとの勉強会はこれが最後になりました。「はやぶさ」プロジェクトはいわば,NASAへの腹いせから生まれたのです。
【出典】「はやぶさ」式思考法,川口淳一郎著,飛鳥新社,2011
◆正解です!
【40の解説】
エンジンが4基ともだめになったとき,「はやぶさ」プロジェクト・チームは生き残ったイオン源と中和器を組み合わせて復活を試みました。その時,川口氏は岡山県真庭市にある「中和(ちゅうか)」神社に参拝しました。「中和」器を「中和」神社にひっかけたわけです。しかも中和神社は道中の安全祈願の神様でもありました。川口氏は,神頼みをして幸運を期待するのは,限界を知っていればこそなのだと言っています。ちなみに,「はやぶさ」が音信不通になったときは,飛不動尊の異名を持つ東京台東区の正寳院(しょうぼういん)で祈祷をしてもらっています。(^^)
【出典】「はやぶさ」式思考法,川口淳一郎著,飛鳥新社,2011
◆正解です!
【39の解説】
1998年,宇宙科学研究所によって打ち上げられた火星探査機「のぞみ」は結局火星の周回軌道に乗ることができずに失敗しました。「はやぶさ」はその失敗から学び,「万一故障が生じても,被害を最小限に食い止める工夫」が各所になされていました。どこか一カ所に故障が起きても,関係する機器が全体が死んでしまわないようにしたのです。「はやぶさ」があれだけのトラブルに見舞われながらも,地球に戻ってこれたのはそうした工夫があったからです。
【出典】「はやぶさ」式思考法,川口淳一郎著,飛鳥新社,2011
◆正解です!
【38の解説】
日本の学校では100点満点で評価しますが,これは最高を100点として間違った点を減点していく方法です。100点という「天井」を設定したために,たとえ150点や200点くらいの内容のある答案であっても100点しか与えられません。こういく方法だと試験に出そうなところだけを勉強して,それ以外はやってもムダと生徒は考えるようになってしまいます。伸びる生徒を伸ばすには「減点法」ではなく,どんどんとよい点を加点していく「加点法」を取り入れるべきだと川口さんは主張しています。
【出典】「はやぶさ」式思考法,川口淳一郎著,飛鳥新社,2011
◆正解です!
【37の解説】
マルクス主義も精神分析も,あらゆる事象を説明してみせたことは事実です。しかし,この2つには大きな欠陥があります。それは両者とも「検証ができない」ということです。テストにかけられないということは「信仰」と同じであり,科学というよりはイデオロギーです。いずれも科学的な装いを取ろうとはしましたが,結局科学にはなり得ませんでした。ポパーをそこを鋭く指摘しました。
【出典】哲学人,ブライアン・マギー著,NHK出版,2011
◆正解です!
【36の解説】
ひとつの用語を定義するたびに,新しい用語を最低一つは導入しなければなりません。そうしないとその定義は堂々巡りになってしまうからです。ところが新しい定義を導入すると,さらに新しい用語を定義しなければならなくなり,これまた無限遡行に陥ります。科学者たちは,「観察,測定,光,質量,エネルギー,数」といった基本的用語については深く議論せず,おおむね放置したまま,科学の研究を先へと進めていっています。「そもそも数とは何か」とか「数学とは何なのか」といったことは深く議論しないということです。ポパーはこうした姿勢を妥当であり,それでよいとしています。用語を定義するという行為自体が自己矛盾であるからです。
【出典】哲学人,ブライアン・マギー著,NHK出版,2011
◆正解です!
【35の解説】
もともと science という語は,「音楽の科学」「倫理の科学」などのように,「研究」という意味で用いられていました。また,科学の研究者のことをそれまでは natural philosopher と言っていました。しかし,イギリスのロマン派詩人サミュエル・テイラー・コールリッジは,友人の科学者ハンフリー・デービーが実験に打ち込む様子を見て,こうした友人を表す表現はないかと考え,scientist という語を思いついたのです。
【出典】「科学は歴史をどう変えてきたか」マイケル・モーズリー&ジョン・リンチ著,東京書籍,2011
◆正解です!
【34の解説】
ティコ・ブラーエ(1546〜1601)は,実際はウラニボリとステルニボリの二つの天文台を建てました。ただし,当時の天文台にはまだ望遠鏡がなかったことに注意してください。ガリレオが初めて望遠鏡を天体に向けたのは1609年で,ティコが死んで8年後です。では望遠鏡のない天文台で彼は何をしていたのでしょうか? なんと,裸眼で天体観測をしていたのです。20年間毎夜天体を観測し続けたため,彼の左目は右目より多いくなったと言われています。ティコは若い頃決闘で鼻を削がれたため銅製の鼻をつけていたとか,尿をがまんし続けたため膀胱破裂で死んだなどのユニークなうわさがあります。死因については,1990年に彼の遺髪が調査され,大量の水銀が検出されたためどうやら錬金術実験による水銀中毒で死んだようです。彼は膨大な観測記録を弟子のヨハネス・ケプラーにさえ見せようとしなかったため,ケプラーに暗殺されたのではという説もあります。
【出典】「科学は歴史をどう変えてきたか」マイケル・モーズリー&ジョン・リンチ著,東京書籍,2011
◆正解です!
【33の解説】
すでにコペルニクスが「天球の回転について」を出版されていましたが,大学では周転円を用いたプトレマイオスの宇宙モデルが通説でした。しかし,ケプラーの指導教授ミヒャエル・メストリンは,公式にはプトレマイオスの宇宙モデルを,しかし,非公式にはラディカルはコペルニクス・モデルを教えていたのです。ケプラーはこの太陽中心モデルに惹かれました。そしてコペルニクスでさえ太陽の周りを惑星が円を描いて回っていると考えていたのですが,ケプラーはティコ・ブラーエのデータを分析して,それが「楕円軌道」を描いていることを知ったのです。これが「ケプラーの法則」です。しかも彼は「太陽と惑星の間に、磁力のような力が存在する」ことまで気づいていたのですが,その正体まで解明するには至りませんでした。
【出典】「科学は歴史をどう変えてきたか」マイケル・モーズリー&ジョン・リンチ著,東京書籍,2011
◆正解です!
【32の解説】
重要なのは,適切なときに適切な場所にいることであり,単なる偶然だけでは十分ではないということです。アレクサンダー・フレミングは細菌を殺すものを探して何年もの間,気が遠くなるような地味な実験をこつこつと続けてきました。1928年,彼は細菌をペトリ皿で培養したまま休暇を取りました。その間に同僚が別の場所で研究していた真菌の胞子が「偶然」窓から入って彼のペトリ皿に落ちたのです。休暇から帰ったフレミングは,ペトリ皿の細菌が死滅しているのを知り,「何が細菌を殺しているのだろうか」と考えました。ここが大切なところです。十分な準備をしていたが故に,彼はその重要性を即座に理解し,ペトリ皿を捨ててしまわずに研究を続けたことが世紀の発見につながったのです。
【出典】「科学は歴史をどう変えてきたか」マイケル・モーズリー&ジョン・リンチ著,東京書籍,2011
◆正解です!
【31の解説】
この「電気イス」とはもちろん,死刑用の器具です。当時エジソンは直流電流の普及を考えていましたが,部下のニコラ・テスラが交流発電機を発明してしまいました。交流のほうが直流よりもずっと高い電圧を供給できます。直流では3キロしか送電できないところを,交流ならはるか遠くまで送電できるのです。当然ライバル社のウエスチングハウスやトムソン・ハウスは交流を採用しました。これに対してエジソンの取った態度は大人げないものでした。彼は「交流がいかに危険かを示す」ために,電気イスを発明して犬や猫を感電させる実験までしています。ライバル社のイメージダウンをねらったのです。エジソンが創業したGEは,最初の会社名はエジソン・ゼネラル・エレクトリックだったのですが,エジソンの態度にあきれた後継者たちが,会社名からエジソンを取ったという話が伝わっています。
【出典】「科学は歴史をどう変えてきたか」マイケル・モーズリー&ジョン・リンチ著,東京書籍,2011
◆正解です!
【30の解説】
ガリレオが最初に望遠鏡を発明したのではありません。望遠鏡は1608年,オランダのリッペルスハイが発明したということになっていますが,それ以前にすでにあった可能性もあり,実は最初の発明者ははっきりしません。
当時,将来の展望もない中年の数学教授だったガリレオは,名声と財産を心から欲していました。そして望遠鏡が発明されたことを聞いて,これだと思いました。彼は財産家だったパトロンに望遠鏡で好ましい印象を与えたかったのです。自分の作った望遠鏡がまさか宇宙の科学を変えることになろうとは夢にも思っていませんでした。
【出典】「科学は歴史をどう変えてきたか」マイケル・モーズリー&ジョン・リンチ著,東京書籍,2011
◆正解です!
【29の解説】
量子力学を学ぶために第一にしなければならないのは,数学の土台作りです。小学校の3年生くらいの簡単な算術からはじめて,ユークリッド幾何,方程式,微積分,常微分方程式と扁微分方程式,ベクトル演算,数理物理学の特殊関数,行列代数,群論を学ばなければなりません。これにはざっと小学3年〜大学院の始めまで15年かかります。しかし,これはまだ量子力学の入り次にたどり着いたということにすぎず,そこからやっと量子力学が学べるということなのです。
【出典】「悪霊にさいなまれる世界」カール・セーガン,早川書房,2009
◆正解です!
【28の解説】
ライナス・ポーリングは1954年,化学結合を究明したことでノーベル化学賞を,そして1962年,地上核実験に対する反対運動の業績によりノーベル平和賞を受賞しました。1953年,DNA解明のあと一歩というところで,ワトソンとクリックという若者にその栄誉を奪われてしまいました。彼はDNAを「三重らせん」と考えていたのです。しかし,ポーリングはいさぎよく,これらの若者の偉業を称えました。ロザリンド・フランクリンのX線結晶構造の写真を盗み見し,自分たちは何の実験もせずに他人のデータを利用することでまんまと栄冠を手にした,名誉心にはやる若造とは,レベルが違います。もっともポーリングは晩年,大量のビタミンCが健康に良いという考えにとらわれてしまい,いささか評判を落としました。しかし,こうしたことはクリックもやっていますし,ノーベル賞受賞者にはよくあることです。(^^)
ところで,この「妻(ヘレン・アヴァ・ポーリング)の尊敬に値する人物でありたい」という回答は,カール・セーガンに深い感銘を与えました。ポーリングの人となりを示すエピソードです。
【出典】「悪霊にさいなまれる世界」カール・セーガン,早川書房,2009
◆正解です!
【27の解説】
アインシュタインはナチスの原爆開発を心配して,ルーズベルト大統領に原爆開発を進める手紙を提出しましたが,後には核兵器廃絶を求めるラッセル=アインシュタイン宣言に署名しました。オッペンハイマーはマンハッタン計画で原爆製造の責任者となり原爆を開発しましたが,日本に原爆が投下されたことを知り,思わずトルーマン大統領の前で「科学者は罪を知りました」と口走りました。そのためトルーマンは激怒し,側近にもう二度と彼には会いたくないと言ったそうです。彼の態度は当然,水爆を推進するテラーと対立。テラーは「マッカーシーの赤狩り旋風」の最中に,オッペンハイマーの米国への忠誠心を疑うようは証言をしたため,彼は原子力委員会から「危険人物」とされてしまいました。アインシュタインと同様,ハンガリー出身のユダヤ人であるエドワード・テラーは,原爆や水爆の開発に異常な執念を持ち続けました。彼には反省などという言葉は一切縁がなく,50年もの間,水爆の政策立案のプロセスを巧みに操ってきました。アラスカに核爆発を利用して人工湖を作るという計画(チャリオット計画)を立てましたが,先住民の反対に会って頓挫しました。テラーはアラスカには無人の荒野が広がっていると思っていたのです。レーガン大統領に,結局は失敗だった「スターウォーズ計画」をもちかけたのも彼です。彼は2003年95歳で死にましたが,80歳を過ぎても,新世代の熱核兵器開発に意欲を見せていました。
【出典】「悪霊にさいなまれる世界」カール・セーガン,早川書房,2009
◆正解です!
【26の解説】
微積分法については,わずかにライプニッツの方が早いものの,ほぼ同時期に公表されました。ドイツ人やスイス人はライプニッツの著作から,イギリス人やフランス人はニュートンの著作から微積分法を学びました。当初二人はあまり気にしなかったのですが,それぞれの支持者がその優先権について激しく口論し始めたため,二人は自然とその争いに巻き込まれていきました。どちらも戦いに手を抜くようなタイプではなかったので,争いは実に激しいものとなりました。現在では,二人はたまたま独立して着想を得たものと考えられています。今ではどちらかというとニュートンの貢献が強調されがち(着想も早かったし,『プリンキピア』という集大成本を出した)ですが,今用いられている記号はライプニッツの記号です。
この二人の著作がなぜかくも「難解」なのかについては,「素人が道楽半分にいじりまわさないように意図的に難解にしたのではないか」と言われています。もっとも,ヤーコブ・ベルヌーイなど有能な数学者はもちろん難なくこれらの著作を理解していました。ベルヌーイはこのほんの一握りの人間しか持っていない武器をもとにして,他の人間では太刀打ちできない数学的難問をやすやすと解決したのでした。
【出典】「たまたま――日常に潜む偶然を科学する」ダイヤモンド社2009
◆正解です!
【25の解説】
パスカルはほとんど生涯にわたって,胃痛や頭痛に悩まされました。こうした痛みを紛らわせるために学問に没頭したとも言われています。24歳のときにパリに出て医者から「継続的な頭脳労働をすべて諦め,できるだけ多く気分転換の機会を探すべきだ」と言われます。おりしも父親が他界し,多くの遺産が入ったこともあり,若いパスカルは「医者の忠告だから」といって若い仲間と放蕩をはじめるのです。不思議なことに,この時期彼の健康はかつてないほどよくなっていました。そしてアントワーヌ・コムボーという,ちょっと危ない貴族ギャンブラーからあるギャンブルにおける難問を持ちかけられたことが,彼の「確率論」の始まりとなるのです。
【出典】「たまたま――日常に潜む偶然を科学する」ダイヤモンド社2009
◆正解です!
【24の解説】
アンネ・フランク著の『若い少女の日記』(邦題は『アンネの日記』)はこれまで,3,000万部が売れる超ロングベストセラーとなっています。この史上最高のベストセラーの一つに数えられる作品でさえも,当初は「年端もいかない少女が書いた,たわいもない家族内の日記である」として出版社からは相手にされなかったのです。少数ながら幸い,そうは考えなかった出版社がいたおかげで,人類の宝ともいえる作品を今日我々も手にすることができるのです。
【出典】「たまたま――日常に潜む偶然を科学する」ダイヤモンド社2009
◆正解です!
【23の解説】
今の私たちには理解に苦しみますが,当時,流体力学などという「柔らかく」て「女性的」なものを研究対象にするなどということは,科学者(ほとんど男性)にとっては女々しくて恥ずかしいことと考えられていたのです。もちろん,ベルヌーイ,ニュートン,オイラーなどはそうは考えずに,ちゃんと研究しています。
【出典】「確率と統計のパラドックス――生と死のサイコロ」青土社,2005
◆正解です!
【22の解説】
実はこの飛行教官のいう全く逆のことも起こり得ます。つまり「ほめると次回は改善され,怒鳴ると次回はより悪くなる」こともあります。どんな一連のランダムな事象においても,「ある特別な事象の後には,十中八九,ありきたりの(標準に近い)事象が起こる」ものなのです。統計学ではこれを「平均回帰」と言います。一方,報酬を与える方が罰を与えるよりも有効であることは,様々な動物実験で証明されています。
【出典】「たまたま――日常に潜む偶然を科学する」ダイヤモンド社2009
◆正解です!
【21の解説】
アラビアの数学者アル・フワリズミは「インド人による加法と減法の書」という本を著した有名な学者です。そのためあちらこちらで引用され「アル・フワリズミが言うことには」という意味のラテン語「Dixit Alogorismi (ディクシット アルゴリズミ)」がしばしば用いられたのが,いつのまにか勘違いされて,計算方法のことを「algorism」と呼ぶようになったのです。ちなみに,「ゼロ」という言葉も,この「インド人による加法と減法の書」の中の sifr のラテン語訳 zephirum が語源だそうです。
【出典】木村俊一「天才数学者はこう解いた,こう生きた」講談社2001
◆正解です!
【20の解説】
ジェローラモ・カルダーノはレオナルド・ダ・ビンチでさえもうらやんだというルネサンス万能の天才です。ガリレオが振り子の等時性を発見したとき腕の脈で時間を計ったのもカルダーノの著書によったものです。また,ハムレットが "To bo or not to be ..." と独白するとき手にしていたのはカルダーノの哲学書[慰めについて」の英訳版だったとするシェイクスピア学者もいます。
【出典】木村俊一「天才数学者はこう解いた,こう生きた」講談社2001
◆正解です!
【19の解説】
ニュートンは物事に熱中すると食事を忘れてしまうことが多多ありました。ケンブリッジの教授になってからも食堂で食事を忘れて問題に熱中していたので,とうとう手がつけられないまま皿が片付けられたという目撃談もあります。家庭でも数学に集中するあまり,ニュートンのために作られた食事がしばしば猫に回されました。それで猫が太ったというわけです。ニュートンはドアに,押せば開くような猫用の小さな穴をあけていたといいます。猫好きだったのですね (^.^)
【出典】木村俊一「天才数学者はこう解いた,こう生きた」講談社2001
◆正解です!
【18の解説】
日本でも,かつては紙がとても貴重であり,反古の紙に何度も何度も字を書いて練習したものです。同じように,西洋では羊皮紙がとても貴重でした。そこで,本を作る際に羊皮紙の古いインクを洗い流してその上に新たに文字を書いてリサイクルしていたのです。ただし,洗い流したといってもインクがすっかり落ちるわけではありません。うっすらと以前の内容が読めるのです。これをpalimpsest パリンプセスト(二重書き)といいます。落札された本もこの「パリンプセスト」で,そこに残っていた以前の本というのが,何と10世紀に東ローマ帝国のイスタンブールで筆写された「アルキメデスの数学書」だったのです。
【出典】木村俊一「天才数学者はこう解いた,こう生きた」講談社2001
◆正解です!
【17の解説】
当時最大級の王冠の重量は約1キロです。もしこれに銀が30%混ぜられていたら水位の上昇がどのくらいあるかを調べるとなんとたった0.4ミリメートル。これでは表面張力や誤差を考えるとその差を知ることは不可能です。もし,天秤をつかえば,天秤は誤差には敏感ですから直ちにその差がわかるはずです。もっとも本当にアルキメデスが天秤を使ったかどうかはどこにも書いていないのでわかりませんが。
【出典】木村俊一「天才数学者はこう解いた,こう生きた」講談社2001
◆正解です!
【16の解説】
ゴキブリ(日本のゴキブリは主に「チャバネ・ゴキブリ」)はもともとアフリカや東南アジアの熱帯ジャングルに住んでいたものと考えられています。もともとは樹液などを吸う昆虫で,大きさも今のものよりはるかに大きかったそうです。イギリスにチャバネゴキブリが広まったのは18世紀中頃で,クリミヤ戦争から帰還した兵士のバスケットから広まったといわれています。日本にも18世紀頃に大陸から貿易港の堺に船荷とともに上陸したようです。ということは,奈良・平安・室町および江戸初期の人々はゴキブリに悩まされていなかったのですね。築8年を迎える我が家もついに昨年あたりからゴキブリを見かけるようになりました ^^;
【出典】安富和男「ゴキブリ3億年のひみつ」講談社ブルーバックス,1993
◆正解です!
【15の解説】
ABO式血液型は1900年,ウィーン大学のラントシュタイナーによって発見されました。最初はA型とB型の二種が見つかり,その後その両方の成分を持つ型と,逆にどちらの成分も持たない型が見つかりました。前者の方をAB型とし,後者はどちらの成分も持たないという意味で「0(ゼロ)」型としたのです。ゼロをしばしば「オウ」と発音され,これがO型(オー型)として定着したのです。ちなみに,血液型とその人の性格にはなんら相関性はありません。体液がその人の性格や病気に影響を持っているというのはギリシア時代の考えです。この考えは中世まで続き,そのため床屋(当時は民間医としての役割も果たしていた)で瀉血(しゃけつ)もしていました。そもそもクルクル回っている床屋の看板の「赤青白のストライプ」はそれぞれ動脈,静脈,包帯を表わしています。画家のラファエロは瀉血を受けたためにただでさえ弱っていた体力がさらに弱って死んでしまいました。
かつて血液型で人種のランキングを図ろうとするアホな企て(もちろん白人が上位で黒人が最下位という結論がはじめからありました)がなされましたが,すべて失敗しています。そもそも意味のないことをやっているわけです。
【出典】後藤尚久「アイデアはいかに生まれるか」講談社ブルーバックス,1992
◆正解です!
【14の解説】
ビネーは学習についてこれない生徒を選別し,彼らに特別な教育を行うために知能テストを開発しました。そしてこのテストの利用に際しては次の3つの原則を守らねばならないとクギをさしたのです。
【出典】スティーヴン・J・グールド/鈴木善次・森脇靖子訳「人間の測りまちがい」 河出書房新社,1998
◆正解です!
【13の解説】
自動車の価格は1グラム当たり1円といわれており,1トンで100万円くらいです。一方,携帯電話は1グラム当たり200円くらいです。つまり,おなじ雇用人口を維持するとしたときに地球にかける負担は情報通信産業の方が自動車産業より1/200となり,200倍地球に優しいといえます。
【出典】後藤尚久「アイデアはいかに生まれるか」講談社ブルーバックス,1992
◆正解です!
【12の解説】
進化古生物学者J・グールドはこの本を「過去についてのばかげた研究の中でも最も珍奇なものである」と評しています。彼らの算定方法は,親の職業・身分からその親の知能を推定し,それがそのまま子供に遺伝すると考えていました。また,子供時代の学習の様子も数値がしていったのですが,子供時代の情報が入手できないコペルニクスなどはたいへん不利になったのです。さらに面白いのはこの本には「シェークスピア」のIQが載っていないのです。手袋職人の子供として生まれ,子供時代の情報が皆無に近いこの天才のIQは100以下となってしまうため,載せることができなかったのです。
【出典】スティーヴン・J・グールド/鈴木善次・森脇靖子訳「人間の測りまちがい」 河出書房新社,1998
◆正解です!
【11の解説】
骨は熱伝導性が良いため,外気が寒いと頭の骨を通して熱が失われ,脳の温度が下がります。脳の温度が下がると生命の維持ができなくなる危険が生じるのです。あの厚い帽子は生命を守っているわけです。
【出典】高田明和「脳とこころのしくみ」角川選書,1982
◆正解です!
【10の解説】
スタンフォード大学のロバート・サボルスキー博士の計算によると,もし人が全く老化しないとしても,現在の事故発生率が続けば,半分の人間は600歳で死んでいるということです。1200年後には3/4の人が死んでいることになります。不老不死は夢のまた夢ですかね。
【出典】高田明和「脳とこころのしくみ」角川選書,1982
◆正解です!
【9の解説】
心臓病・ガン・脳梗塞などの死亡率の高い病気がすべて治ったとして,せいぜい寿命が平均して10年程度延びるだけです。
【出典】高田明和「脳とこころのしくみ」角川選書,1982
◆正解です!
【8の解説】
研究者たちは喫煙,運動,食習慣,友人関係,教会へ行くか否か,家族構成などを克明に調査しました。その結果,「友人や家族の多い人」は性別,年齢,人種,社会的階層,喫煙,飲酒,食習慣と「無関係に」,いずれも死亡率が低く,また病気にかかる割合も低かったのです。社会にとけこんでいる人,社会から精神的(時に物質的に)支持が得られると「考えられる」立場の人たちは精神が安定し,その結果病気に対する抵抗力が増すのではないかと考えられています。
【出典】高田明和「脳とこころのしくみ」角川選書,1982
◆正解です!
【7の解説】
カエサルはしばしば暗号を用いました。「ガリア戦記」には,敵に包囲されている味方の副将に「これから助けにいくぞ」という内容の文を,ローマ字をギリシャ文字に書き換えて送りました。これも一種の暗号です。
【出典】サイモン・シン/青木薫訳「暗号解読」新潮社,2001
◆正解です!
【6の解説】
今日私たちが時間や角度に60進法を用いているのは単に,「バビロニアの天文学者(=占星術師)からギリシアを経て今日まで伝えられた「伝統」にすぎません。そこには何ら必然性はないのです。もし発明の値打ちが,それが使われ続けた年月の長さで決まるとすれば,この60進法は史上最大の発明ということになります。なにしろ,バビロニア以来4000年も使われ続けているのですから。
【出典】木村俊一「天才数学者はこう解いた,こう生きた」講談社2001
◆正解です!
【5の解説】
こういう問題が出るとたいていの人はなぜか「1センチ」と答えるそうです。「1円→わずか→少し→短い→1センチ」という連想が働いてしまうようなのです。実はあのちっぽけな1円玉はなんと「2センチも」あるのです!
【出典】織田正吉「暮らしの中のユーモア」創元社1984
◆正解です!
【4の解説】
1942年にベルリンのバンゼー会議でユダヤ人の大量殺戮の具体案が秘密裏に検討されました。この会議で,原案に大賛成だったのがたった5%,真っ向から反対したのが5%,判断のつきかねたものが20%,そして残り70%は「全く無関心な人々」だったと言われています。
第二次世界大戦当時,ヨーロッパ,ロシア,アメリカを合わせると約10億人に人々がいました。そうすると10億×5%=5千万。つまり,当時ヨーロッパ,ロシアおよびアメリカには約5千万人のラジカルなエレメントがいたことになります。いいかえれば5%のヒットラーが90%の多数派を引きずって(残り反対派5%は当然抹殺されたはずです)あのホロコーストを引き起こしたといえます。無関心の罪はかくも大きい。事実,ホロコーストを生き延びたユダヤ人の中には「最も怖かったのはナチスではなく,人々の無関心だった」と言う人もいます。
【出典】八木あき子「5千万人のヒトラーがいた」文芸春秋社,1983
◆正解です!
【3の解説】
たとえ気温が高い場合でも,低い気温に適応する社会的弱者が存在しうるとすれば,気温が低くなったときにはこの弱者を中心にしてこの生物は存続し,発展することができます。こうした多様性を許容する社会は一見無駄に見えますが,環境に強いといえます。様々な価値観,様々な人種を併せ持つ社会は,なかなかまとまりがない社会に見えるのですが,そのdiversityの故に変化に強いのです。逆に,日本のような均質な社会はとても効率的ではありますが,ちょっとした変化で全員総倒れです。違いを認め,多様性を許容する社会でありたいものです。
【出典】後藤尚久「アイデアはいかに生まれるか」講談社,1992
◆正解です!
【2の解説】
ちょっとがっかりされましたか。ちなみに他の民族の指数を大きい順に列挙しますと,@イギリス人(4.5) Aフランス人(3.2) Bイタリア・ドイツ人(2.8) Cギリシャ人(2.5) D日本人(1.7) Eアラビア人(1.5) Fロシア・ユダヤ人(1.3) G黒人(0.8) Hインド人(0.5) だそうです。白人至上主義者が大喜びしそうな結果だと思いますが,後にアメリカ先住民が何と10.0,オーストラリア先住民が8.8であることが判明しました。有色人種がぶっちぎりのトップになってしまい,民族の序列を作ろうとするもくろみは崩れました。
しょせん,血液型で一喜一憂することは馬鹿げたことなのです。血液型と性格の話は話の種としてはおもしろいのですが,それ以上のものではありません。血液型はその人の性格や優秀性となんの関係もないのです。血液型と性格に相関性がないことが証明されているにもかかわらず,いまだに本気で信じている人が(特に日本に多い)いるのはどうも理解できません。
人類共通の祖先がアフリカを出たのはたった10〜15万年前です。一見大きな隔たりに思えるような人種の差違は多分に表面的なものであり,遺伝子的には全く同じであることを忘れてはいけません。
【出典】後藤尚久「アイデアはいかに生まれるか」講談社,1992
◆正解です!
【1の解説】
人間にもがまん強くないせっかちな人もいますから,犬にも犬の「個性」があって当然だと思います。ただ平均して言えば,犬の「おあずけ」できる時間は20秒です。それほど欲望を抑えるという行為は難しいのです。「待つ」という行為は新皮質の中でも最も発生的に新しい前頭葉がつかさどっていると考えられています。人間がまず最初に習得するのが「危険な行為」の抑制なのです。しかし,簡単に「キレル」人が増えている昨今,あなたは何分「おあずけ」ができますか?
【出典】中村希明「怪談の科学」講談社,1979
「ビネーのこの原則が守れて,彼のテストが意図どおりに利用されていたならば,今世紀の科学の悪用はどれほど避けられたことであろうか」とJ・グールドは書いています。
しかし,一般に「カエサル暗号(シーザー暗号)」といえば,「カエサル・シフト暗号」のことです。これはアルファベットを3文字ずつずらして書く方法です。べつに3文字でなくてもいいわけで,実際は25通りの暗号を作ることができます。もっとも,この方法は暗号の初歩の初歩でプロにかかれば,直ちに見破られてしまいます。