備前焼が出来るまで


備前焼は、良質な土と松割木の炎とそれを操る陶工の技から生まれる「芸術品」です。
釉薬(うわぐすり)を使わない須恵器だけに一つ一つの作業が出来上がりの作品に影響して行きます。

備前市の田畑から取れる「ひよせ」 良質の粘土に熟成

「土もみ」により気泡をなくす ロクロは、集中力が必要です

 古い伝統が衰退してゆく中、備前焼にも新しい技法を使った有田焼や京焼きにおされ存続が難しい時代もありました。
備前焼が、釉薬を使わずに須恵器として生き残れた理由として、いくつかあると思いますが「ヒヨセ」という備前地区の田んぼの地下からしか取れない鉄分の多い粘りの強い良質の粘土に恵まれたことが一番大きな要因だとされています。
このヒヨセにより須恵器なのに水漏れがしない、遠赤外線効果やマイナスイオン効果を持っている等の付加価値まで持つことになっているのです。
最近は、このヒヨセが少なくなくなってきているため、新たなヒヨセ探しが行われています。


登り窯 一度の窯焚きに必要な割木 出来た作品は、窯に詰められます。

 燃料の割木は、一度の窯焚きでこのぐらい使いますが松のであることは、この炎が窯変(ようへん)に強く作用します。
松割木の燃焼で、松脂が燃焼しその炎や灰が飛散して窯変であるゴマなどで陶器に定着してゆくのだと言われています。


窯焚きを始めた頃の窯の内部 夜を徹しての窯焚き 10日も焚き続けると作品が輝きだします。

丹精込めて長い時間をかけて作った作品をさらに二週間もの長い間、休まず1,000℃以上で窯を焚き続ける・・
ここで温度に変化があると良い作品が出ないそうですから・・・・・凄く体力・気力が必要ですね。

窯焚きが終わり、10日ほど自然冷却され
いよいよ窯出しの日がやってきました。
ここまで来ると、疲れた窯元の顔も
一気に元気になります(=^_^=)

窯から出された作品は、粗掃除をして
傷のチェックがされます
まだ、作品は冷え切っていないので
お湯で洗います。

 以上の写真は、私がお世話になっている、倉敷市内の「八光窯」での窯出しの光景です。
皆さんも、一度備前の窯だしに足を運んではいかがでしょうか?
さまざまな作品が見る事が出来ますし、気に入ったものは窯元に相談すると破格の値段で購入することが出来ます。


備前焼の部屋
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