カワセミ 生態観察記

カワセミに魅せられて実際に眼で見たり写真に撮った観察記録を掲載します

 はじめに

鳥類の分類は ブッポウソウ目 カワセミ科

カワセミは昔から清流に住む鳥・空飛ぶ宝石とも言われたが現代では環境汚染、(山、野土地開発)等で汚れた池、ドブ川に水、エサがあれば何処にでも来るようだ。決して清流の鳥ではない。

カワセミは歩行があまり得意でないようです

H21年の観察記録。

平成21年5月5日昨年と同じ巣穴に出入りしているカワセミ確認3年同じ巣穴で子育てするのか
観察開始。

漢字では「翡翠」でヒスイをイメージ、又平安時代中期の小説『源氏物語」の一節・・・夏の日、久々に宇治を訪れた薫が障子の穴から覗き見ると、意中の人の姿がある。
その髪は「翡翠だちて」たいそう美しい・・・「翡翠の羽のようだ」と形容している又平家物語や謡曲にも「翡翠の髪状」(かんぱせ)と使用され女性の美髪の形容にも、 カワセミの見事な羽色は一目見た者を魅了し虜にされる、朝、夕等、太陽光の向き、強さの違いで羽毛の色が多様に変化して見える                      又じっくり観察していると、嘴・眼・翼・尾羽・足まさに体全体の動きは時に笑わせる表情があり時の経つのを忘れさせる、(カワセミ病の始まりだ!) 
                            

カワセミはあまり歩行をしない鳥ですが2〜3歩歩行しました

餌取に飛んで行く

H21年一番子巣立ち直後

* カワセミの特徴

5月9日小魚を銜えて巣穴に入る、雛が孵っているようだ。(下の写真)

スズメより少し大きく、体の割りに頭でっかちでが大きく流線型で長く鋭い、これは水中の生きた魚を超スピードで取る為又巣穴を掘る時ツルハシの役目として進化したものだと思う。成鳥は岩に巣穴を掘るため幼鳥より鋭さが少ない (新型新幹線の先端部の形はカワセミの嘴を参考にしていると言われる興味深い報告も聞いた事がある)

尾は、短く目立たない、は橙色で短い地上を歩く事が少ないためか(観察中あまり見た事がない)3趾は基部で癒着して合趾足。足のは黒い個体が多いです。

♂・♀の見分けは 成鳥の、上嘴、下嘴ともに黒・上嘴が黒く下嘴が赤味が有るのがで区別出来る。

眼は、大きく全体が真っ黒く輝いて見える。ダイビングした時水中ではカワガラスのように瞬幕で眼を保護しているようだ、観察写真で時々水中から上がった瞬間写真に眼に幕があるように写っている事があり、これが瞬幕だと思う。その他、獲物を捕って木の枝に叩き付ける時、毛つくろいする時等瞬幕を使用しているようだ。

幼鳥は胸毛が黒褐色であるが後姿を少し遠くから見ると成鳥と見間違えるほどだ。

採餌の時の眼は鋭くねら見つけているようで素早く変化して魚の動き、身の回りの危険
状態を聴覚共に敏感に察知しているようだ。

カワセミ

カワセミ 飛翔

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羽は、明るいコバルトブルーで背中は縦に濃いブルーが目立つ、飛翔時は光線状態で
素晴らしい色彩と容姿に圧倒され虜になってしまう。
腹部は、雄雌共に鮮やかなオレンジ色(幼鳥〜若鳥は茶黒い)

肩羽、雨覆、風切は緑色で雨覆にはコバルトブルーの斑点、風切には線ある、頬の後や喉、顎は白色です。頭と額は濃い青緑色に青白色の斑点がある。

カワセミの平均寿命は、2年位と云われています。

左写真と同じで右の子

5月16日巣穴から雛の鳴き声が激しく聞こえる、夕方・日没前には10分間隔で餌を運んでいる。

5月25日巣立ちした近くの池で確認

カワセミ上が嘴が黒い  下がで下嘴が赤い

脚は短く橙色 爪は黒色

羽はコバルトブルー 斑点がある 胸はオレンジ

泣き声・親鳥はチー・チーッ 雛は・チィ・チィ 巣穴から聞こえるなき声 はシャン・シャンと複数の声で聞こえた

ペリット 魚など丸呑みにするので消化できない骨や、鱗を後で吐き出すもの。

 カワセミの営巣

切リ立った崖、天敵であるヘビ・イタチ・キツネ等に襲撃されない、河川の増水時水没しない、近くに小魚等水生動物が豊富にあり、子育てに、安眠、休息出来る茂みがある場所を選んでいる。

巣穴の近くにはダミーの穴がある。

向かって左の穴がダミー右の木の葉の茂みにある穴が巣穴

巣穴は、内径実側で、7cm

深さ・50〜80cm奥に向かって高く、広い

巣穴を掘る時は嘴に土が付くので度々
池にダイビングし綺麗に土を落とし又巣穴へ帰っているのを目撃した。

巣穴を探し当てるまで・・・

池から飛び立った方へまず行き、飛来して来るのを待つ、次の行き先を確認し、また飛来を待つの繰り返しで崖を見つけた、穴が2箇所あるので何処に入るか待つ根気が要る。

一度使った巣穴は使わないと言われているが、この巣穴は毎年営巣している。

産卵から巣立まで約40日間育雛する場所探しはカワセミには重要な責務であろう。

H20年8月7日古い巣穴から距離が10m位の所で低い位置に新しく掘っているのを発見する。

  カワセミの繁殖

冬、単独行動していたカワセミは早春頃から2羽一緒に居るのを見かける、時に複数集まって賑やかに鳴き交わし、縄張り争いが見られる、この頃雄が魚の頭を前に銜えて、♀へ魚を渡す求愛給餌行動が始まり、メスが魚を受け取れば結婚、交尾、産卵と子育ての準備に入る。

抱卵、育雛は雄雌交代で初めの頃は雌の姿が見えないと思っていたら雄がメスの食事を運んでいるようだ次第に雄が巣穴に帰るとメスが飛び立ち交代しているのが分かった(約30〜40分位)間隔。

巣穴から飛び立つ時は後すだりして尻から出って素早く回転して飛び立った(連写で撮っていたのでわっかた)

巣穴へ帰る

抱卵日数は約20日位で孵化(産卵日は確定出来ない)

飛び立つ前、後ろ向きで出てきている

親は雛を育てる間盛んに餌運びを30分間隔で魚の頭を前にして小さい魚を選んで給餌している

ザリガニは頭が大き過ぎるのか親が圧縮するように噛んでいる

巣立ち直後の雛二羽

巣立ちした雛はまだ世間の怖さ知らずで相当近寄っても逃げようとしない

雛は親が給餌に来るのをじっと待っている、餌を銜え帰った親も危険を感じるとチィーとかん高く鳴いて、雛も親に追随して飛び去リ安全な場所で給餌してもらっている。

頻繁に餌を運んでいた親も次第に時間の間隔を長く取り雛に巣立ちを促がす様になり遠くから監視している

H20年8月7日三番子の抱卵確認(雄が巣穴へ大きな魚を運んでいた)観察していると雌の姿は見えず抱卵しているのは確実。 5月・7月・8月と三番子まで育てるのは珍しいのでは・・・

8月26日雄・雌二羽が巣穴近くの枝に餌を銜えて帰ってきた約20日ぶりに二羽を観た。雛の誕生確実、数は解らないが巣穴の近くへ行くとシャン、シャンと雛の鳴き声が聞こえる

この巣穴は危険を感じたのか放棄して元の巣穴で抱卵していたのを確認する。

28日今日は非常に警戒しているのか近くまで帰っては飛び去り巣穴へは帰らず4時間後餌を銜えて二羽帰った、いつものように雛は親が近くまで来ると分かるのか泣き出す、不思議だ。。親と雛の通信出来ているようだ。

9月17日雛巣立ち確認 孵化から約20日位、ダイビングの練習などしているが時々親が監視にやってくる危険を感じると連れ去る

*

カワセミの日常生活

カワセミの好物(主食)は小魚(フナ、ドジョウ、エビ、ザリガニ等)捕食の様子は大変興味深いもので、飛行は直飛行、水面すれすれの低空瞬速で水辺の石、枝、に止まり左右、上下の様子をうかがい水面を見て魚影を眼で追い見つけると獲物をめがけて一直線に飛び込むこの時の眼つきの状態は鋭い眼差しだ、又水中に飛び込む直前に急ブレーキをかけ飛び込むこともある。ダイビングの際獲物の動きに反応して瞬時に身をひねったり向きを変えたりして魚を確実にゲットするようです。

広い池などではホバリングして高さ等変え羽が見えないぐらい羽ばたくが頭部だけは全く動かさず固定されている獲物を見つけると水中へ直下降しゲットした魚を近くの小枝まで行き魚をたたきつけて丸呑みする、(途中落とす事もあったり、又魚が大きすぎあきらめて次の行動に移る)

低空飛翔(ホバリング)

魚を嘴に突き刺して捕り、はずのに困った面白い情景も見たことがある

魚を飲み込んで30分位で消化するようで骨や鱗はペリットとして一塊として吐き出して空腹となり又捕食行動する又止まっている時頻繁に白い液状の糞を尻尾を少し上げ排出す。、

捕食でお腹が膨れると羽ずくろいや翼を広げて大きく伸びをしたり頭をかいたり体をブルブル震わせたり大あくび等しのんびりしているよでも警戒心が強く上空真後ろ、飛んでくるカラス等威嚇する表情がとても面白く鳥撮りの冥利である。

羽つくろい

カワセミは通常は単独行動で餌場となる池、川などで縄張りがあるようです縄張り内に侵入してくると雄、雌問わず追い払ったり追い掛け回したりする繁殖期(子育て)以外2羽が同じ枝に止まる事は無いようです。

求愛行動はオスがメスの縄張りに侵入又はその逆もあるが一度は追い払うが次第に受け入れる、お互い別の枝に止まりな鳴き合い乍ら接近、オスがメスの傍を飛んだり近くに止まリ背伸びしたりお辞儀のようなしぐさで自己強調したりする。

オスはメスのために魚を捕ってメスの所へ運びメスが受け取ってくれたら求愛に応じた事になり夫婦が誕生し巣穴堀と求愛給餌を繰り返し交尾、排卵、抱卵、孵化、雛に給餌、巣立ち
親は二番子の準備。

元気な親は3番子を9月中旬まで育ている。

脚は繁殖期は特に鮮やかな赤に近い橙色に成る

脚の前二本が癒着しているのが写真で分かる

主食 小魚で、フナ、モツゴ、ヤゴ(トンボの幼虫)、エビ、ザリカニ、ドジョウ

観察道具類

双眼鏡、カメラ、スコープ、デジスコ、三脚、ブラインド、イス、虫除け剤、長靴等

巣穴拡大

早くもダイビング練習