「フィールド 響き合う生命、意識、宇宙」

 私は以前から空を飛んでいる夢を良く見る。夢の中の私は空を飛びたいと考えると、いつの

間にか空にふんわり浮かんでおり、まるで鳥のようにように大空をすいすいと飛び回っている。

果たして人間が羽もないのに空を飛ぶことが出来るのだろうか。そんな夢のような話が現実の

ものになろうとしている。

 ここに一冊の本がある。「フィールド響き合う生命、意識、宇宙」というタイトルがついている。

著者はリン・マクタガートという人である。リンさんは医療のトップジャーナリストとしてアメリカや

イギリスで活躍している人である。また、この本に紹介されている科学者が集う国際会議を主

催するフロンティアサイエンスのオーガナイザーでもある。

 私が、この本のことを知ったのは「今朝の三枚おろし」という番組であった。「今朝の三枚おろ

し」は歌手の武田鉄也さんが語り手で、毎日、色々なテーマを独特の切り口で取り上げている

番組である。武田さん自身も不可思議な体験の持ち主であり、決して冷やかし等ではなくまじめ

に不思議体験を語っている。そんな事から日々この番組を聞くのを楽しみにしている。また武田

さんは、どこか私自身の考え方に似たところがあり、いつも一人で「うん、うん」と頷きながら聞い

ている。

 その番組で取り上げられたのが、彼のこの本を読んでの感想であった。その日、仕事をしな

がら聞いていたのでメモを取ることが出来ず、何となく耳に残っていた「ゼロ・ポイント・フィール

ド」というキーワードだけを頼りに図書館に行った。司書の人に頼んで本を検索して貰ったが、

検索一覧には出てこなかった。そこでインターネットから「今朝の三枚おろし」にアクセスして貰

い、ようやく本のタイトルが分かった。しかし、地元の図書館にはなく、県の図書館から取り寄せ

て貰った。そんな因縁付きの本でもあった。

 本の中をすべて紹介することは大変なので、一部を紹介しながら私の感想を書いてみた。こ

の本には今の科学が語ることのない非科学的(?)な事を紹介するために、膨大な実験に関す

る経緯が書かれている。それは、より現代科学に依拠しようとする夥しい実験の繰り返しについ

ての説明だ。

 現代科学はヒーリングなどと言うものをオカルト的なものとして無視してきた。また、そのような

研究をしている人を科学的な異端者として切り捨ててきた。この世の中には、それらしき不思議

な事がたくさんありながら科学的な見地から究明をしなかった。すべては現代科学という範疇で

処理しようと考えてきた。そして、究明できないものは非科学的なものとして切り捨ててきた。

 しかし、現代科学に携わる人の中には深く入り込めば入り込むほど不可思議な事にぶつかり、

それを口にすると変人扱いされるので口を開かなかった。ある人は人知れず実験を繰り返し

科学雑誌であるサイエンスやネイチャーに論文を投稿したが取り上げて貰えなかった。サイエ

ンスやネイチャーでは常に門前払いだった。

 しかし、いつまでも孤立した研究者ではなかった。いつしか研究者同士のネットワークが出来、

中には懐疑的な目で見ていた科学者までも、その研究に深く関わるようになってきた。こうして、

研究者達のネットワークは今も大きく強固になりつつある。これら科学者達は、それぞれの分野

での第一線級の人達であり、決してオカルトを信奉する人ではない。あくまで冷静に現実を究明

してみようとしている人達である。

 その結果、見えてきたものは私達の想像を絶する世界だった。それは人間という肉体を超越

した世界、意識と宇宙全体の関係を解き明かす事が出来るのではないかという新しい科学の

入り口だった。本に書かれている事は非常に難解で理解しにくい。しかし、書かれていることを

私なりに要約すると、宇宙と人間の意識は繋がっており、真空だと言われている場所には未知

のエネルギーが満ちており、このエネルギーのある場所、つまり「ゼロ・ポイント・フィールド」を

通じて常に交信しているというものである。

 人間の意識は単に個々人だけのものではなく、「ゼロ・ポイント・フィールド」を介して共有して

いるというものである。従って、別人の記憶を呼び戻すことも出来れば、別人の記憶をあたかも

自分の体験の如く語ることが出来るというものである。

 いくら探しても脳の中に記憶の所在はない。では記憶はどのようになっているのだろうか。宇

宙には「ゼロ・ポイント・フィールド」というところがあって、記憶を呼び戻すときには、ラジオやテ

レビのチューニングのように、チャンネルを合わせれば必要な記憶を選び出すことが出来ると

言うものである。

 また、地球は有機体のように、地球上に存在するもの全てが一つの体のように繋がっている

というものだ。「ガイア」という考えは環境学を考える上で語られてきた言葉だが、その言葉がぴ

たりと当てはまるような感じである。今や地球と人間とは切り離せない関係にある。そして、その

背景には広大な宇宙がある。

 今の科学の延長線上では太陽という惑星系以外の宇宙旅行は考えられない。太陽系の中で

すら天王星や冥王星まで行こうと思えば大変な時間と設備が必要になる。それらを可能にする

ヒントが「ゼロ・ポイント・フィールド」の中にあると言われている。いつの日か近未来、私達は「ゼ

ロ・ポイント・フィールド」を発見し、宇宙の彼方まで短時間に旅することが出来るようになるのだ

ろうか。

 私はかねてより歴史の転換点には大きな自然災害が起きることに不思議さを感じていた。人

々の生活を根底から変えてしまうような自然災害が発生したから世の中が乱れ、歴史的な変化

が生じたと言うのが一般的な見方かも知れない。しかし、必ずしもそうとは言えないような事も少

なくない。因果関係は双方にあるのだろうが、意識という別の見方を当てはめると、これらの現

象が違うものに見えてくる。人の意識というものが、目に見えないところでお互いに繋がっている

としたらどうだろう。集団の潜在意識が世の中を変えてしまうこともあるのではないだろうか。い

つか私の疑問も解き明かされる日が来るかも知れない。

 この本との出会い、私自身の運命、私自身に生ずる不思議な出来事の数々、これらは決して

偶然ではないような気がしている。この本の中に紹介されている岡山大学の麻酔科の先生「治

部眞理」さんには、以前ライフパークでお会いし、何度かメールのやりとりをしている。何かしら

不思議な縁を感じてしようがない。

本の紹介

リン・マクタガード著 中野浩一訳 「フィールド 響き合う生命・意識・宇宙」

発行 インターシフト  発売 河出書房新社

追記

 私は本の紹介をしながら、こんな事を思い出している。それは「異星人エロヒム」の話だ。詳細

はインターネットで検索して貰いたい。私が「異星人エロヒム」に関する本を読んだのは、ずいぶ

ん昔なので断片的にしか覚えていないが、地球より遙かに進歩したその星では、住民全ての意

識が繋がっていて、個々人はその意識の固まりのようなものから派生した生き物のようなもの

だという一説があった。この本に書かれていることと相通ずる部分があり、非常に興味を感じて

いる。

 また、人間の脳は使われていない部分が非常に多いと言われている。その使われていない

部分は何のためにあるのか今後の解明が待たれる。一説によると多くの部分が潜在意識のた

めにあるのではないかとも言われている。潜在意識の部分はまったく謎の領域だ。

                                 2005年8月15日掲載

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