輸入食品を考える

 いつかはこんな事も起きるのではないかと思っていたことが現実のものとなってしまいました。中国産の野菜や野菜の

加工品の中に大量の農薬が検出されたとの報道です。そしてミスタードーナッツの販売した肉まんには国内では使用

できない防腐剤が使われていたというのです。

 かつて有機リン系のホリドールという農薬が使われていた頃、ナスビ農家では出荷前のナスビに散布して出荷していたと

言うことです。リンは実肥えと言われるように、実の成長にとっては欠くことの出来ない肥料三要素の一つです。農家は

これを出荷前のナスビにかけてやると、ナスビの色艶が良くなることを経験的に知っていたのではないでしょうか。ナスビの

見栄えが良くなると市場でも高値がつきます。危険を冒してでも収入の多い道を選んだのでしょう。

 今回の輸入食料品に関わる問題は、どこの輸入食料品に関しても言える事ではないでしょうか。日本国内では農薬

そのものの安全性や、また使用基準も厳しく制限されています。今日では無農薬がうたい文句になっているくらいです

から、かつてのように禁止されている農薬を使ってまでも見栄えを良くする農家はいないのではないでしょうか。ましてや

農薬を扱う人自身の健康問題もあります。使わないで済むものであれば使いたくないのです。

 今は如何に農薬の使用を押さえ、なおかつ化学肥料の使用を押さえて野菜を作るかが農家に問われています。世は

上げて健康食品ブームなのです。安かろう悪かろうの時代ではありません。中国産のネギや椎茸と言ったものも大量に

輸入され、輸入品に押された国内の農家の採算がとれなくなり、政治問題にまでなりました。確かに安全なものを作ろう

とすれば、手間暇がかかりコストも高くつくのは当たり前の事です。消費者もその辺の事は考えなければなりません。

野菜でも果樹でも作ってみれば良く分かる事なのですが、大変な労力が必要なのです。最も機械化しにくい産業では

ないでしょうか。従って、コストが高くつくのは当たり前なのです。安全なものを買うには少し高くても仕方がないのでは

ないでしょうか。輸入品に押されながら日本の農家はよく頑張っていると思います。

 逆に輸入食料品に関しては厳しい監視の目が必要だと思います。特に輸入業者の責任は大きいのではないでしょうか。

大手商社が現地指導して作らせているようですが、それであれば尚更のこと商社の責任ある行動を期待したいものです。

要はお互いの健康に関わる問題です。今回の一連の事件は、今後益々増えて行くであろう輸入食料品に対する警鐘では

ないでしょうか。

                                                    2002年6月8日掲載

政治経済社会問題のページへ戻る

ホームへ戻る