ワールドカップと日本人

 ワールドカップも開幕直前までは比較的静かでした。しかし、試合が始まって以来、日に日に盛り上がりを見せてきま

した。日本も順調に勝ち進み一次リーグは一位で通過しましたが、決勝リーグの第一試合で惜しくもトルコに負けて

しまいました。

 それにしても各国の選手団を受け入れた地方公共団体は大変だったのではないでしょうか。資金面でも苦労された事と

思います。それもこれも我が町や村をみんなに知って貰いたいという強い思いがあっての事だろうと思います。しかし、

投入した資金やその後の施設の運営など、多くの問題を残しているのではないかと心配をしています。

 これら地方の取り組みを特集やニュースで見ていて感じた事があります。それは選手団を迎える町や村の人達の

心温まる姿です。大分県の中津江村では今まで耳にしたことのないようなカメルーンの選手団を迎えるのに夜中の3時頃

まで起きての大歓迎です。選手団にとってみれば日本は単に遠い国であると言うだけでなく、世界有数の先進国と言われて

いる日本です。その国の人達が深夜まで起きていて旗を持って出迎えてくれた。実に驚きだったのではないでしょうか。

 岡山県の美作町ではスロベニアチームを迎えるに当たって予算が足りないからと、ボランティアを呼びかけたところ

多くの人達が無償で応募してきたと言います。選手達の汗まみれのシャツや靴下をお母さん達が手で洗っている姿が

映し出されていました。

 こんな姿を見るときに日本人は素晴らしく心優しい人達だと思うのです。先の北朝鮮からの亡命者に対する外務省の

態度と重ね合わせて見る時に、これが同じ日本人の姿なのかと目を疑ってしまいます。

 選手団がわずかな期間滞在したというだけで、まるで親戚や我が子が闘っているように親身になって応援しています。

心から選手団を歓待したその姿の中には、すがすがしさとほほえましさすら感じられるのです。日本は捨てたものでは

ない、日本人は捨てたものではない、明治初頭、外国人の目に映った日本人の良さが、そのまま、まだ残っていると

思うのです。

 過去のワールドカップでは何度も大勢の人が暴れて犠牲者を出してきました。警備が強化されているとは言え、実に

礼儀正しく静かなものです。東京や大阪の騒ぎとて問題にするには当たらないのではないでしょうか。このような雰囲気

の中では、フーリガン達でさえ気勢をそがれて騒ぐことなど出来ないのではないでしょうか。

 早々と敗退して帰国した選手団もいます。これらの人達の目に日本や日本人の姿はどう映ったのでしょうか。日本人の

優しい心は通じたのでしょうか。出来れば彼らをして日本の良さや日本人の心優しさを伝えて貰いたいと思うのです。

日本という遠い国には、こんな人達が住んでいたと言うことを自らの口で伝えて貰いたいと思っています。そして長く

友好の絆が引き継がれて行くことを心から祈っています。

                                               2002年6月25日掲載          

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