今、中国で何が

 今、中国で何が起きているのだろうか。先日の朝日新聞の小さな枠囲いの中にオーストラリア

に亡命したいという中国の外交官や元情報機関員が相次いで亡命を申請していると書かれて

いた。一人の元警察官は中国での勤務中、国家安全局の情報機関「610弁公室」の職員が日

常的に被疑者を拷問し、中には殴り殺されるのを見て怖くなって亡命を決意したようだ。

 開かれたとは言え、中国も北朝鮮と同じように国内で何が行われ何がどう変化しているのか

分からないところが多い。決して民主的とは言えない国である。かつて天安門事件の時には暴

力で大衆を押さえ込んでしまった。

 一方、中国は開放経済により近年著しく経済成長を遂げてきた。しかし、都市部と農村部の

経済格差はかつてないほど大きなものになっている。年間収入が七千円ほどしかない雲南省

の山間部の人達と経済発展著しい上海等に住んでいる人達との間には大きな経済格差が生

まれている。果たしてこれで社会主義国家と言えるのだろうか。首を傾げざるを得ない。

 もともと中国人は商魂たくましい人達だ。先のピースボートによる地球一周の旅で驚いたのは

色んな国への中国人の進出ぶりであった。フィリッピンでは資本家と言えば華僑であった。彼等

はマニラ市郊外に大きなスーパーマーケットを二軒建てお互いに客寄せを競っていた。タヒチの

モーレア島ようなところでも中国人が店を開いていた。チリのサンチャゴに向かう途中でも華僑

のものと思われる看板を幾つも見た。ニュージーランドでも一番に目に付いたものは華僑の看

板だった。こうしてみると、こんなところにも思うほど大勢の中国人が居るに違いない。

 商魂のたくましさは違法な事であっても意に介しない。かつての香港がそうであったように市

場には違法コピーのものが溢れている。カバンやCD等である。また、商魂のたくましさは国と

いうものの後ろ盾を必要としない。その代わり華僑同士の結束力は非常に強いと言われている。

日本人の場合は国や自分の会社を後ろ盾として商売をしているが、華僑達にはその必要性が

ないように思える。

 従って、こうしたしたたかな人達を国という形にまとめていくのは大変な事ではないだろうか。

今、中国国内で何が起き、何が起きようとしているのか良く分からない。先の日本に対する歴

史認識を変えろと言うデモもあるいは仕組まれたものだと思えなくもない。国民の不満の目を

反らせるためのものだったのだろうか。

 ともかく今中国はオリンピックに向けて急速な経済成長を遂げている。このスピードと規模は

政府の予測を大きく上回るもののようだ。巨大な機関車は一度動き始め全速力になるとなか

なか止まれない。今の中国経済はこんな機関車のように見えている。しかし、機関車の装備は

昔のままなのだ。

 今、中国の通貨「人民元」の切り上げが望まれている。アメリカは声高にそれを主張している。

しかし、中国政府は容易に認めようとはしない。世界的な逆風の中で中国政府がいつまでこの

態度をとり続けるのか注目されている。かつての日本のように低賃金、長時間労働による安い

品物がたくさん他国へ輸出されている。いつかは「人民元」を切り上げなくてはならない日が来

るに違いない。付け焼き刃のような中国にそれに耐えるだけの力が付いているのだろうか。

 日本のように「にわかバブル」がはじけた時、中国国内でどんな事が起きるのだろうか。それ

に更に追い打ちをかけるような大規模な自然災害が起きるような気がしてならない。巨大な国

はどこへ行こうとしているのだろうか。非常に気がかりな事である。

                                         2005年6月19日掲載

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