時の話題あれこれ

1)NHK受信料支払い拒否

 我が家の場合、NHKの受信料は金融機関での自動引き落としになっています。従って、この手続きを解約

しない限り人の手を煩わすことなく支払いは行われます。しかし、集金人に直接支払っている人は、私は払い

たくありませんと言えば簡単に支払い拒否が出来ます。

 今、こんな人が徐々に増えているようです。その理由はNHKの局内に於ける一連の不祥事によるものです。

多くは架空請求をしたお金を着服していたと言うものです。ご存じのようにNHKは、みんなから集めたお金で

運営されています。税金でもなく、さりとて何かを買ったとか、何らかの便宜を受けたから支払うというような

サービス料でもありません。こんな形で支払うお金というのは珍しいのではないでしょうか。

 また、NHKは公共機関ではありません。従って、受信料という形で支払う任意契約のお金です。その代わり

偏りのない中立的な立場での番組を作るという義務を課せられています。こんなお金ですから極端な話、視聴者

全員が払わないと言ったらNHKの運営は出来なくなってしまいます。

 今、支払いを拒否している人が増えています。それも確たる理由があって支払いを拒否しています。受信料

の徴収は民間委託で行われています。委託を受けた人達は小規模ながら組合を作っています。この人達が

NHKの海老沢会長の辞任を要求しています。それに対して当局は組合が要求すべき事ではないとして回答を

留保しています。

 会長の辞任要求は、確かに組合の趣旨からは外れることかも知れません。しかし、NHKの立場からすれば

視聴者にもっとも近いところにいる人達の要求です。彼らは視聴者のところへ集金に行き苦情を聞かされて

いるのではないでしょうか。相手は色んな理由を付けて支払いたくない人かも知れません。しかし、局内の

ずさんなお金の管理を指摘されれば返す言葉もありません。集金に当たっている人達が一番の被害者なの

です。

 もう一つ理解できないのは、これらの事件がNHKのニュースにならないことです。どこにでもあるような小さな

事件かも知れません。しかし、公共放送だという立場に立ってみれば、局内の不祥事だからこそ報道すべきこと

ではないでしょうか。一連の事件に関しては、一度だけお詫びと今後の改善策が放送されました。それは海老沢

会長が国会に参考人招致を受けたときだけでした。これだけ社会問題化していて、その最高責任者が減俸だけ

で済ませて良いのでしょうか。公共放送のトップだからこそ公明正大にその責任を明らかにすべきではないので

しょうか。

 私はNHKの番組をよく見ます。見応えのある番組は公共放送だからこそ出来るのだと思っています。それ

だけに今回の問題を組合の人達からの要求に終わらせてはならないのではないかと思っています。会長辞任

も考慮の中に入れて、人身の一新を計るべきではないかと思っています。

2)命はかけがえのないもの

 先日、集団自殺が大きく報じられました。集団自殺に限らず殺人や傷害に関する事件が後を絶ちません。

いったい人の心はどうなっているのでしょうか。自分の命を粗末にする、人の命の大切さを感じない、そんな

世の中になってしまったように思えます。実に嘆かわしい事です。

 先日、300グラムほどの超未熟児の命を救おうと、必至に努力する医療スタッフや親の姿を描いたドキュメン

タリー番組が放映されていました。その並々ならぬ努力を見るとき、こんなに軽々しく命を粗末にして良いもの

だろうかと、改めて命の大切さを感じました。今も医療現場では一命を救うべく医療スタッフが日々格闘して

います。一方では交通事故や殺人や自殺などでいとも簡単に命が失われています。この相矛盾する現実を

どう考えれば良いのでしょうか。

 世の中には障害に苦しんでいる人がたくさんいます。病気と必至に闘っている人達がたくさんいます。こうした

人達のことを思うときに五体満足で健康であることの幸せを感じます。あたら命や若さを無駄にしている人達を

見るときに、もっと自分自身を大切に、そして人の命や人生を大切にして欲しいと叫ばずにはおられません。

 先にアテネでパラリンピックがありました。体に障害のある人達のオリンピックです。日本代表の健常者に

負けない活躍が目を引きました。素晴らしい健闘でした。障害と心の苦しみを乗り越えてきた人達のたくましさ

を垣間見たような感じがしました。

 生あるものすべてが大切なものです。ましてや今日まで親に慈しみ育てて貰った体です。自分で傷つけ命を

絶つなど、もっての他です。仏教では自殺は最大の悪の一つだと教えています。自殺した魂は永遠にあの世を

さまよい続けるとも教えています。自分の命を大切に、人の命も大切に。心からそう願っています。

3)悠久の時を越えて

 中国では、今盛んに古代遺跡の発掘調査が行われています。かつて日本が高度経済成長下で大きな遺跡

の発掘が続いたように、今中国では産業発展と伴に遺跡の発掘ラッシュが続いているようです。色んな遺跡の

発見には公共工事に伴うもの、人々に生活のゆとりが出来て考古学的なものに関心の目が向くようになった

ことなどがあるのではないでしょうか。

 その中に遣唐使として中国に渡った人の業績と名前を刻んだ墓誌が発見されました。日本にもたらされた

文化や、その当時を推測させる遺物は少なくありません。しかし、こんな形での発見は初めてのことです。時の

玄宗皇帝が亡くなった日本人留学生の死を悼んで作らせたものです。墓誌に刻まれた人は、いずれ日本に

帰り大きな仕事をするべき優秀な人だったようです。

 時の中国では遠く日本から来たこれらの留学生を手厚くもてなしたばかりでなく、優秀な人は官僚にも登用し

重要なポストも与えていたようです。今の日本では考えられないような寛容さです。このこと一つをみても、唐と

いう国がいかに大きくて国際的な国であったかと言うことがよく分かります。

 その上、いかに優秀だったとは言え一留学生の死を悼んで墓誌まで作らせたという玄宗皇帝自身の人物的

大きさにも感心させられます。いずれにせよ日中友好の観点からも貴重な発見である事は言うまでもありま

せん。

 そして墓誌に刻まれていた日本という国名です。いつの頃から日本という国名を使い始めたのか定かでは

ありませんが、すでに早い時期から使っていたようです。そして、これら留学生達は日本という国の将来を

背負って立つ人達として唐へ送られました。彼らが新生日本の期待を一身に背負って、まだ見ぬ国へ旅だった

ことを考えると感慨無量なものがあります。そして、こころざし半ばで病に倒れた無念さを思うとき何かしら胸が

熱くなります。

4)アメリカ大統領選挙の行方

 投票日を直前に控えアメリカ大統領選挙が激しく闘われています。現職のブッシュか民主党のケリー候補か

まったく予断を許さないような状況です。テレビ討論だけでこんなにも世論が変わるのかと思われるくらいケリー

候補がブッシュを追い上げました。どこの国に於いても本質よりは見た目の方が優先するようです。

 もっともブッシュに人気をあおるような良い材料はありません。さりとてケリーに何かを期待できるかというと、

それもないようです。あまりにも両候補は小粒な人物にしか見えません。国際的な世論は圧倒的に反ブッシュ

です。ありもしない大量破壊兵器があると大嘘をついてイラク攻撃を始めたのはブッシュです。終わりの見え

ない戦争は、今もイラク国内の関係のない多くの市民を巻き込んで続いています。そして、毎日大勢の人が

傷付き亡くなっています。戦争を一日も早く終わらせるためには何らかの方策が必要です。その一つはアメリカ

の大統領を交代させることです。

 小泉さんを初め自民党議員の中には、あからさまにブッシュが勝利することを願うような発言があります。

しかし、世界平和のためにはどちらの候補が良いかは言うまでもありません。ただ、日本の国益を考えた時、

どちらが良いかは未知数です。ブッシュに引きずられながら終わりのないイラク派兵を続けるのか、あるいは

ケリー政権になってから新たなる対アメリカ政策を立て直すのか、いずれにせよ道は険しいと言わざるを得ま

せん。

 従って、今は冷静に選挙結果を見極め、今までのようなアメリカ一辺倒の考え方ではなく、日本は日本なりの

対アメリカ外交を考えておくべきではないでしょうか。

 余談になりますが、今、フランスのシラク大統領が中国を訪問しています。巨大なマーケットを擁する中国に

対し、経済交流をより深めようという思惑からフランス経済界の代表団を伴っての訪中です。このようにEU諸国

ではアメリカ経済の先行きに不安を感じ、今、積極的に中国貿易を拡大しようとしています。

 日本は隣国でありながら対中国政策に於いては出遅れていると言われています。いまだに、アメリカ経済の

神話を信じ続けています。中国にも懸念材料や問題点はたくさんありますが、隣国という地の利を生かした

中国政策を推し進めて欲しいものです。

5)繰り返されるアフリカの悲劇

 アフリカのスーダン西部にダルフール地方があります。この地方の住民が「世界最悪の人道危機」だと

言われています。スーダンはアフリカ有数の石油の産出国です。スーダンは民族や宗教的対立、石油の

利権を巡って長い間、内戦状態が続いていました。アメリカの仲介でやっと安定が得られるのではないかと

思われていましたが、再び内戦状態に戻ってしまいました。

 世界の目がイラクに向いていたとき悲劇は一挙に進んでいました。アラブ系の民兵が政府から渡された武器

を持って、アフリカ系住民がたくさん住んでいるダルフール地方を襲撃しているのです。住民は突然現れた武装

集団に追われて、着の身、着のままの状態で隣国のチャドなどへ逃げ込んでいます。

 行く当てのない難民はビニールシートの屋根の下に身を寄せ合うようにして暮らしています。夫を殺された

若い母親や両親を亡くした孤児がたくさんいます。食糧不足と医療事情の悪化は深刻で、多くの難民が飢えに

苦しみ栄養失調の子供がたくさん出ています。

 何とか一日も早く内線を終わらせ、難民となった人達が自分たちの土地へ帰ることが出来るよう国際支援が

必要です。しかし、スーダン政府自体がアラブ系民兵の後押しをしていますから容易に解決しそうにはありま

せん。

 原因は様々ですが、かつてのツチ族とフツ族の争いのように、大量虐殺はアフリカで繰り返されてきた不幸な

出来事です。アフリカ大陸はヨーロッパから白人が入ってきて以来、小さな国に分断され、未だその後遺症の

中で苦しんでいます。まさに暗黒大陸そのものなのです。

6)原油高騰の行方

 とどまることを知らない原油の高騰が続いています。しかし、原油の産出量が低下しているわけではありま

せん。それにも関わらず何故価格は高騰を続けるのでしょうか。確かに不安材料はたくさんあります。まず、

イラク戦争の行方が分からない。サウジアラビアがテロ攻撃の対象になっている。ロシアのプーチン政権下

での石油政策転換等々、しかし、こんなものは今までにもあったことです。

 何故、この時期なのか、その裏には何か大きな陰謀があるような気がしてならないのです。何だかんだと言い

ながら私達の生活のすべては石油に依存しています。すでにガソリン価格は夏の初めに比較すると大変高く

なっています。石油を原料とする化学産業界は打つ手もなく手詰まり状態です。原油の値上がり分を簡単には

製品価格に上乗せ出来ないからです。

 石油関連産業以外もこれまでに相当なリストラ策を続けて来ましたから、国内産業全体が大きな打撃を受け

ているのではないでしょうか。今までのようにリストラや工夫で乗り切るには限界が来ています。せっかく立ち

直りかけた日本経済に水をさすような事にならなければ良いのですが。今後の行方が大変気になるところです。

                                           2004年10月18日掲載

政治経済社会問題のページへ戻る

ホームへ戻る