地球こそ世界遺産

 近年盛んに世界遺産登録が行われています。岡山県の隣の県である島根県も「石見銀山遺跡」を世界

遺産登録しようと運動が続けられているようです。余談になりますが、石見銀山といえば江戸幕府の直轄下

にあった銀の産地です。ちなみに金の産地は佐渡島でした。私は現地を訪問したことがありませんので

詳しいことは分かりませんが、かつての鉱山跡やその当時繁栄した町並みなどが残っているようです。

地元の方が詳しい事をホームページで紹介されていますので、一度サイト訪問されてみては如何でしょうか。

 さて、世界遺産には人の手で作られたものと自然そのものがあります。日本の屋久島は島全体が世界

自然遺産になっています。白神山地はぶなの原生林が世界自然遺産になっています。このように一つ一つ

を見ていきますと、人工物であろうが自然であろうが、すべてはこの地球上に存在するものです。その部分

だけを切り取って世界遺産だと言ってみても意味がありません。

 宮島の厳島神社は、壮大な建築物と宮島と瀬戸内海の景色が一体になったものです。屋久島も同じように

島の周囲を取り囲む海と一体になったものです。このように考えていきますと世界遺産とはいったい何だろう

という素朴な疑問が湧いてきます。ましてや、かけがえのない人類の遺産として将来に残していこうと考えれば

この地球こそ実はかけがえのない世界遺産だと言うことが出来るのではないでしょうか。

 私達は目先のものばかりに目を奪われて肝心なものを見落としているのではないかという気がしてなりま

せん。地球は宇宙の彼方から見ると、まるで宝石のように青く輝いているといいます。地球には大量の水と

わずかばかりの空気があるからです。宇宙にあまた星があるといいますが、少なくとも私達の地球近くに

このような天体は存在しません。やはり、まれな天体だと言えるのではないでしょうか。この大切な地球と

いう星を守っていくことこそ、地球上に存在する多くの世界遺産を守っていくことになるのではないでしょうか。

 世界中には認知されていない世界遺産とも言うべきものがまだまだたくさんあります。これらすべてが、

私達にとって大切なものばかりです。瀬戸内海に沈む夕日の美しさは他に比類のないものです。これも又、

世界遺産とも言うべきものだと思っています。これら素晴らしいもの全てを守っていくためには、地球環境を

これ以上悪化させないことが一番大切な事です。

 かつてカンボジアは激しい内線の時代がありました。ポルポトが政治の実権を握っていた時代でした。その

カンボジアにやっと平和が戻り、いま内線の中で失われた無形文化財の復興が行われています。当時、多くの

知識人や宮廷関係者が殺されました。そして、殺された人々とともに、影絵芝居や踊り、民族音楽などが失わ

れてしまいました。カンボジアの有名な仏教遺跡であるアンコールには優美な身のこなしをした女性のレリーフ

がたくさん刻まれています。これはカンボジア独自の踊りを踊っている女性達を彫刻したものです。今、この

踊りの後継者を育てようと、わずかばかりの生き残り女性達が復興に情熱を傾けています。いつの日にか、

その日が来ることを願って止みません。影絵芝居についても同じ事が言えます。

 戦争はいつの時代もそれまで築いてきた建築物や芸術を破壊してしまいます。世界遺産を守るためには、

この地球上から戦争をなくさなくてはなりません。今、戦乱の中にあるイラクにもどうか一日も早く平和な日々

が戻ってくる事を願って止みません。

                                                 2004年6月13日掲載

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