いよいよ、大阪でユニバーサルジャパンがオープンしました。低迷する関西地方への経済効果

が期待されています。東のディズニーランド、西のユニバーサルジャパンと人気を二分しそうです。

こういった華やかなテーマパークの陰に隠れて、地方のテーマパークが一つずつ消えていきます。 

 倉敷チボリ公園も入場者数が、ここ数年減少傾向にあると言います。お向かいの香川県では、

レオマワールドが、とうとう閉鎖してしまいました。このように、全国各地のテーマパークの多くが、

閉鎖を余儀なくされています。テーマパークの採算が非常に難しいと言うことは、倉敷チボリ公園

を作る前からも言われていたことです。

 観光客はつめたいものです。出来立ての頃は物珍しさもあって、人が行ったと言えば、自分も

行ってみなければという心理からか、一度は足を向けてくれるのですが、二度三度というのは、

まれなケースです。特に、乗り物や遊具が売り物のところは、一度きりというお客さんも少なく

ありません。

 規模が中途半端なものも良くないようです。日本一とか世界一位でないと持続して観光客を

呼ぶことはなかなか難しいようです。これらテーマパークの多くが、地元住民ではなく、他の地方

の観光客を当てにして建設されています。観光客としてくる人達の大半は、一度きりとか、ツアー

のコースに入っているから来る人達で、わざわざ、自分から足を運んでくれるような人は、少ない

のが実状ではないでしょうか。ましてや地理的に不利なところは、単独のお客さんに足を運んで

貰うというのは困難な事です。テーマパークを、それなりに維持していこうと思えば大変費用が

かかります。

 ディズニーランドでは大勢の若いスタッフが働いています。常に園内の掃除をしてあるいている

若者もたくさんいます。こうした若者だけでなく、陰で働いているスタッフは、目に付くスタッフの

何倍かはいるのではないでしょうか。歌に踊りに、音楽に、パレードにと、売店や食堂とスタッフの

仕事は実に多様で、大勢の人がいます。イベントを増やせば増やすほど、多くの人材が必要と

なってきます。

 お客さんは夢を買いに来るのですから、前に来た時と同じ演出では飽きてしまいます。常に

演出は変えていかなければなりません。遊具にしても、それなりの更新と目新しさが必要と

なってきます。こんな事を考えていると、いかにテーマパークの維持存続が難しいことであるかが

良く分かります。それではテーマパークの生き残れる余地はあるのでしょうか。はっきり言って

非常に難しいようです。特に、さして特徴のない中規模程度のテーマパークの消耗は早いのでは

ないでしょうか。人間の心理として、大勢の人が詰めかけていると行ってみたくなるものですが、

閑散としているようなところには行こうとは思わないものです。私達夫婦が訪れた頃の香川県の

レオマワールドは、正に、こんな時期だったように思います。季節は最高だというのに園内は

閑散としていました。施設の手入れにも手が回らないのか、壊れたり色がはげたようなものも、

たくさん目に付きました。施設は常に手入れが行き届いているのが最低条件です。これらの

状態を見て、この公園も長くはないなと感じました。

 近隣の遊園地を見ていて、生き残っているものには、こんな特徴があります。私の住んでいる

地元児島には鷲羽山ハイランドがあります。この遊園地は規模こそ小さいのですが、もう三十年

近く続いています。出来た頃は比較的閑散とした遊園地で、乗り物もあまりありませんでした。

瀬戸大橋が開通した時が飛躍への転機だったようです。遊具も増やし、規模も拡大し、ブラジル

から踊り子達を呼んで、リオのカーニバルのまねごとを始めました。以来、今日まで閉鎖すること

なく続いています。お客の入りは、瀬戸大橋効果もあって一時は大変賑わったようですが、昨今

の状態はさほどでもないようです。それでも続いているのは、観光客に全てを依存しなかったのが

良かったのではないでしょうか。最近のお客さんは、近隣の家族連れや若いカップルが多いよです。

場所も海に向かって開けた見晴らしの良い高台にあります。子供連れには、もってこいの遊び場

だと言っても良いでしょう。そして、テーマパークにありがちな、遊具に乗る度にお金を取られる

ような事もありません。入場料を一度払うと全てOKです。そして、入場料自体も安いです。遊具に

よる事故やトラブルも聞きません。経営の程は分かりませんが、長続きの秘密は案外単純な事

なのかも知れません。

 岡山県の中程、吉井町と言うところに農業公園「ドイツの森」があります。オープンして4、5年に

なるようです。ここも長続きしています。採算がどうなっているのかは分かりませんが、確か第三

セクターの施設だったように思います。とてもドイツの森と言えるほどの立派な森ではありませんが、

山の斜面に広がった公園は、葡萄畑や野菜畑、牧場などがあって、家族連れが弁当を持って遊び

に来るのには、手頃な規模の公園です。園内ではソーセージやチーズと行った畜産品を始め、

パンを焼き、ビールやワインなども醸造しています。物珍しさや素朴さが受けて、結構売れている

ようです。本場ドイツから呼んだ男女数人のダンサーによる歌や踊りや楽器演奏も見聞きできます。

イベントと言えば、それだけのものですが、ディズニーランドのような派手さや華やかさはなくとも、

何となく長閑で良いです。私も三度位行ったでしょうか。園内の木々も成長し、畑等も出来立ての

頃に比べると、それなりの落ち着きが出てきたようです。ここもそれなりの成功例の一つではない

かと思います。

 こうして二つの公園を見てみますと、何となく長続きがする理由が見えてくるようです。いずれも

遠方からの観光客を、あまり当てにはしていないようです。大型観光バスが列を連ねて来るような

こともないようです。大半のお客さんが地元を中心とする近隣の人達で占められているのではない

でしょうか。そして、派手なイベントもありません。家族連れがピクニック気分で気楽に行けることが

長続きの秘訣のようです。そして、私達のように陰のリピーターがいることも大切な条件です。

                                             2001年4月6日掲載


関連リンク

鷲羽山ハイランド

クローネンベルク「ドイツの森」

東京ディズニーランド

ユニバーサルスタジオジャパン

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