多様化こそ進化の力

 生物は単細胞から始まって今日に至るまで多様な種を生み出し進化してきました。この多様化こそ進化の力だと

言われています。もし、この世に存在するもが一種だけであったとしたら、この種は簡単に滅びていたのではない

でしょうか。人間には害を及ぼしても犬や猫には何ら害のない細菌もいます。また、その逆の場合もあります。

 生物は自然淘汰と突然変異の繰り返しの中で多様に進化してきたと言われています。弱いものは淘汰され、強い

ものだけが生き残る。そして、突然変異によって更に種を増やしていく。この限りない繰り返しは、生物というものの

生き残りと、新たなる種を生み出すための原点でした。今もその繰り返しは続いています。

 種の生き残りは天敵に対してだけでなく環境に対しても同じ事です。地球環境が寒冷化すれば寒冷化に強いもの

だけが生き残り、温暖化すれば温暖化に適応するものだけが生き残ります。人間でも寒さに強いものもいれば弱い

ものもいます。

 単一の種においても決して全てが一様ではないのです。こうして多様化することが、その種の生き残りを可能にして

きたのです。

 視点を変えて見ますと、今、世界の経済はグローバル化という名の下にアメリカ規格が当たり前のようになっています。

あたかもアメリカ規格に当てはまらないものはダメだと言うような受け止められ方をしています。

 アルゼンチン経済は未曾有の危機の中にあり破産状態になっています。数年前グローバル化という流れの中で外貨

を呼び込むために通貨の固定制を導入したことが、経済破綻のきっかけになったと言われています。経済改革を急ぎ

すぎたのです。外国資本が入り更に価格の安い外国製品が入って国内企業を圧迫しました。その結果、中小企業の

倒産が相次ぎ大量の解雇者を出しました。外貨は底をつき流出を防ぐため預金の引き下ろしを制限する政策をとり

ました。結果、預金はあっても使えない、外貨がないので薬の輸入もできないと言うような状態です。最下層の人達は

会社から出てくる古紙を集めてはわずかばかりの収入を得ています。病気になっても薬さえ手に入らないような状態

なのです。

 ある種、日本も良く似た状態にあるのではないでしょうか。日本の大きな経済相手国はアメリカです。そういう関係に

ある国としてアメリカ発のグローバル化はある程度やむを得ないことなのかも知れません。しかし、バブル経済が破綻

を来すきっかけとなったのも、いわばアメリカに強く迫られた経済改革と言う名のアメリカ発のグローバル化がきっかけ

でした。

 昔から「お国変われば品変わる」と言われてきました。この狭い日本国内でさえ言葉も違えば文化も異なっていたの

です。山一つ越えれば出来る農産物も違っていました。それぞれの地域にそれぞれの文化や伝統があったのです。

だからこそ旅をしていても面白かったのです。今の日本にそれがあるでしょうか。おみやげといってもだいたい似通った

ものばかりです。言葉にもお国言葉がありましたが、今は面白くもない標準語になってしまいました。

 日本はアメリカと異なり非常に歴史と伝統がある国です。それが日本らしさを作り出しているのではないでしょうか。

全てがアメリカナイズされアメリカと同じようになってしまったら、ユニークさも日本らしさもなくなってしまいます。外国人

が観光に来てくれるのは、日本に日本らしさがあるからではないでしょうか。

 多様化こそが全ての原点なのです。多様化しているからこそパワーがあるのです。画一化、グローバル化は個性を

なくし、それだけ個々の持つパワーを弱めてしまいます。アメリカも他にそれを押しつけながら自らも気付いていないの

ではないでしょうか。もし、分かっていてなお押しつけてくるのであれば、そこには大きな陰謀があると思わざるを得ません。

                                                     2003年3月28日掲載

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