「あなたはタマネギ好きですか」

タマネギ(ユリ科)

 ネギやタマネギには好き嫌いが多いようです。好きな人はあの独特の甘みが良いといい、嫌いな人はあの甘みが

嫌いだといいます。そう言えば我が家の娘もそうでした。肉ジャガと言えば牛肉とジャガイモ、それに欠かせないのは

タマネギです。タマネギは秋に植えて春に収穫します。一冬かけてじっくりと大きくなります。気温の低い冬の間には

遅々として大きくなりません。しかし、春になって日が永くなると、ぐんぐん太くたくましくなります。そうして、しばらくすると

根本には目立つほどの玉(鱗茎といいます)が出来てきます。

 玉は春の日射しを浴びて大きくなり、やがて成長が止まります。その頃になると葉っぱの部分は根本から折れたよう

になって倒れてしまいます。収穫の時が来たのです。そのまま引き抜いて葉っぱごと縛り軒先に吊しておきます。田舎

に行くと、どこでも目にする風景です。

 タマネギはユリ科の野菜です。ユリ科の野菜はたくさんあります。すき焼きやカモ鍋に欠かせないネギもそうです。

カレーライスの突き合わせには、ぴったりのラッキョウもそうです。あの特有な臭いが特徴のニンニクもユリ科です。

このように野菜の中には数多くのユリ科の植物があります。

 タマネギの野菜としての歴史は大変古いようです。旧約聖書にもタマネギに関する話が出ているようです。タマネギ

の原産地は中央アジアのイランかパキスタン、更に北西の山岳地帯ではないかと言われています。しかし、これと

いったような原種は、まだ発見されていないようです。かなり古い時代ヨーロッパに運ばれ、そこで改良され今日の

ようになったと思われます。

 最近、タマネギは糖尿病などにも大変良いと注目されています。糖尿病だけでなく動脈硬化や高血圧などにも効果

が見られるようです。タマネギにはカルシウム、リン、ビタミンA、B、C等を含んでおり、薬効成分や栄養価もたいへん

高いようです。タマネギの中には二種類の硫化物があります。二硫化プロピル、硫化アリルといったものです。あの

特有な臭いも辛みもこれが元になっています。玉葱が腐ると猛烈な臭気を発します。これもこの硫化物によるもの

ではないかと思います。

 私は苗から作ったり、苗を買ってきて植えたり、年によっていろんな方法で作っています。小さなタマネギを買って

植えた事もありました。しかし、出来の良い年と出来の悪い年と両極端です。昨年は全くダメな年でした。植えた時期

が遅かったのか、日当たりが悪い場所だったからか、あるいは冬の手入れが悪かったのか、原因がよく分かりません。

 日本でタマネギの産地と言えば北海道を思い出します。収穫を終えたタマネギが大きなコンテナに入れられ広大な

畑に点々と置かれていた風景を思い出します。岡山県の近くでは淡路島が産地として有名です。ここも北海道に負け

ないくらいたくさん作っていると聞いています。

 収穫が終わったばかりのみずみずしい赤タマネギ、これをスライスし鰹節をかけて、酢と醤油で味を付けたものは、

これだけで酒の肴になります。タマネギは生で良し、炊いて良し、どんな料理にも合う野菜ではないでしょうか。

参考文献  草川俊作  野菜、山菜博物事典  東京堂出版

                                                  2002年11月11日掲載

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