スポーツの素晴らしさ

 今回のワールドカップはブラジルチームの優勝で、約一ヶ月に及ぶ長い大会の幕を閉じました。決勝戦はドイツとブラジル

の試合でした。組織力のドイツと直線的な攻撃を得意とするブラジルという、対照的な二チームの対決だったように感じま

した。

 スポーツ音痴の私が、こんな事を書くのはおこがましいのですが、この試合を見ていて感じたのは、案外単純なスポーツ

ではないかと言うことです。確かにドイツチームのように緻密に組み立てられた組織力と計算されつくしたような攻撃や守備

も必要なのでしょうが、ブラジルチームのように責められた時には徹底的に守る。その代わりチャンスが来たらただ一直線

に攻撃をする。そこには難しい理論も何もないように感じました。もちろん、背景にはブラジルチームのように徹底的に鍛え

上げられた優れた選手がいるからこそ出来る事でしょうが。

 さて、今回のワールドカップでは、久しく世界大会では感じた事のない素晴らしさを感じています。近年のオリンピックが

あまりにも商業的になりすぎて、本来スポーツが持つすがすがしさを感じられなくなってしまったからかも知れません。その

上にジャッジミスがあったり、自国の選手に有利な判定をしたり、他国の圧力に屈してとんでもない判定をしたりと、不祥事が

相次いでいました。薬物による記録更新なども、スポーツの備えるべきクリーンなイメージを著しくそこねてしまいました。

その点、サッカーは単なる個人競技ではありませんから薬物などの入る余地がありません。徹底したチームと個人との実力

が発揮されます。韓国とイタリア戦では審判のミスジャッジが問題になりました。これは仕組まれたものではなく、単純ミスか

審判員の能力不足だと思います。今後、大いに改善すべき事だと思います。

 今回のワールドカップでは日本各地で半ば民宿のような形で選手を迎えました。それぞれの地域においては熱烈な歓迎が

あり、どこの国の選手達も日本人の温かさや優しさに触れたようです。イギリスチームなどは自らのユニホームを地域の人に

記念品としてプレゼントしたと言います。こんな大会が他にあったでしょうか。オリンピックは限られた地域だけのものでした。

こうして全国規模で選手が散らばって滞在し、単なる試合だけでなく日本を知る機会にもなったと思います。今までは強面の

無表情な日本人だけのイメージが一人歩きしてきました。そんな日本人のイメージが実はそうではなく、底抜けにお人好しで

明るく開放的であることを知ったのは今回の大会を通じてではないでしょうか。それだけでも今回の大会は成功だったと言え

るのではないでしょうか。

 そして何より良かったのは共同開催国の韓国との交流が、より一層盛んになり、お互いを理解し合えるようになったこと

です。ともすれば敵視しあうような関係であった両国の若者が、お互いに相手国のチームを一緒に応援するなどと言う

ことが、果たして今まであったでしょうか。この関係を単にスポーツだけでなく、あらゆる面に広げていきたいと考えて

います。

                                                        2002年7月11日掲載

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