小惑星が地球にぶつかった瞬間の想像図です。

(この画像は他のサイトからお借りしました)

 庭の雑草を抜く。抜くと今度は違う種類の雑草が生えてくる。その種類は実に多様だ。

植物に限らず生物は、その条件さえ整えば、どんなところにでも命を育む。そんな逞しさが

全ての生物にはあるようだ。一つの種類が消えてしまうと、必ず、空白を埋めるように、

他の種類が顔を出し、その数を増やし始める。

 このように、生命の循環は絶えることがないのだ。今、地球上には、動植物の種が多様に

展開している。互いに、異なった進化の道をたどったものが、血管のように枝分かれをしている。

 このような進化は、いつの頃から始まったのであろうか。かつて、この地球上では、何度も

生命を根絶するような大事件があったと言われている。小惑星の衝突である。一昨年から

昨年の暮れにかけて、世紀末ものの映画が、たくさん上映されてきた。その多くが、小惑星が

地球に衝突すると言うものだった。

 他の天体が地球に衝突するとは、いったい、どんな状況なのであろうか。私は一度、大きな

隕石が落下するのを目撃したことがある。夕闇にあたりが包まれる頃の事だった。帰り支度を

して、会社の正門のところまで来た時だった。とてつもなく大きな音がして、空一面が、まるで

電気溶接の光のように、一瞬、白く輝いた。その状況は十数秒位であったろうか。まるで幻想を

見ているような、衝撃的な瞬間だった。後にも先にも、こんな体験は初めての事だった。

 隕石は岡山県笠岡市沖の瀬戸内海に落下したとの事だった。国立博物館の村山教授が

来られて潜水調査を行ったが、結局、隕石の発見には至らなかった。光や音のボリュームから

すれば、かなり大きな隕石であったに違いない。しかし、海中に没した時、砕け散ったのかも

知れなかった。あるいは、大きな固まりとして、今も海底に沈んでいるかも知れない。

 月や火星等といった天体にも、多くのクレーターが残っている。隕石や小惑星の衝突跡だと

言われている。地球上でも、最近、多くのクレーターが発見されている。有名なのは、中米の

ユタカン半島沖のクレーターだ。地球は表面の大半を海水に覆われている。従って、その痕跡を

見つけるのは容易な事ではない。又、地表においても、風雨による侵食は激しく、植物が覆い

尽くしてしまえば、発見することは困難になってしまう。目視で発見することは困難であっても、

他の最新技術を持ってすれば発見は困難な事ではない。従って、既に多くのクレーターが

発見され、世界地図上に記されている。

 つい最近まで、生命の進化は、ダーウインの進化論で説明されてきた。しかし、今日の種の

多様性と、進化の頂点に立つ、人間という高等種を生み出した進化の背景を考えると、単なる

進化論だけでは、説明しきれないと言われている。もっと多くの考古学的な発見があれば、

謎の部分も説き明かされるのであろうが、今日的には、進化論以外にも、もっと劇的な変化を

もたらすようなものがあったのではないかと言われ始めている。

 あれほど栄えた恐竜が突然姿を消し、その後を埋めるように、ほ乳類が爆発的な進化を遂げた。

そのきっかけとなったのが、間違いなく小惑星の衝突であり、一旦、壊滅したかに見えた地球上

の種は、恐竜とは異なる種を造りだし、爆発的な多様化と進化で、空白を埋めていったのでは

ないかと考えられないだろうか。小惑星の衝突は、地球上の生命にとっては、とてつもなく衝撃的な

事件であったに違いない。しかし、衝撃的な事件なしには、今日の種の発生と、爆発的進化は

あり得なかったと言われて初めているのである。

 今日、地球上においては、そういった事件が、何度となく起きていると言われている。その最大の

ものは二億数千万年前のカンブリア紀に於ける三葉虫をはじめとする生命の絶滅であり、もう一度

は六千数百万年前の恐竜の絶滅であると言われている。

 その後の進化がどういう経緯をたどったのかは、依然、謎のままである。ただ、生命の多様化と

したたかさは、こんな所にもと思うような所でも平然と生命を育んでいる。(100度に近いような

温泉や、あるいは海底火山のある深海にも生命は存在する)従って、一度壊滅的に死に絶えたと

思われていた生命は、生き続けていたのではあるまいか。そして、地球に再び平穏が訪れ、進化

の条件が整い始めると、今までの空白を埋めるかのように、一挙に生命の大爆発を来したのでは

ないだろうか。それは壮大なドラマであったに違いないのである。 そして、それまでの進化を繰り

返すのではなく、全く新しい進化の始まりであったに違いない。

 これから先、小惑星の衝突がないとは言えない。現に宇宙規模から言えば、ニアミスに近い

ような小惑星との出会いは、何度もあったと言われている。今日では、来るべき最悪の事態を

想定して、常に監視の目を光らせている。地球は宇宙的スケールの時間の中で、再び小惑星

と遭遇するような時を迎えるのではないだろうか。そんな事があるのかどうかも、又いつのこと

なのかも誰も予測はつかない。しかし、過去にあったことは必ず繰り返すような気がするのである。

そして、その時にも生命の種は、人間という種を絶滅させても、したたかに生き残るに違いない。

                                            2001年3月17日掲載

※先に放映されましたNHK特集を参考に一部修正しました。       2001年5月1日


小惑星に関するリンク先

日本スペースガード協会(地球に近づく小惑星の監視をしている機関です)

美星スペースガードセンター(岡山県の美星町に建てられた施設です)

カンブリア紀のリンク先

バージェス動物群化石写真集(海と生命の科学百科より)

カンブリア紀の大事件(地球生命の歴史より)

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