四国の山々

 久しぶりに瀬戸大橋線で高松まで行き来しました。今までに何度も眺めてきた景色ですが、この地方特有の形をした

山が多いのに気が付きました。家の屋根のように台形をしたもの、三角錐に形がきれいに整ったものなどです。

 昔から讃岐地方には讃岐三座と言われている富士山のように三角錐の形をした山がいくつもあります。その代表的

なものが讃岐富士と言われている飯野山です。その脇にも同じような形の山があり、これらを称して讃岐三座と呼んで

います。讃岐富士と入っても本当の富士山には較べるべくもないような小さな山ですが、形はどの方向から見ても三角錐

の整った形をしています。瀬戸大橋で四国向かって走ると、やがて真正面にこれらの山は見えてきます。私の果樹畑

からも眺めることが出来ます。

 そう言えば瀬戸内海に浮かぶ島の中にも、同じような形をしたものが見られます。大槌、小槌と言われる二つの小さな

島です。この二つの島も整った形の良い三角錐をしています。

 四国には源平合戦で有名な屋島があります。屋島とは文字通り屋根の形をした半島です。今は陸続きになっていますが、

その昔、源平合戦の頃は離れ島だったのではないでしょうか。そう言えば他にも同じような形をした山が高松から坂出に

向かう車窓からも数多く見られます。

 この地方には何故こんな山が多いのでしょうか。これら大多数の山は、その昔、火山活動で出来た山だと言われて

います。そもそも四国はいくつかの島と島が合体して出来たと言われています。その島々のふる里はハワイ周辺だと

言われています。ハワイ諸島は今でも盛んに火山活動を続けながら移動をしています。今のハワイ諸島もいずれは

日本列島にまでやってくると言われています。気の遠くなるような時間をかけてハワイ沖から運ばれてきた島々が四国

を作ったのです。

 当然の事ですが、島と島がぶつかり合って一つになるときには、大きな地殻変動を伴ったに違いありません。それは

激しい火山活動となって地表に吹き出してきたのではないでしょうか。その名残が讃岐富士であり屋島であり大槌、小槌

なのだろうと思われます。

 富士山のような三角錐の山は吹き出されるものが、さらさらのものである時に、こうなると言われています。代表的

なのは富士山ですが記憶に新しいのは雲仙普賢岳です。日本の多くの火山はこのタイプだと言われています。

 そして屋島のような形になるのは粘度が高い溶岩流を伴った噴火の際に出来ると言われています。いわゆる粘度が

高く、流れたものがゆっくりと固まるので屋島のような台形になると言われています。(現在、イタリアのシチリア島の

エトナ山では盛んに溶岩流を吹き上げていますが、典型的な溶岩流タイプの火山と言えるのではないでしょうか)

その他にも伊豆沖の大島の三原山やハワイ諸島の噴火にも溶岩流が見られます。従って、かつては色んなタイプの

噴火があったのではないかと思われます。

 余談になりますが火山や火山であった近くには有名な鉱山が点在します。特に金や銀と言った貴金属は火山近辺で

熱水が噴き出すところに析出されたと言われています。四国には有名な銅山があります。別子の銅山です。江戸時代

から明治時代にかけて盛んに銅が掘り出されました。銅も又金や銀に負けないような貴重な金属でした。

 昔、山師という人がいました。これらの人達は全国の山を歩き回って、有力な鉱山を見つけて歩いたのです。採掘量の

多い山を見つければ、それだけで大金を手にすることが出来たのです。私達素人にはどこの山も変わらないように見え

ますが、これら山師達には山が匂うような感じがしたといいます。弘法大師も有名な山師であったと聞いています。大陸

で色んな勉強をして来た人ですから、それなりの知識は持っていたのではないでしょうか。弘法大師が開いたと言われて

いる鉱山が日本全国に点在していると言われています。それらの中には彩色と防腐効果のある朱の原料となった水銀の

鉱床などもあったと言われています。朱は当時も今も大変貴重なものです。後の世になって水銀から作る朱に代わって

硫酸鉄から作られるベンガラが使われるようになりました。

 余談はともかく香川県の山々には独特の形がしたものが多く、その上、五色台という山にはカンカン石と言われている

非常に固い石を産します。この石は古代には鏃(やじり)などにも使われました。石を叩くと甲高い金属のような音がします。

それゆえカンカン石と言われているのです。これらも火山活動によって作られた石です。

 その他、屋島の近くの庵治というところでは名石と言われている御影石を産出します。庵治石と言えばこの周辺で知らぬ

人のいないほどの有名な石なのです。これも火山活動が作り出した石です。

 車窓から何気なく眺める山々も、こんな事を考えながら見ているとなかなか見飽きないものです。

                                                    2002年11月30日掲載

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