選挙二題

 長野県知事選挙が間もなく告示され本格的な選挙戦に入ります。脱ダム宣言をして議会と鋭く対立した田中康夫

前県知事の出直し選挙です。当初、対立候補はないものと思われていましたが、田中さん以外にも無所属の候補が

3名くらい候補者としての名乗りを上げているようです。

 田中さんの政治手法は破壊的だとか、小説化の理想論だとかと言った批判を受けています。その批判は本当に

正しいものなのでしょうか。理想論が何故悪いのでしょうか。政治の場こそ理想を語り、理想を現実のものにする場

なのではないでしょうか。理想を政策として掲げたら職員が現実のものにするための方策を考えれば良いのです。

政治が理想を語ることなく、足下のくだらないことにばかりに議論を費やしているからこそ、いっこうに私達の生活が

良くならないのではないでしょうか。私は再び田中康夫さんに県知事として復権してもらい、理想を議会の場で議論

して貰いたいと思っています。

 長野県は岡山県に次ぎたくさんの借金を抱えていると言われています。多くは前知事時代の負の遺産です。長野

オリンピック等の公共事業のつけだと言われています。公共事業という麻薬にも似たお金にどっぷりと浸かってきた

結果が今日の借金地獄なのです。

 岡山県も水島コンビナートというドル箱を抱え、その余力で多くの公共事業に莫大なお金を投じてきました。そのつけが

今大きく県民にのしかかってきています。これもまた前知事時代のつけなのです。吉備高原開発というとてつもない事業

は理想半ばにして、バブル崩壊とともにとん挫してしまいました。おまけにドル箱であったコンビナート各社も長引く不況

の中で縮小に次ぐ縮小を余儀なくされています。コンビナートで働く従業員の数も随分少なくなりました。従業員の消費

拡大で大きくなってきた水島の街も今や閑古鳥が鳴いているような状態です。商店街はまったく灯の消えたような状態

です。相次いで大型スーパーも店を閉めてしまいました。

 何が原因なのでしょうか。右肩上がりの経済成長がどこまでも続くと考えていたのでしょうか。バブルで浮かれていた頃

には、すでに足下に奈落の底が口を開けて待っていたのです。全てのやり方を見直す時期に来ています。システムの

全てが悪かった訳ではないでしょうが、どこかに歪んだところが出来ていたのではないでしょうか。

 田中さんの脱ダム宣言も負の遺産を出来るだけ少なくしたいという思いからだと思います。その代わり治水工事としては

河川の改修を行い、山林の保水力を高めるために荒廃を止め、出来れば山林事業での雇用も作り出して行きたいと

考えているようです。非常に理にかなった考え方ではないかと思っています。必要の薄れたダムを建設し自然破壊を

進めてまで公共事業費の重いつけを残すのか、合理的方法で治水を完備し自然破壊を守るのか、選択しなければ

ならないのは長野県民であり、私達他府県の人間も自らの問題として考えていく必要があるのではないでしょうか。

 さて、ここにもう一つの選挙があります。選挙になるのか前回のように党内調整で終わるのかは分かりません。民主党

の党首を選ぶ選挙です。小泉さんの改革が国民の望むものでなく、また、はかばかしく進まない中で支持率も大幅に

低下しています。それでも我慢しなければならないのは、小泉さんや自民党に変わりうる政権がないことです。

 国民にとって大変不幸な事です。その原因は野党第一党である民主党自体の中にあります。お互いに主義主張の

異なるもの同士の寄り合い世帯だからではないでしょうか。ただ、国会議員だけの数を頼みの寄り合い世帯では何の

力にもなりません。

 政党が政党としての活動をしていこうとすれば、政党として一本筋の通った理念が必要です。そして、何よりも必要

なのは支えてくれる一般党員の地方組織が必要です。国会議員だけの浮き草のような政党に何が出来ると言うので

しょうか。少なくとも共産党並の組織人員と政党としての活動が必要です。日本社会党がなくなり、総評がなくなって

から大衆に依拠した活動が見られなくなりました。細々と共産党系の労働組合の街頭活動が散見できるだけとなって

しまいました。これでは自民党と公明党、保守党の三党連合のやりたい放題です。

 今回の民主党の党首を選ぶ選挙に当たって、是非ともこういった論議をして貰いたいと思っています。今の党首で

ある鳩山さんの政治理念の中に国民の立場にたった考え方があるようには思えません。もっと国民の思いや傷みが

理解できる党首を選ぶこと、そして党としての基盤をきちんと作ることが急務なのではないでしょうか。

                                                   2002年8月5日掲載

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