世界最速への挑戦

高速で疾走する8輪駆動の自動車

(NHKのサイトから借用しました)

 皆さんは先日のNHKスペシャル「世界最速への挑戦」と言う番組を見られただろうか。8輪駆動の自動車は

その姿だけでも異彩を放っている。しかも時速300KMを超す猛スピードで疾走する。これは慶応義塾大学の

清水教授を中心として業界各社から参加したエンジニア達によって開発された電気自動車(EV車という)である。

 清水先生は大学で環境情報学を教えてこられた。そして25年間、電気自動車の開発にあたってこられた。

何故、環境情報学の先生が電気自動車の開発なのかと意外な感じがする。先生は環境学という視点から大気

汚染の状況を見てこられた。そして、従来型の自動車では私達の生活環境は守れないと考えられた。そこで

思いつかれたのが電気自動車だった。

 しかし、電気自動車には克服しなければならない問題がたくさんあった。そして、性能的にも価格的にも今の

自動車を超えるようなものを作らないと、社会には受け入れて貰えないということも良くわかっていた。今まで

にも多くの試作車が作られてきた。そしていよいよ本格的な自動車の開発をということで、この8輪駆動車が

開発されたようだ。

 電気自動車を動かしているのはガソリンエンジンでもディーゼルエンジンでもなく電動機だ。この自動車には、

8輪すべてに電動機が付けられている。また、電動機の駆動力は直接車輪に伝わるようになっている。従って、

エネルギーロスが少ない。電動機は1分間に13000回転という猛スピードで回転するように作られている。

工場で使われている電動機が1800回転や3600回転だから13000回転という回転数が、どれほどの高速

回転かはお分かりのことと思う。

 電動機の動力源は充放電が繰り返し可能な蓄電池である。蓄電池から取り出した電気をインバータで制御

して13000回転という、とてつもない高速回転に変えていく。この電気自動車はガソリン車より、はるかに

省エネ自動車だと言われている。これもまた、環境にやさしいエコ・カーと言われる所以ではないだろうか。

 この電気自動車の試乗を行ったのは、あのF1レーサーの片山右京さんだった。幾多のスピードレースに

挑戦してきた右京さんをして驚嘆させるほどの威力を秘めた電気自動車だ。いまや実用化の段階に入ったと

言われている。このタイプの自動車が市場に出てくる日は近い。

 番組の画面上を風切り音だけ残して疾走する電気自動車エリーカ。その姿には未来カーを予感させる何かが

あるように感じた。(電気自動車は従来型自動車のような騒音はない。騒音という面からも環境に優しい車だと

言えるのではないだろうか)

                                             2004年10月7日掲載

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