劣化ウランの恐怖

 イラク情勢が風雲急を告げる中、改めて、先の湾岸戦争の際に使われた劣化ウラン弾の被害が懸念されています。

劣化ウランは弾丸の威力を増すために使われている物質です。原子炉で使われている核燃料であるウランはU235

という原子記号になっています。ウラン鉱石からU235を取り出す際、大量のU238が一緒に取り出されます。

 しかし、U238は核燃料としては使えません。アメリカには実に大量のU238があると言われています。U238は核燃料

には使えないとは言え核物質であることには変わりありません。これを弾丸にして使用すれば大量のU238がまかれます。

このU238の出す放射能は半減期が非常に長く、一度体の中に取り込まれてしまうと、その人が亡くなるまで色んな障害を

起こす原因となります。

 すでにアメリカ国内には湾岸戦争に動員されたアメリカ兵の被害者がたくさんいると言われています。また、イラク兵や

イラクの民間人にも多くの被害者が出ていると言います。放射性物質は一度取り込んでしまうと取り出す方法がありません。

体の中から放射線を出し続けるのです。放射線障害については、すでに広島や長崎だけでなく、原水爆実験の被害者と

なった人達やチェルノブイリの原発事故の被害者など世界中にたくさんおられます。

 アメリカ軍は今までに湾岸戦争だけでなく、コソボ紛争等ヨーロッパでも使っています。原水爆のように目に見える形で

一度に大量の人や物を破壊することはありませんが、今後も目に見えぬ形でじわじわと被害の範囲を拡大するに違い

ありません。

 世界は地雷の廃棄に向かって進みつつあります。日本はいち早く廃棄を決めています。貧国の兵器と言われ、世界中で

実に大量に使われてきました。戦争が終わった国々でも未だに被害者が出ています。また、先のベトナム戦争では大量の

枯れ葉剤が使われました。枯れ葉剤は今問題となっているダイオキシンそのものです。ベトちゃんやドクちゃんという奇形児

が大量に生まれました。お母さんやお父さんが枯れ葉剤の被害にあったからです。このように兵器は大量の人を殺し不幸

な目に遭わせます。

 アメリカやロシアは新兵器を次々に開発し、その威力を実戦で試してきました。そして、大量に輸出しているのです。死の

商人そのものなのです。先のアフガン戦争ではアルカイダを掃討するためにクラスター爆弾というとんでもない兵器を使い

ました。この爆弾は大きな爆弾の中に小さな爆弾がたくさん入っていて空中で爆発し中の小さな爆弾が散乱するために

広範囲の殺傷威力があると言われています。そして、戦争が終わった今、不発弾が大量に地中に眠っていると言います。

その恐怖はやはり地雷と同じなのです。

 この世から戦争をなくすこと、そして核兵器を初めとするあらゆる兵器をなくすことが、これからの私達の使命ではない

でしょうか。国際世論を高めることこそ兵器産業を窮地に追い込み、軍事力をなくすことへの道なのです。

                                                      2003年2月21日掲載

政治経済社会問題のページへ戻る

ホームへ戻る