お茶の木の話あれこれ

お茶の木は病害虫に強い?

 我が家の果樹畑にはお茶の木を植えています。新緑の頃、一斉に出そろった薄黄緑色の

新芽を見るのは楽しいものです。このお茶の木は、家内のおじいさんが庭木として植えていた

ものから枝を貰って挿し木したものです。お茶の木はツバキや山茶花と同じ仲間なので挿し木

などで簡単に増やすことが出来ます。むろん種を蒔いて増やすことも出来ます。いま植えている

お茶の木の下にもたくさんの種が落ちて、その内の何本かが発芽しています。

 新芽の季節を迎えるたびに何度か緑茶を作ろうと試みたのですが、未だ完全なものを作った

事はありません。何とか今年こそは作ってみたいと思っています。

 お茶の木は、病害虫には非常に強いようです。お茶の木の隣に植えている生け垣用の木には、

毎年決まったように葉を食べる虫が付くのですが、横に接するように植えているお茶の木には

まったく寄りつきません。むろん虫にも植物の好みがあって、必ずしも同じ虫がどんな木や野菜

を食害するわけではありません。しかし、お茶の木に関しては年間を通して虫による食害を見た

ことがありません。

 また、病気にも強いようで柔らかい新芽の時期にも、その他の季節にもこれと言った病気は

ないようです。それでも産地では商品価値を損なわないために消毒をすると聞いています。

少なくとも新芽の時期の消毒だけは避けて貰いたいものです。何故なら、新芽こそ私達がお茶

として飲むものだからです。

 インターネットで調べてみますと、お茶の木に病害虫の被害がまったくないと言うわけではない

ようです。色んな病害虫の事が書かれていて予防方法も書いてあります。

虫が好きな桜の木

 一方、お茶に較べると、サクラの木やサクラの木と同じバラ科の植物は非常に害虫が好む

植物です。バラは、新芽の時期にアブラムシがたくさん群がります。サクラの木には年間を通して

色んな毛虫が葉を食べます。

 特にアメリカシロヒトリという毛虫による被害は大きく、何枚かの葉が葉脈だけになっていたら

要注意です。必ず近くの葉にビッシリと小さな虫が群がっているはずです。小さな虫の時期には

固まっている虫たちも成長とともに次第に散らばっていきます。こうなってしまったらお手上げ

です。虫は木全体に広がっています。

 アメリカシロヒトリが食べる葉の量は実に凄まじく、瞬く間に枝が裸になってしまいます。そして、

木の下には夥しい虫の糞が散らばっています。虫が糞を排泄するとき他の葉に当たって音が

します。パラパラと、まるで雨が降っているような音です。従って、こんな被害に遭う前に小さな

虫の集団を見つけたら、すぐに殺してしまう事が大切です。

お茶の薬効成分

 余談になってしまいましたが、お茶はもともと薬として用いられていたようです。日本にも漢方

薬の一つとして入ってきたようです。お茶の木には薬としての成分がたくさん含まれています。

新芽を噛んでみると非常に苦く感じます。口の中に残るような苦さです。

 一方、先ほどのサクラの葉は全く苦さを感じません。苦さを感じないだけでなく、とても爽やかな

香りがします。その香りを利用するために桜餅を包む皮に用いられています。

 お茶の成分として一般的によく知られているのはタンニンやカフェインなどですが、その他にも

微量成分としての薬効成分をたくさん含んでいるようです。お茶には甘みのもとであるテアニン

というアミノ酸の一種が含まれています。その他にもグルタミン、アスパラギン酸など十一種類

ものアミノ酸類を含んでいると言いますから驚きです。こうしてみるとお茶には疲労回復の働き

もあるようです。

 玉露という最高級に属するお茶に何となくまったりとした甘みを感じるのは、このテアニン等

アミノ酸類の味を感じているからかも知れません。

 また、苦みの成分はタンニンではなくカフェインだそうです。カフェインは日光を少なくして栽培

する玉露など高級茶に多いようです。二番茶、三番茶になるに連れてカフェイン成分は少なく

なるそうです。従って、渋茶ですがどうぞと出されるお茶は意外にも高級茶と言うことになるの

でしょうか。

 一方、渋みの元はタンニンです。余談になりますが渋柿にはたくさんのタンニンが含まれて

います。この渋を抜くために干し柿にしたり、たる抜きにしたり、アルコールや炭酸ガスを使うの

です。渋抜きとは言いますが渋を取りのぞくのではなく、タンニンを固めてしまい渋みを感じなく

するのです、従って、富有柿等の甘柿は自然にタンニンが固まっている状態です。柿を半分に

切ってみますと黒い点々が散らばっていますが、これがタンニンの固まりだそうです。

 最近、カテキン効果などと言うお茶の宣伝文句を良く耳にします。このカテキンは渋みの元で

あるタンニンの一部だそうです。カテキンには生活習慣病の予防や殺菌作用があるようですから、

私達中高年の生活習慣病の予防や細菌やウイルスによる伝染病の予防効果が期待できるかも

知れません。

 「渋茶ですがどうぞ」と言って出されるお茶は、粗末なお茶なのではなく病気の予防効果等を

持ったお茶らしいお茶なのかも知れません。と同時に、お茶の木が病害虫に強いのは、お茶の

木自体が自分の身を守る手段としてカテキンやタンニン、果てはカフェインやアミノ酸類を作り

だしているのかも知れません。その薬効成分を私達が利用させて貰っているのではないでしょうか。

                                      2007年3月10日掲載

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