温水プールの勧め

 今、水の中でのダイエットやリハビリが見直されています。私の義母も長年の肥満と老母の介護で痛めた足腰の

痛みに長く苦しんでいました。足腰が痛いから動かない。動かないからますます足腰は弱り、更に肥満になってしまう。

とにかくこんな悪循環で、このままだといずれ歩く事も出来なくなってしまうのではないかと心配していました。歩けなく

なってしまったら本人も苦痛でしょうが、周辺のものも大変困ります。いかに家族とはいえ介助には限界があるからです。

 そんな事もあって渋る本人を説得し、フィットネスクラブへ通うように勧めました。そうして約半年、その効果は顕著に

現れたのです。かつては歩けそうもなかった距離でも、ゆっくり歩けば私達に付いて来られるようになったのです。

これには私達が驚きました。こうなると本人にも自信がつき、クラブに通うのが楽しくなってきました。

 フィットネスクラブで最も効果があったのはプールでの歩行訓練でした。水には浮力があり、体重の負担を足腰に

かけることはありません。そして水には抵抗がありますので、ゆっくり歩くだけでもエネルギーが消費されます。こうして

体重は少しずつ落ちてゆき、その代わり筋肉は強くなっていったようです。筋肉はエネルギーを大量に消費します。

従って、ダイエットには筋肉を付けることが必要だと言われています。 

 今日このようにプールでの色んな効果が見直されています。今回は川崎医療福祉大学の小野寺昇先生の講演が

ありましたので紹介しておきます。足のむくみを取るにはぬるめのお湯に足を浸すと良いと言われています。温泉地

に行くと足湯と言うものを見かけます。歩き疲れた足を浸すと大変気持ちよく、足のむくみが和らぎます。これはお湯の

適度な温度と水の圧力が足にかかり鬱血している静脈の血を心臓に戻す働きを助けるからだそうです。従って、単に

足先だけでなく全身を水の中に浸すとなお効果は顕著になるのです。

 水の中に入ると心拍数が下がります。これは水の圧力が下半身からの血液の帰りを助けるからに他なりません。

この現象をビーナスリターンと言うそうです。ビーナスとは血液の事です。また、長時間同じままの姿勢でいると下半身

に血が溜まり、その血が凝血してしまいます。凝血液が肺に戻り肺の血管が詰まってしまうと呼吸困難になり、ひどい

場合には死に至ることもあるそうです。いわゆるエコノミー症候群と言われている病気です。これは飛行機のエコノ

ミークラスに乗ったからなると言うのではなく、ビジネスクラスでもファーストクラスでも同じ姿勢を長時間続けていると

なる現象です。従って、長時間同じ姿勢で座るときには靴を脱いで少し足首を動かすだけでも血流を良くする効果が

あるそうです。また足を乗せる踏み台があれば膝を腰より少し高く持ち上げるだけでも心臓に血が戻るのを助けます。

 水の中では浮力がつき体重は1/4位になります。従って車椅子でなければ移動が困難だったお年寄りでもプール

に入ると浮力がつき、体を少し支えて貰うだけで簡単に歩けるようになるのです。医療の先進国では積極的に歩行

回復訓練に取り入れているようです。

 また、温水プールは適温に調整されています。けっして風呂のような温度ではありません。摂氏三十度と言う温度は

乾布摩擦と同じような効果があると言われています。皮膚のすぐ下の毛細血管を刺激して血流を良くするのです。また、

水の中でゆっくりと浮かんでいることは、丁度、宇宙空間で浮遊しているのと同じ状態だと言われています。この状態を

しばらく続けていると脳にはアルファ波が発生し、心身共にリラックスさせる効果があります。最近、リラクゼーションと

いう言葉を耳にします。

 鯨やイルカのように大型の水生動物を解剖してみますと、体の大きさに比較して腎臓が大変小さいということが注目

されています。腎臓が小さいと言うことは水の中の生活と何か関係がありそうだと、今、注目を集めています。糖尿病

患者は余分なカロリーを消費するように勧められていますが、激しい運動をすると筋肉の方に血液の流れが偏り腎臓

の機能が十分生かされません。そのため腎臓に余分な負担をかけてしまいます。そこで見直されているのは水中で

生活している鯨等、大型水棲生物の腎機能の働きなのです。水棲動物が体の大きさの割に腎臓が小さいと言うこと

に何かヒントがりそうです。今後更に研究が進めば糖尿病患者のリハビリにも温水プールの効果が見直されるのでは

ないでしょうか。

 このように運動機能の回復だけでなく糖尿病患者の治療にまで幅広く温水プールの活用が見直されています。

                                                  2002年11月3日掲載      

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