超「20世紀論」

 今、私の手元に一冊の本がある。この本は吉本隆明氏の超「20世紀論」と言う本である。

日本の戦後思想史上大きな足跡を残したと言われている吉本氏は思想家でもあり

詩人でもある。私はこの本を手にするまで、吉本氏の書いたものは何も読んだことは

なかった。この本を読んでみて、少なからず衝撃を受けたのは事実である。

 今まで、読んできたこの手の本の中には、見出しとは大違いで何となく奥歯にものの

挟まったような歯がゆさを感じていた。しかし、この本の語り口は読者におもねる事なく、

ズバリ自分の考え方を述べている。私自身、そんなにたくさんの本を読んでいるわけでは

ないので、他者を引き合いに出すことは出来ないが、この人自身の独自の発想と思われる

ようなところが随所に見られる。この本はインタビュー形式で書かれている。インタビューを

しているのは、フリーのジャーナリストである田近伸和氏である。

 この本のあとがきの一節を借りるならば、書かれている内容を評して、こんなことになるのだろうか。

多くの知識人が「知」を追求しつつ、「知を殺す」というところがあり、とかく思想家と言われる

人達が陥りやすいパラドックスを引き合いに出して、次のように書いている。

吉村氏の思想感のあり方は「自分だったらどうするか」と言うことが議論の出発点にあって、

「実感に即して」モノを言ったり、書いたりする事であり、これは、簡単なように見えて、

容易ではなく、常に「自己欺瞞を排する歩み」だった。

 私の読後の感想も正にこの通りであり、目から鱗の落ちるような思いで、一気に読んでしまった。

更に付け加えておきたいことは、この手の本にありがちな読みづらいとか、難しいと言うようなことは

全くなく、平易に読み終える事が出来た事である。それは吉村氏の十分に咀嚼された考え方で

あることと、インタビュー形式で書かれているからではないだろうか。 

 是非、みなさんに一読をお勧めしたい一冊の本である。そして、これからの日本人と日本という国の

あり方について考えてみる時の道しるべともなるべき本の一つだと思っている。

ちなみに、吉本氏は詩人でもあり、女性作家の吉村ばなな氏のお父上でもある。


「脱アメリカ」が日本を復活させる

何もかもアメリカ一辺倒である今の日本をアメリカ人自身が憂いている。

「脱アメリカが日本を復活させる」と題したこの本は、正に私が言わんとしていた事をズバリ

そのまま書いた本である。私は私のホームページの一角をさいて次のような事を書いている。

この本の著者はビル・トッテンさんというアメリカ人である。ビルさんはソフトウエアを開発する

株式会社「アシスト」の創業者であり、現在も取締役社長をしている。政治も経済も思想までも

アメリカ一辺倒である今日の日本の事を、日本人以上に憂い嘆いている人である。

 そのビルさんが自国アメリカを評して次のように述べている。

「自由と民主主義の国」「勝利と栄光の国」「努力した者が報われる国」「アメリカンドリーム」と

アメリカを形容する言葉の多くは明るく希望に満ちている。しかし、現実のアメリカは「不平等」であり、

「甚だしい貧富の差」があり、「拝金主義」「弱肉強食」「エゴと差別社会」、そして、絶えることのない

「犯罪大国」であると述べている。事実、アメリカは建国以来の銃社会であり、先住民族を殺戮し

侵略をしてきた、強い者だけが生き残れる社会であることは、否めない事実である。

 その考え方は今も脈々として流れており、圧倒的な軍事力を背景に、世界に対して様々な形の

恫喝を繰り返してきた。自国の経済が危うくなると全てを他国のせいにして、多くの不平等な条約を

押しつけてきた。それだけされても、今なお、アメリカに尻尾を振って、付いていっているのが

今日の日本である。ビルさんのみならずとも、この状態を見て異常と感じない者がどこにいるだろうか。

 他国の人は笑っているのではないだろうか。ビルさんはアメリカ一辺倒の自民党を倒さない限り

この悪魔的な状況は変わらないと言っている。私達は今こそ、ビルさんの言葉を借りるまでもなく、

自民党を倒し、真の日本の独立を勝ち取らなければならないのではないだろうか。

どうしても多くの人に読んで貰いたいもう一冊の本である。


超「20世紀論」  吉本隆明著  発行 アスキー

「脱アメリカ」が日本を復活させる  ビル・トッテン著  発行  徳間書店

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