色づきのよくなった夏みかん  1999.11

 夏みかんとハッサク(八朔)、外観は良く似ていますが、味は全く異なります。夏みかんと言えば、

私達の子供の頃のことを覚えておられる方には、ただただ、酸っぱいものだという感じしか持って

おられないと思います。それ位、昔の夏みかんは酸っぱくて、塩や重曹をつけ舌先をごまかして

食べていました。

 しかし、近年、品種改良も進み酸味が押さえられ、甘みの増した色んな種類のものが店頭に

並ぶようになりました。色もややオレンジがかっており、ハッサクの少し青みがかった色よりは

食欲をそそるような色をしています。果汁が多く、中の果皮が柔らかいので、食べる時には汁を

こぼさないように注意が必要です。

 春先のワラビや竹の子が出始める頃、近くの島へ行きますと、びっしりと雑草が生えた畑の中に、

取り残されたようなミカン畑があります。すでに何年か前から放置されたままの畑です。そんな畑

にも、けなげに夏みかんがたくさんの実を付けています。この夏みかん、少しは甘みが感じられ

ますから品種改良の初期の頃の夏みかんかと思われます。酸っぱいのが苦にならない人には

良いのでしょうが、私などはすぐに吐き出してしまうような酸っぱさです。出荷も出来ず、世話をして

いた人達も年を取り、次第に放置されるようになったのでしょう。それでも毎年実を付けると言う

ことは、意外に丈夫な木なのかも知れません。

 我が家には夏みかんの木が二本あります。一本は隣のハッサクと同じ年に植えたもの、もう一本

は他の場所に植えていたものを移植したものです。移植したものの方が木は小さいのですが良く

実を付けます。大きい木は、なり年と裏年があるようです。味はさほど違わないように思いますが、

果皮は鮮やかなオレンジに近いのと、ハッサクのような薄い色のものという違いがあるようです。

 育て方は他の柑橘類と大差ありません。ハッサクと同様カイガラムシや夏の高温期のハダニ、

毎年、二度新芽を出しますが、二度目の新芽時のハモグリガの幼虫による被害が主たる害虫被害

です。新芽が伸びて葉が縮れていたらハモグリガの被害です。農薬もありますが、我が家ではその

ままにしています。その他、アゲハチョウの幼虫やアブラムシ類に注意して下さい。 そして、最も

注意を要するのはカミキリムシの被害です。枝の表皮を食害するばかりではなく、幹に幼虫が入り

食い荒らすことです。私の経験では柑橘類のほとんどにカミキリ虫の被害があった年がありました。

カミキリムシの幼虫が根の周りに集中し、食い荒らすのです。そのため何本かの柑橘類が枯れて

しまいました。枯れた木を掘り返して見ますと根際から入った幼虫が根の先の方まで食い荒らし、

腐っていました。注意を要するのは6月中旬から7月の下旬頃までの間です。その頃、根の周りを

きれいにして、石灰等を撒いておきます。梅雨時期で常に湿気を帯びている季節ですから、出来る

だけ風通しを良くして根の周りを乾燥させて下さい。私の試みではタバコの吸い殻を置いてやる

方法が効果があるようです。これは体験的に感じていることですので、本当に有効なのかどうかは

分かりません。

 夏みかんは、実が付きすぎると自然落果をするようです。花が終わり、実の大きさが小梅ほどの

大きさになった頃から、少しずつ落ち始め、適当なところで終わります。そんなわけで、ほとんど

摘果はしないで済みます。

 収穫は十二月下旬にします。我が家では年末年始の休みを利用して収穫しています。収穫した

ものは、すくも(籾殻)に入れて囲っておきます。二月下旬頃、ハッサクをあらかた食べ終わった

頃から、夏みかんを食べます。その頃になると酸味も和らぎ、甘みの方が勝ってきます。食べ頃と

言ったところです。

                                           2009年8月6日修正

           

色付きも良い夏みかん、今年も意外に豊作のようだ。

  1999.12.25撮影


夏みかんの加工品

我が家の夏みかんを使って家内が作りました。題して「むつみママの手作りマーマレード」ラベルは

娘が作りました。


収穫間近になったハッサク、果実の重さで枝が大きく垂れている。1999.11

 昔は木にならせたままで、暦でいうところの八朔頃に食べていたようですが、私達の知る限り

冬の終わりから早春にかけての果物です。少し苦みのある甘さが好きで、最初に植えたのが

ハッサクでした。現在は品種の異なるものが二本あります。元は三本でしたが、一本は事情が

あって他家の木になってしまいました。この最初に植えた木は、たくさん実を付けて長い間、

私達家族を楽しませてくれました。一時はカミキリ虫やカイガラムシの被害にあい、枯れそうに

なっていましたが、枝を剪定したり、消毒をしたりして、少し持ち直していました。その後、二本

植えましたが、味はこの最初に植えたものが、一番良かったような気がします。

 ともあれ、現在は二本の木が交互に実を付けますので、毎年欠かさず食べています。二本とも

味も異なりますし、外観も並べてみますと異なっています。結構どちらの木も多産ですから、摘果

してやらないと実が小さくなってしまいます。

また、同じ木になったものでも、大きな実と小さな実では味が違います。果物は大きい実の方が

はるかにおいしいですから、出来るだけ大きく栽培する方が良いようです。ところが人間欲ばり

ですから、摘果する時ついつい、もったいないと思い残す数が多すぎて、収穫間近になって、

こんなに多かったのかと驚いたり後悔することが度々あります。ハッサクは夏みかんのように

自然落果はあまりしないようですから、思い切って摘果した方が良いようです。

 病害虫に関しては夏みかんと全く同じです。収穫の時期も収穫の方法も全て同じです。そして、

もう一つ注意しておかなければいけないのは、ハッサクの受粉樹として、必ず夏みかんの木を

植えて下さい。但し、どちらも大きな木になりますから、木と木の間を十分離して植えることを

お薦めします。我が家では柑橘類同士が少し接近しすぎて、失敗だったと思っています。

                                          2009年8月5日修正 

     

実り豊かなハッサク、摘果が足りなかった割には大きな実になっている。  1999.12.25撮影


病害虫:カイガラムシ、ハダニ、アブラムシ、アゲハチョウの幼虫

      カルホス乳剤、スミチオン乳剤を使っています。その他、農薬の項を参照して下さい。

      冬の間のマシン油乳剤、石灰硫黄合剤の散布

私は収穫が終わったらすぐにマシン油乳剤を散布し、3月頃に石灰硫黄合剤を散布しています。

カミキリ虫  見付けたらその都度、手で取っています。幼虫は文中の方法を参考にして下さい。

施肥:寒肥を中心にしています。(寒肥は油粕、配合肥料を使っています。)

    追肥は適宜やって下さい。

収穫:12月末頃収穫し、すくもに入れて囲っています。

剪定:新芽が動き出す前、三月頃が良いと思います。


柑橘類の被害

 柑橘類にも色んな病害虫があります。長く原因の分からなかったのが、右側の写真のような

症状です。表皮がぶつぶつに覆われて、ヤニ状のものが出てくることでした。原因はダニによる

被害だそうです。実が小さい頃、表皮に取りついたダニが傷を付け、その部分がこのようになる

ようです。

 対策としてはダニが発生し始める6月頃、何度か殺ダニ剤を散布して下さい。幾分かは被害を

押さえることが出来ます。数少ないときは切り落としています。また、被害に遭った部分をナイフ

で削り落としても良いようです。とにかく早めの手当が大切です。

 左の写真はカナブンの被害によるものです。花の時期に蜜を求めてきたカナブンが足の爪で

子房の部分に傷を付け、そこがケロイド状になるのです。幼果の頃、傷ついたものがあれば早めに

摘果して下さい。 従って、花の咲く頃カナブンを殺すしか被害をくい止めるしか方法はありません。

私はそのままにしています。

      

左の写真、花の時にカナブンが傷つけた傷跡がケロイド状になっている。こんなものは商品にはならない。1999.12.25撮影

右の写真、ダニの被害によるもの、表皮にぶつぶつが出来、ヤニ状のものが出ている。 2001年9月上旬撮影

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