内憂外患

 日本はあらゆる面において、かつてないほどの危機的状態であることはご存じの通りです。しかし、具体的に何がどうだ

と質問されても、あまりにも漠然とし過ぎており簡単に答える事は出来ません。事が大きすぎるので、はっきりと全貌を掴む

ことが出来ないのです。しかし、何とはなく常に不安がつきまとっています。

 この状態は300年も続いた徳川幕府の末期とよく似ています。江戸時代末期、天明、天保と続いた大飢饉、そして安政

の大地震等、天変地異による危機は、行き詰まっていた武士社会の経済や制度の崩壊に追い打ちをかけました。幕末の

武士社会は形骸化してしまい、これらの危機に対応することが出来ませんでした。それどころか、武士社会の存在そのもの

が社会の大きな癌となっていたのです。

 今の世の中も当時と大変良く似ていると言われています。今のところ飢饉や大きな天災こそありませんが、いつ来るか

分からない巨大地震の恐怖は、阪神大震災をきっかけに急速に高まっています。また、地球温暖化の影響は目に見える

形で現れ始めました。海の外からは黒船ならぬ北朝鮮が核兵器とミサイルを持って脅しをかけています。経済的に行き

詰まった金正日体制は完全に追いつめられており、自らの責任回避のためには、外に国民の目をそらす必要に迫られて

いると言います。

 一方、北朝鮮と向き合っているアメリカのブッシュ政権は自国の経済が危ういと言われながらも、イラク戦争に向けて

躍起になっています。ひとたびイラク戦争にでもなれば石油の高騰は必至だと言われています。石油が高騰すれば、深刻

な日本経済は更に追い打ちをかけられるような事になります。

 第二次世界大戦後、私達が汗水垂らして築いて来た日本経済は根底から崩れ去ろうとしています。一時は経済大国と

まで言われてきた日本経済の足下が完全にぐらついているのです。バブル経済崩壊後、中身はともかく形だけでも今まで

続いて来たのが不思議なくらいです。

 自民党政府は今日を招いた自らの責任を反省もせず、ひたすら延命策にのみ奔走しています。果たしてこの政党に、

この緊急事態を打開しようと言う力や打開策があるのでしょうか。江戸時代末期の徳川幕府中枢に時代の混乱を収拾

するだけの力も機能も残っていなかったのと同じような気がしてならないのです。

 このように内憂外患、国の内にも外にも多くの問題を抱えつつも、打開策のないこの国の状態をどう考えれば良いの

でしょうか。


追記

 今日、NHKのハイビジョン放送でアルゼンチンの経済破綻について取り上げていました。アルゼンチンは今までにも

何度か経済的に行き詰まりながらも立て直してきました。しかし、グローバル化という中で取り組んできた経済政策が

失敗し今日を招いたようです。完全に国家破産の状態なのです。その中で中小企業の多くが倒産し国民の多くが失業

しています。電気代さえ支払えない市民は電気も止められています。最下層に位置する人達はゴミをあさってその日の

稼ぎを得ています。全ては政府が舵取りを誤った結果とグローバル化を目指した結果です。

 ブッシュ政権は国際世論の大多数が反対しているのにも関わらずイラク戦争を仕掛けようとしています。今は北朝鮮の

核開発の方が遙かに問題だと思うのですが、何故という疑問を抱かざるを得ません。このように為政者によって国民は

大きな影響を受けるのです。北朝鮮の場合も同じことが言えます。(政治家という人間の質の問題)

                                                       2003年2月21日掲載

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