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 最近コンビニエンスストアの店頭にお酒とか、タバコと書いたのぼり旗が立てられているのを目にします。

そう言えばコンビニエンスストアだけでなく、ディスカウントショップやスーパーマーケットにも酒を置くように

なりました。どうやら、酒類の販売が自由化されたようです。今までにも行政改革と称して色んな自由化が

行われてきたようですが、身近なものではなかったせいか、その変化を感じる機会がありませんでした。

 長く、酒はアルコール専売と称して、塩やタバコと同じように専売品の一つでした。専売品とは、限られた

店でしか売ることが出来なかった品物です。専売公社という政府の管轄下にある組織が、権限を持って

いました。誰でもが商売をするわけにはいかなかったのです。ほんの一部の人にだけ権益が与えられて

いました。

 しかし、専売公社は多くの公社と同じようになくなりました。そして、一般の企業と同じようになったのです。

専売公社の統制下にあった塩は、いち早く自由化になった商品です。若い人達の多くはスーパーで売って

いるのが当たり前のように思っているかも知れませんが、私達が子供の頃、塩は販売権を持っている店に

しか置いてなかったのです。

 また、酒も専売品でした。造り酒屋や酒の販売専門店、一部の八百屋でしか売っていませんでした。従って、

お酒の販売権を持っていたお店は、儲けを独り占めしていたのではないでしょうか。

 酒や塩が何故専売品になったのでしょうか。酒についてのいきさつは分かりませんが、塩についてはこんな

話を聞いた事があります。塩は人間が生きていく上で最も大切な食べ物の一つです。従って、自由競争に

任せると独占したものが価格をつり上げてしまう恐れがあります。そうすると、買うことが出来ない人が出て

くるかも知れません。そうなってしまうと生死に関わる問題です。

 これは、今のように大量に生産することが出来なかった時代の話です。その頃は、非効率的な天日を利用

した製塩法しかありませんでした。今はイオン交換膜法によって大量に生産されていますし、輸入も簡単に

出来るのではないでしょうか。

 タバコも長い間、専売公社の主力製品でした。その昔は店の数が調整されていて、たばこ屋同士の競合で

売り上げ金に偏りが出ないような配慮をしていたようです。従って、販売店になりたいと思っていても簡単には

許可されなかったようです。たばこ屋に看板娘を置いていても十分採算のとれるような売り上げがあった時代

の話です。今はお店で買うよりは自動販売機で買う機会の方が多いのではないでしょうか。看板娘を置いても

採算がとれるほど、利益の多い商売ではなくなったのかも知れません。

 さて、酒の自由化の話しに戻りますが、これほど劇的な変化は初めての事ではないでしょうか。一般の酒屋

は酒のディスカウントショップが出来て以来、売り上げが落ちてしまいました。販売価格に開きがありすぎるから

です。酒は日常生活に欠かせないものとなり、消費も増えました。それだけに消費者は新聞の折り込み広告を

見て、少しでも安い日や安い店を探しています。今までの義理や近所付き合いもありますが、やはり安い方を

選んでしまいます。こうして客離れは益々進んでいるのではないでしょうか。

 その上に今回の自由化です。ショックは更に大きくなっています。最早、先祖から受け継いできた権益はなく

なってしまいました。否応なく激しい価格競争の時代に入ってしまったようです。私達消費者にとってこんなに

うれしいことはありません。もっと価格競争が激しくなって更に安く買えることを願っています。

 こうしてみますと、自由競争がなかった時代、専売権を与えられていた店や人は多くの利益を得ていたに

違いありません。輸入酒も随分安くなりました。今更、外国旅行をしてジョニ赤やジョニ黒を土産に買ってくる

ような人はいないのではないでしょうか。

 ディスカウントショップの片隅には、今まで目にしたことのないような外国製のお酒が並び、段ボールケース

に入ったビールが山積みされています。酒好きな者としては大変うれしい変化です。 自由化万々歳です。

 そして、薬剤師のアドバイスを必要としない薬もコンビニに置かれるそうですから、こちらも買い求めやすく

なりそうです。そういえば薬屋の店先で奇妙な光景を見ました。いつから置かれていたのか知りませんが、

タバコの自動販売機が置かれているのです。意図的ではないと思いますが「タバコを吸わせて薬を売る」

そんな図式が見えるようです。かつては考えられなかった事です。

                                               2004年2月8日掲載

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