前島一泊ハイク

山頂の展望台下にて(他に二人は宿の方にいた)

 前島は牛窓港から連絡船で7分位のところにある。島は東西3.6キロ、南北0.6キロほどの小さな島で

ある。従って、島を一周するのに徒歩でも半日もあれば十分である。この島には民宿などの宿泊施設が

何軒かあり観光の島でもある。しかし、島の大半は山と畑であり、畑ではカボチャやキャベツなど季節毎

の野菜がたくさん作られている。

 「友歩会」としては久々に一泊しての歩く会だった。その対象に選んだのがこの前島だった。この日は

あいにくの曇り空で今にも一雨来そうなお天気だった。この日の宿舎は「唐琴荘」という民宿だった。

「唐琴荘」は港から歩いて5分もかからないような近い場所にあった。民宿とは言え小さな旅館ほどもある

大きな建物だった。

    

牛窓港からフェリーが何回も往復している。前島港(港と言うほどの設備は何もないが)

    

前島港に着くとこんな歌碑が建っていた。そして前島全島図。

    

我々が泊まった唐琴荘の大きな看板、そして庭の石垣を覆っていた香の良い花(ジャスミンの一種か)

 私達は宿に荷物を置いて早速歩くことにした。しかし、初めから具体的なコースがあったわけではなく、

地図をみて適当な場所を選んだ。というのも、あまり遠出をすると雨が降り出す懸念もあったからだ。

目標は島の中央にある展望台だった。地図を見ると展望台近くには大阪城築城の際、石垣用の石を

切り出した遺跡もあると書かれていた。

 歩き始めると早速キャベツ畑やジャガイモ畑が道の両側に広がっていた。牛窓の特産品であるカボチャ

は既に大小の実がたくさん着いていた。実の着き方がすごい。我々素人の畑では、とてもこんなにたくさん

着果させる事は出来ない。

    

広い畑いっぱいに広がったカボチャ畑、そして大変実付きが良いカボチャ。

    

葉をめくると一箇所に3〜4個は着いている。また、ビニールハウスの中では大きくなったスイカがあった。

    

一面のジャガイモ畑は花盛りだった。これは珍しい白い花のジャガイモ。

    

夏ダイコンが植えられており、巻き始めたキャベツ畑が広がっていた。

 やがて道は海岸に出た。一方は高い崖になっていた。道の脇には花ダイコンが咲いていた。やはり何と

なく島独自の植生があるようだ。案内板によると展望台へはこの道を行けばよいように書かれていた。

道はなだらかな坂道になった。近くの山からは鶯の声が聞こえてくる。のどかな田舎道だ。人の姿を

あまり見かけない。

 道を登りきったところに喫茶店「並樹路」があった。喫茶店の庭には色とりどりの花が咲いていた。花に

囲まれた喫茶店だった。ここらから山道となった。ここら周辺は分譲地になっていて別荘がたくさんあった。

シーズンオフなのだろうか、ほとんどの建物に人気はなくドアも閉まっているようだった。

 道の一方には海が広がっている。遠く小豆島も見えている。また、私達が歩いてきた海岸の道も見えて

いる。島半分が視野に入るような素晴らしい展望だった。きっとこれらの別荘からもこんな景色が見える

のではないだろうか。海の見える家に住みたいと思っている私としては実にうらやましい環境だった。こんな

山中にも関わらず立派な旅館があった。竜宮本城という旅館だった。庭先には見かけることの少ない白い

花のヒメウツギの花が咲いていた。

    

海岸にはハマダイコンやノイバラの花が咲いていた。

    

香りの良いトベラの花

    

坂道を登りきったところにあったお洒落な喫茶店「並樹路」、これはイボタノキだろうか。

    

小さな実をたくさん付ける山柿、そして紫が美しいキリの花。

    

ヤシャブシの実と美しいヒメウツギの花

    

前島の裏側に当たる景色、そして、すぐ隣にある小さな島。

    

前島の表側と牛窓方面、そして前島の西半分。

 やがて大阪城築城の際、石垣にする石を切り出したという石切場に着いた。こんな島の真ん中にある

高い山からどのようにして運んだのだろう。大阪城築城の際は、前島だけでなく瀬戸内海の島々から

たくさんの石が切り出され大阪まで運ばれたと聞いている。海上は船で運んだらしいのだが陸上の輸送は

どのようにしたのだろう。修羅のようなものを作り運んだのだろうか。石切場には切り出し途中と思われる

大きな岩もあった。当時としては大変な労力であったに違いない。

    

切り出されたまま放置された花崗岩。大きな石の表には、こんな記号のようなものが彫られていた。

 ここらあたりから周辺は松林になった。松林の急な坂道を登りきったところに目的地があった。高い展望台

が立っていた。まるで戦国時代を思わせるような木製の展望台だった。展望台の上からは更に大きく視界が

開けていた。小豆島や牛窓周辺など360度の景色が開けていた。展望台には双眼鏡が設置されていて、

小豆島方面にレンズを向けると観音像の後ろ姿が見えた。

 気の利いた仲間がビールとおつまみを持ってきていた。汗をかいた後のビールの味は格別だった。こうして

汗の引くのを待ってここを降りた。この頃からぽつぽつと雨が降り始めた。いよいよ本格的な雨になりそう

だった。大急ぎで山を下り宿へ引き返した。

    

この当たりでは数少ないゲンカイツツジ。右は良く見られるヤマツツジ。

木製の大きな展望台。

 宿に着いてから風呂に入り着替えを済ませると夕食が待っていた。海に近い民宿の売りは何と言っても

魚料理だった。しかし、残念ながら期待とは裏腹に平凡な旅館料理だった。期待を裏切られてみんな

がっかりしていた。以前、別の民宿に泊まった時には民宿の主人が獲ってきたという魚料理がたくさん

並んでいた。その時の事を思いだし、ついつい比較してしまったからだ。

民宿の料理

 部屋に戻って二次会となった。外はいよいよ本格的な雨になったようだった。夜に弱い私としては、すぐに

眠くなってしまい蒲団に潜り込んでしまった。夜中、のどが乾き何度か目を覚ましたが朝になったらすっきり

していた。昨晩の酔いも抜けたようだった。

 隣で寝ていたU君と6時過ぎに起き出し島を散歩することにした。雨はまだ降っていた。昨日は東側方面を

歩いたので今朝は西側を歩いてみることにした。畑は西半分の方が多いようだった。小さな島ではあるが

大きな道路が島の反対側まで続いていた。この道を歩いて島の裏側まで行き途中から西に向かって歩いた。

どこを見ても野菜畑だった。トウモロコシ畑もあった。こうして眼下に海を見ながら島を半周して宿に戻った。

    

畑のほとりに無雑作に植えられていた時計草と大きな道路を登りきったところにあったモミジ。

    

花崗岩の島には珍しい砂岩の露出した場所。右は広いトウモロコシ畑。

    

蛎殻をこんなに積み上げた畑。あまい香りを漂わせていたスイカズラ。

    

黄ショウブの群落、小さな池を覆い尽くすほど咲いていた。既に色付き始めた紫陽花の花。

小さな池の表面に浮いた水草はこんな渦を作っていた。

 宿に戻るとみんなも起き出していた。朝食を済ませ精算をして帰途についた。帰りは道の駅「黒井山

グリーンパーク」に寄り、更に「一本松展望園」に寄って帰った。気の合った仲間同士の一泊二日の楽しい

ハイキングだった。

   

一本松展望園に咲いていたブタクサと赤いテント屋根の下にとまっていた燕。

                                                 2004年7月15日掲載

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