恐竜の絶滅

 恐竜の絶滅に関してはいくつもの説があります。恐竜はある時期を境にして急激にその姿を消しています。そのことから

様々な説が論じられています。諸説の中でも主に論じられているのは急激な気候変動説です。気候変動は小惑星の衝突や

活発な火山活動による日照不足と、それに伴う寒冷化だと言われています。巨大な体を支えて行くに足る食料がなくなって

きたのか、あるいは体温を維持するに追いつかないほどの急激な気温変化であったのか、いずれにせよ、想像を超える

ような大きな気象変動があったのであろう事は想像に難くないのです。

 一説によれば恐竜は温血動物だったと言われています。かつては爬虫類と同列視され、冷血動物のように言われて

来ましたが、発掘調査が進むに連れて、どちらかというと鳥類に近縁の動物ではないかという説が有力視されるように

なってきました。近年、中国で発掘された化石などからは羽毛のようなものをまとった恐竜もいたのではないかとさえ

言われています。

 アメリカでたくさん発掘されているマイヤザウルスのように、集団でコロニーを作り営巣をしていた恐竜もいたと言われて

います。彼らは季節毎に場所を変え、渡り鳥のような生活をしていたとも言われています。移動という行動は、鳥たちだけ

の習性ではなく、アフリカ大陸では今でもヌー達のように乾期と雨期との間を移動しながら生活をしているものもいます。

その事からすれば、さして不思議な事ではないといえます。

 何か大きな変化が起きる時には、決して一つだけの原因によるものではない事は経験上良く知られている事です。

何かが引き金になった事はあるでしょうが、その背景には、いくつかの偶然が重なっているような気がしてなりません。

かつて地球上には大きな大陸が存在していたと言われています。その大陸をパンゲアと言います。大きな大陸はマグマ

の絶え間ない突き上げにより、やがて大地は裂け、いくつもの小さな大陸へと分かれていったと言われています。

 地球は地軸を中心として激しいスピードで回転をしています。いわば地球は大きなコマのようなものです。表面の大陸が

移動し、重力の位置が少しでもずれるとどうなるでしょうか。今までとは異なる回転運動となり、地軸にも変動が生じる

ことになりはしないのでしょうか。地軸がほんの少しずれるだけでも、今まで熱帯であったところは温帯となり、温帯で

あったところは寒冷地になってしまいます。

 大陸の移動と地軸のずれによる緩やかな気象変動、そこへ外から飛び込んできた小惑星、それまでの気象変化に

一挙に追い打ちをかけるような激しいショックであったに違いありません。こうして恐竜達は大きいものから順番に

息絶えていったのではないでしょうか。一部には羽毛と温血により体温を維持しながら生きながらえたものもいた

でしょう。しかし、多くの恐竜は巨大なるが故に体の表面から奪われる体温は大きかったでしょう。食料とするべき

ものも無くなってしまい、急激に死に絶えていったのではないでしょうか。

 もし惑星衝突がもっと大きな影響を及ぼすようなものであったとすれば、哺乳類や鳥類として新たなる進化の道を

歩き始めた動物達も生きてはいけなかったはずです。しかし、我々の遠い祖先達も鳥類も生き残っているからこそ、

今日の生物層が作られているのです。そう考えてみると生物を根絶してしまうというほどの劇的な変化ではなく、

むしろ時間的には穏やかな変化ではなかったのだろうかと想像しています。少なくとも恐竜の後を受け継いで爆発的な

繁栄を遂げることになる、ほ乳類達の進化に時間と余裕を与えるだけのものはあったと見るべきではないでしょうか。

                                               2002年5月19日掲載

・大陸の移動  パンゲアと言われた大きな一塊りの陸が割れていくつもの大陸に分かれていった。

・それは地球の回転運動にも大きな影響を与えたかも知れない。

・地軸の移動による気候の変化。

・その上に小惑星の衝突が拍車をかけた。

・恐竜時代をさかのぼるずっと以前からほ乳類の祖先は誕生していた。

・一部の恐竜は羽毛を持っていた?温血動物だった?巨大な体は気温の変化についていけなかった。

・絶滅に至るプロセスは決して一つではなかった。

科学新時代へ戻る

ホームへ戻る