子育てサロン プーさん

 私は昭和19年生まれです。戦後の極貧の中で幼少期を過ごしました。しかし、自然は豊で

あり決して貧しいことが苦ではありませんでした。そして、日本の戦後復興とともに成長し、

昭和38年に社会人として自立しました。

 振り返ってみれば昭和30年代は、戦後復興から高度経済成長期への突入期でした。私の

勤務先だった水島は、鉄鋼や石油化学の大コンビナートが建設途上であり、重厚長大産業と

言われた大量生産大量消費の幕開け時代でした。

 コンビナート近くの山々が削られ広大な干潟が埋められていきました。そして、コンビナートの

拡大発展は私達の所得をも押し上げていきました。家庭にはテレビが入り、電気洗濯機が

入り、電気冷蔵庫が入ってきました。更には3Cと呼ばれた自家用車、クーラー、カラーテレビ

が普及しました。

 しかし、高度成長が頂点を究めた頃、金余り現象はバブル経済へと転じていきました。物から

お金へと価値が変貌していったのです。お金でお金を売り買いするような時代になってしまい

ました。

 しかし、そのような泡沫(うたかた)の繁栄は、長くは続きませんでした。まさにあぶくが壊れる

如くバブルは崩壊していったのです。社会人になったものの就職できず就職浪人がたくさん

出たのも、この頃のことでした。

 バブル崩壊の影響は、すさまじく金融の中心であった銀行が倒産し、保険会社の経営が行き

詰まり、証券会社までもが倒産するような時代になってしまいました。莫大な国の資産が銀行

建て直しに投じられました。デフレスパイラルなどと心配されたのも、この頃のことでした。

 「もの作り」日本が、ものを作っても売れない時代になったのです。長く経済の低迷期が続き

ました。失われた10年とも言われました。この失われた10年の中で、私は会社人生の最後

の時を過ごし、やがて長い長い低迷期から明るい兆しが見え始めた頃に会社を去りました。

私たち世代は、まさに日本の戦後をそのままに生きてきたのです。

 私たち世代の多くは、企業戦士ともてはやされ人生の大半を社会や会社発展のために尽くし

てきました。私達の世代がいなかったら戦後復旧はもっと形の異なったものになったかも知れ

ません。何事にも実直で勤勉であった私たち世代は、家庭のことは妻に任せ朝早くから夜遅く

まで仕事仕事の明け暮れでした。また、単身赴任と称して長く家族と離れ離れに生活をする

ような人も少なくありませんでした。

 定年となり、やっと落ち着いた家に自分の居場所を見付けることが出来なかった人もいました。

また、定年になったとき重い病となり、この世を去った人も少なくありませんでした。また、愛する

妻がそのようになった人もいました。人生とはいったい何だったのでしょうか。家族の心は離れ

ばなれになり、家庭崩壊などと言われ始めたのも、この頃のことでした。

 こんな思いをしたからこそ私は私の子ども達の世代には、もっと心豊かに生きて欲しいと

考えるようになったのです。現代は核家族社会だと言われています。一家に三世代が住み、

親から子へ子から孫へと言う伝統は失われてしまいました。

 それは子育てにも現れています。忙しいときには家業が出来なくなった年寄りが孫や曾孫の

面倒を見ていました。子育てのノウハウは経験の多いおじいさんやおばあさんが持っていました。

だから医療が十分ではなかった時代でも安心して子供を産むことが出来、育てることが出来た

のです。むろん子育てで思い悩むと言うことは病気以外少なかったはずです。

 実は、私と同じ「健康生きがいづくりアドバイザー」をしている仲間に、子育て世代に何かを

してあげたいと考えていた人がいました。長く病院で助産師をしていた人です。お産の後、退院

しても子育てに自信が持てず、たびたび相談の電話をしてきていたそうです。また、病院サイド

の理解を得て自宅訪問をしていたこともあったようです。自宅訪問を始めるようになってから

電話相談が激減したそうです。核家族化の中での子育ての不安が自宅訪問で解消したのです。

このような過去の経験から、いつかは「子育てサロン」を開きたいと思っていたそうです。

 子育て中のお母さん達が集まって気楽に情報交換や子育ての悩みを語り合い、友達作りや

息抜きの場を提供するのが「子育てサロン」です。

 私の思いと助産師だったOさんの思いが一つになって、2008年7月から「子育てサロン 

プーさん」が始まりました。長く子育てを妻にまかせたままに、子育てをしてこなかったのが

私達の世代です。そして、幼児虐待や子育て放棄など、もっとも問題が多いのも、私達の

子供である世代です。何かが足りなかったのではないかと反省をしています。そんな反省の

意味もあって子育て中の世代に支援の手をさしのべたい。そんな思いで「子育てサロン

プーさん」を続けています。

                                    2009年8月3日掲載

子育てサロン プーさん募集要項

子育てサロンでは、赤ちゃんの健康相談や簡単工作をしたり、簡単おやつを食べたり、歌や

お遊技と楽しいことがいっぱいです。子育て中のママさんと赤ちゃんをお待ちしています。

開催日時 毎月第三金曜日 午前9時30分〜11時30分

開催場所 児島憩いの家(児島公民館駐車場横)

男女共同参画フォーラム

今年の男女共同参画フォーラムのワークショップで私たち「子育てサロン プーさん」の活動

について紹介することになりました。関心をお持ちの方々の参加をお待ちしています。

開催日時 2009年10月20日(火曜日)  午前10時〜11時30分

開催場所 倉敷芸文館  202会議室

講師 矢吹 勝利

午後14時から大ホールにて家田荘子さんの特別講演があります。

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