国技の凋落(ちょうらく)

 大相撲名古屋場所が終わり、もう次の場所が近づきました。名古屋場所は、終わってみればやはり横綱

朝青龍の優勝でした。四場所連続優勝という輝かしい成績でした。これは先の大横綱の仲間入りをした貴乃花

に並ぶ大記録です。彼は一年間六場所連続優勝という記録を作りたいと豪語しています。今の相撲界の状況

を見ると、それもあながち不可能とは思えないような状況です。また、彼はこうも言っています。彼の母国である

モンゴル出身の白鵬やグルジア出身の黒海などの名を上げて、彼らが成長し自分の前に立ちはだかるように

なって欲しい。そうなったら彼らと思い切り勝負をしてみたいと。

 この言葉を聞いたとき私は正直言ってがっかりしました。彼の口から日本人の力士の名前がまったく出て

こなかったことです。彼の前に立ちはだかる日本人力士はいないのでしょうか。日本の国技だから日本人しか

入れるなと言うつもりはありません。以前にも書きましたように、大相撲は歌舞伎と同じような一種のショー

ですから、色んな工夫をしてお客さんに喜んで貰う事が必要です。しかし、それは程度の問題であって、

これ以上、外人力士が増えて上位で活躍する力士は全部外人だと言うようになっても、それが国技と言える

のでしょうか。

 大相撲はここ何場所も不振が続いています。今回の愛知県体育館での大相撲でも満員御礼の垂れ幕の

下がった日が何日あったでしょうか。事実、千秋楽は別として他の日は後方の席はがら空き状態でした。

かつて大相撲人気に湧いた頃は連日満員御礼の状態でした。私もあれほど好きだった大相撲中継を最近

ではほとんど見なくなってしまいました。私は魁皇のファンですが、魁皇は持病の腰痛があって、ここ一番と

言うところではいつも優勝を逃しています。また、横綱昇進もままならない状態です。このまま大関で終わって

しまうような気がしてなりません。そんなこともあって最近ではほとんど大相撲中継を見なくなってしまったのです。

 さて、若貴兄弟が活躍した頃は連日のように満員御礼の垂れ幕が下がっていました。大相撲人気の凋落は

いつから始まったのでしょうか。また、何が原因なのでしょうか。何だかんだと言ってみても原因を作ったのは

相撲協会自体ではないでしょうか。原因の一つは日本人の人気力士がいないことです。特に大関や関脇と

いった上位陣に見るべき関取がいません。その遠因は大相撲人気を煽るために入れた外人力士にあります。

国技だからと言って外人を入れるなと言うつもりはありません。しかし、若貴時代のように外人力士と日本人

力士が対決するという図式にでもなっていれば良いのですが、最近のように、横綱朝青龍一人の独走体制

ではまったく面白くありません。特に、貴乃花が引退して以来、外人力士ばかりが活躍しているように見えるの

です。これ以上、大相撲を凋落させないためにも今一度、大相撲のあり方そのものを再考してみるべき時では

ないでしょうか。相撲ファンの一人として心からそう願っています。

                                                   2004年8月20日掲載

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