気象レポート2004

 8月12日の朝の気温は摂氏25度だった。それまでの熱帯夜を忘れさせるような気温であった。もう暦の上

では立秋である。そろそろ秋の気配が感じられる季節である。

 それにしても今年は異常とも言えるようなお天気続きであった。8月中に二度も台風が上陸した。一度は

東から西へ向かうという、あまり前例のないコースをたどって本州に上陸した。台風10号である。そして、

その後すぐに発生した台風は日本列島のすぐ近くで熱帯性低気圧から台風に変わった。私達の常識では、

あまり前例のない気象現象だった。台風11号である。 日本列島近海域で台風が発生するくらい周辺海域の

海水温は高いようだ。余談になるが、熱帯性低気圧が台風と呼ばれるようになるには、中心付近の最大風速

が17メートルを超えるようになった時だそうだ。

 そして、東京周辺では摂氏40度近くの気温の日が何日か続いた事である。単に異常気象と言うだけでなく

都会特有のヒートアイランド現象と言うこともあるだろう。しかし、真夏日が8月13日現在でも続いている事を

考えれば、単に都会だからという現象ではないようだ。また、各地で落雷が相次いでいる。雷の発生は季節の

変わり目には多いのだが、真夏にしかも日本各地で同じ時期に多発したというのも珍しい事ではないだろうか。

 そして、どうしても書いておかなければならないのは、各地で発生した集中豪雨とそれに伴う洪水の被害で

あった。毎年のように梅雨明け近くには集中豪雨禍が良くある。今までにも何度かこの種の集中豪雨で被害が

起きている。しかし今回の場合、パターンが少し異なっていたようだ。当初、新潟県や福島県で始まった集中

豪雨は少し南下し福井県に移った。一カ所に何日も前線が停滞し続けたことによる大雨だった。その後、台風

10号の影響もあって、今度は徳島県や紀伊半島で集中豪雨が始まった。これらは、いずれも各地に大きな

洪水の被害をもたらした。その後も激しい落雷と共に局所的な集中豪雨があり何度も大雨洪水警報が発せ

られている。いずれも太平洋高気圧の位置が例年よりほんの少し偏ったことによるものだ。たった、それだけ

のことでこんなに大きな被害が発生するのである。

 今年は日本だけでなくアジア各国でも大きな洪水が発生している。また、この記事を書いているときには

中国で台風上陸による被害が発生しているし、アメリカではかつて経験したこともないような大型のハリケーン

がフロリダ半島周辺を襲っている。どうやら異常気象というのは今年だけのものではなくなってきたようだ。

地球温暖化がすべての原因だとは言えないまでも、昨年のフランスやスペインでの夏場の異常高温や一昨年

のチェコなど東欧でおきた大洪水など、世界各国で異常気象が続発している。

 これからも、こんな異常気象が当たり前になっていくのではないだろうか。気象は大きな揺れと小さな揺れが

ある。小さな揺れは、私達が子供の頃に感じていた年ごとの変化であった。しかし大きな揺れは、平穏な年も

あれば今年のような大荒れの年もあり得る訳で油断は出来ない。従って、これからはこのような大揺れが

年ごとに繰り返されることを覚悟しなければならない。そんな気がしてならないのである。気象の専門家では

ないので、あくまで客観的に見た推測である。

 今も洋上遙か沖合で二つもの大型台風がこちらを伺っている。今後、予断を許さない状況にある。また、

インド大陸周辺には豪雨を予想させるような厚い雲が押し寄せている。私達はいよいよ後に引き返すことの

出来ない時代へ突入してしまったようである。

追記

 今年は今までに南アジア五カ国で2300万人という大勢の人が洪水の被害に遭ったそうです。被害国は

インドの他、ネパール、バングラデシュ、アフガニスタン、ブータンなどの国々です。

 これら多くの異常気象は、炭酸ガス等の温室効果ガスによる地球温暖化が原因と言われています。しかし、

様々な形で現れる気象現象との因果関係はなかなか掴めません。また、一方では地球規模の大きな変動期

だと言う人もいます。しかし、炭酸ガスなど温室効果ガスは年を追う毎に増えているようですから、遅ればせ

ながら何とかしなくては取り返しのつかない事になってしまいそうです。

 東京では摂氏40度に近い異常高温を記録しました。かつて経験したことのない異常高温です。人間の平均

体温が摂氏36度位ですから体温をはるかに超える気温です。こんな状況の中ではクーラーに頼らざるを得ま

せん。しかし、クーラーを使うことは、結果的に炭酸ガスを増やすことになります。こん日、私達はこのような

悪循環の中で生活しています。しかし、一時的にせよクーラーの恩恵を受けられる人は良いとしても、異常気象

のために洪水など大きな被害を受けている人達がたくさんいることを考えると複雑な気持ちにさせられます。

 先日公開された、ザ・デイ・アフター・ツモローというアメリカ映画のような時代が突然来ないと誰が断言できる

でしょうか。そんな事にならないためにも、自分たちで出来ることは何かないのか真剣に考えてみたいものです。

                                                 2004年8月21日掲載

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