カメムシ被害にご用心

 私の手元にこんな新聞記事があります。今年は西日本地方を中心にカメムシの発生が多く被害の拡大が懸念される

との記事です。農業に関心のない人の場合は、家の中に入ってきていやな思いをしたとか、洗濯物や布団を干しておい

たら付いてきたとか、あの独特のあお臭い匂いを嫌っての印象が強いと思います。しかし、私達のように農業、特に果樹

作りをしているものにとっては、最大の害虫だと言っても良いのではないでしょうか。

 カメムシは果樹の汁を吸います。桃が幼果の時に被害にあいますと、その部分が萎縮してしまいます。ひどいときには

成長が止まり落ちてしまいます。ナシの場合は被害部分が固く縮んでしまい形も肉質もダメになってしまいます。このように

色んな被害事例があり、薬剤散布もあまり効果がありません。最近では大きなネットを畑全体に覆っているのを見かけます

が、これが一番良い方法のようです。

 新聞記事によりますと、昨年、幼虫の餌となる杉や檜の実が豊作で、その上、越冬する成虫が多かった事が原因だ

そうです。そう言えばもう何年も前から真冬でもビルの中には蚊がいると言います。家屋の密閉性が良くなり、その上、

暖房が効いているので屋内に潜り込んで越冬する虫も結構多いようです。ここ数年、温暖化のせいでしょうか、比較的

冬も暖かく、これら昆虫たちにとっては、この上なく住みやすい環境に変化しているのではないでしょうか。

 とにかく大変な状態になってきました。私が果樹作りを始めた30数年前に比較すると、自然環境は確実に変化して

きたように感じています。このまま害虫が冬越しし増え続けるような事になりますと、私達のように趣味でやってきたものに

とっては、果樹作りをあきらめなくてはならないのではないかと懸念しています。

 いま農林水産省では近畿、四国、九州の全府県と岡山県をのぞく中国地方の各県に対し、注意を呼びかけている

そうです。そういえば、この秋にはヨトウムシの大発生も懸念されているそうです。害虫の発生は自然のメカニズムと

密接に関連しています。従って、何かが狂い始めると異常現象として色んな事が起きてきます。

 日本が温暖化現象の中で熱帯や亜熱帯のようになるかも知れないと真剣に論議されています。こうなりますと

マラリア蚊の発生なども懸念されるようになり、果樹の被害などとな言ってはおられないような状態になってしまう

のではないでしょうか。

                                                  2002年9月8日掲載

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