秋から冬にかけての代表的な果樹と言えばなんといっても柿でしょう。晩秋の晴れ渡った青空を

バックに朱色に色づいた柿の実は、一句ひねるに足る景色です。

 昨年(1998年)、明日香路を旅した際、いく先々で見た風景、実をたわわに付けた柿の木は山の

斜面を埋め尽くすほどでした。そして、その景色は日本の秋の原風景を見るような感じでした。

もぎたての実を農家のおばさん達が道の端で売っているのです。丹誠込めた見事な富有柿です。

 「桃栗三年、柿八年」と言われ、柿は実を結ぶまで長い年月を要する代表果樹のように言われて

いますが、最近の苗は接ぎ木をしており、比較的早くから実を付けます。小さな木でも3年目頃から

実を付けさせる事が出来ます。

 柿は北海道を除く日本全域で栽培が可能だと聞いています。日本の気候風土に適した果物なの

でしょう。

富有柿の花と青い実  1999年撮影

 それだけに種類も大変多く、甘柿、渋柿の大きな区分けがあり、甘柿の中には代表的な富有柿、

次郎柿等があります。渋柿では熟柿となる西条柿等があります。 私の家では富有柿が2本、

西条柿が2本、吊し柿にする渋柿(愛宕柿)が1本あります。

 柿の病虫害で一番被害の大きいのはへタムシの被害ではないでしょうか。へタムシは6月頃と

9月頃に発生します。年によって時期は多少異なることがありますので、実が落ち始めたり、実が

黄色く変化しているようであれば、早めに消毒をして下さい。スミチオンで十分です。但し、柿は

多産系の果樹ですので、実が付きすぎている時はへタムシに間引いて貰う方が良いかもしれません。

ともあれ、早めに防除して下さい。

 昔は柿の木にびっしりとカイガラ虫が付いていることを目にしましたが、最近はあまり見かけない

ようです。柿にとって怖いのはカイガラ虫の被害です。木の枝に白いものを見つけたら早めに防除

して下さい。カルホス乳剤などが良いでしょう。一番良いのは冬にマシン油乳剤や石灰硫黄合剤の

散布です。

 その他、イラガの幼虫が葉を蚕食します。この蛾の幼虫は要注意です。(本当に注意して下さい) 

この幼虫にさわると痛みにも似たかゆみを感じ、数日間は確実に赤くはれて治りません。特に皮膚

の弱い人、女の人や子供さんは特に注意が必要です。見つけたら絶対に手で触らずにスミチオン

乳剤などで早めに殺虫して下さい。

 暑い暑いと言っている内に夏が過ぎ、柿の色付く季節となります。我が家では富有柿、西条柿と

収穫し、最後は愛宕柿を収穫して吊し柿にするのが年中行事になっています。吊し柿は正月用に

間に合うように準備します。しかし最近は甘いお菓子がいっぱいですから、せっかく作った吊し柿も

鳥の餌になったりしています。

 柿の葉にはビタミンCが豊富に含まれているとかで、柿の葉茶として飲まれているとも聞きますが、

私はまだ試したことはありません。関心のある方は試して見てはいかがでしょうか。柿の若葉

良いそうです。

 柿は皮を丁寧にむいて食べるのも良いのですが、私はもぎたてを、そのままがぶりとやるのが

好きです。秋晴れの空を見上げて、畑での収穫を楽しみながらがぶりとやる、何か想像するだに

楽しくありませんか。

 一昨年は山の畑の富有柿は、収穫を直前にしてカラスの大集団にあっという間にやられてしまい

ました。今日収穫しようかと思っていた、まさに、その日の事でした。カラスは食べ頃を良く知って

いるのです。今年はタッチの差で私の気付くのが早く、集団を追い立てるようにして、家内の手を

借りネットを張りました。何度も何度もネットを張る作業を横目で見ながら、うらやましそうに上空を

旋回していましたが、ネットの張り終えるのを確認したら、どこかへ飛んでいきました。全く悪賢い

カラス達です。この集団、児島中を渡り歩いているようですが、どこで感知するのでしょうか。全く

不思議という他はありません。カラスの行動に関しては、それだけで簡単な記事が書けるほどの

関心を持っていますので、機会があれば書いてみたいと思っています。

 カラスと柿、何となく似合う取り合わせのようにも思うのですが、どうでしょうか。

                                       2009年8月5日追記修正

一段と色付きも良くなった富有柿  1999.10.28

         

 

      収穫期を迎えた富有柿(薄く緑に見えるのはカラス予防のネット)1999.11           


柿の害虫:カイガラ虫(木の汁を吸う)、へタムシ(実を落とす)、いらがの幼虫(葉を食べる)

柿の病気:特になし

害虫に対しては文章中に書いたような防除をして下さい。

カラスの被害:少しの被害なら許してやりましょう。被害がひどいときはネットが一番良いでしょう。

農作業:冬場の剪定(専門書を参考にして下さい。)

      寒肥(石灰、油粕、発酵鶏糞など有機肥料)、追肥(配合肥料等)

なしとリンゴのページへ行く

果樹作りのページへ戻る

ホームへ戻る