科学夢二題

火星に有人飛行の時代が

 新年早々、明るい未来を予感させるような話題が二つ、紙面や画面を賑わせました。一つは、アメリカが

打ち上げた火星の探査衛星が、見事に火星上の目的の地に着陸したというニュースです。もう一つは日本

での電磁波をとどめる立方体という夢のような物体の発明についてです。

 私達が子供の頃には、火星には火星人が住んでいるという話を本気で信じていました。それというのも

地球から眺める火星上には、運河のように見える黒い筋が何本も観測されたからです。火星は地球に

比べて小さく、その分、重力が少ないため想像上の火星人は、蛸のような足を持ち、文明の進化によって

頭でっかちのクラゲのような形をした生物に描かれていました。

 しかし、観測技術が進歩するに連れて、次第に、高等な生物が住めるような環境ではないことが明らかに

なってきました。それでも生物がいるのではないかという夢は捨て切れませんでした。地表には観測されない

水も地下にはあるのではないか。水さえあれば、酸素等を必要としない微生物や細菌がいるのではないか等、

色んな事が考えられるからです。

 今回の火星探査の目的は生命の痕跡を調べるためだと言われています。従って、探査機が着陸した場所も、

かつては水が溜まっていた場所ではないかと言われています。

 1月7日には、火星探査車スピリットからカラー写真を送ってきました。その写真には赤茶けた平坦な地面

が写っていました。また、表面の土が粘土のように見えるとも報じられていました。もし、本当に粘土であれば、

その場所には、かつて水があったのではないかという推測も出来ます。今回は土を採取して、徹底的に生物

調査を行うとの事ですから、新しい発見が非常に楽しみです。

アメリカは、今回の火星探査車スピリットが6年半ぶりに成功した事から、いずれは火星に有人飛行をという

計画を1月15日に発表しました。また、月面に恒久的な基地を設置するという構想も持っているようです。

これらが実現すれば1972年のアポロ17号以来、長く途絶えていた人間による宇宙探査の時代が再びやって

来るかも知れません。

夢の物体誕生

 さて、次の話題は今世紀の大発明になるかも知れないというニュースです。1月7日付けの朝日新聞朝刊

のトップを飾ったニュースです。今回の発明は大阪大学や信州大学、物質・材料研究機構の研究グループ

らによる快挙です。

 そもそも、光りや電波と言った電磁波は一ヶ所に閉じこめておくことは不可能でした。また、電磁波は波でも

あり光子という素粒子の集まりでもあると言われています。今回、発明された物は、この電磁波を閉じこめて

おくことが出来るというものです。

 それは、細部の構造と全体の構造が相似形のフラクタル構造をもった物であり、大小の穴は正方形をして

います。この物体に電磁波を照射すると電磁波は反射も透過しないで、中心の空洞にたまり続けたと言うの

です。その時間は一千万分の一秒という非常に短い時間ですが、現在のスーパーコンピューターなら数万回

計算できるほどの時間だそうです。従って、データを保持するには十分な時間だとも言われています。

 これは酸化チタン系の微粒子を混ぜたエポキシ樹脂で作ったもので、フォトニックフラクタルと名付けられて

います。今後、更に改良が進めば昼間蓄えた光を夜に放出させる電池ならぬ「光池」や電池不要の携帯電話等、

広範囲の技術革新に発展すると言われています。各国が競い合って研究している分野であり、世界に先駆けて

発表に至った事は、日本の研究者グループの快挙ではないでしょうか。

(他のサイトから、イメージ図を借用しましたので参考にして下さい。下の図がフォトニックフラクタルです。)

                                               2004年1月16日掲載

kagakumein.html

科学新時代のページへ戻る

ホームへ戻る