意見広告「ジェネリック医薬品」

 去る7月22日付の朝日新聞にユニークな表現で書かれた意見広告がありました。曰く「小泉総理、日本に効くいい

クスリがあります。」と言うものです。意見広告を出したのは「日本ジェネリック医薬品研究会」という団体です。ジェネリック

医薬品というのはお医者さんで貰うもう一つの薬で、効き目が同じでありながら薬価は半分という薬の事です。新薬の

特許期間が満了し、有効性と安全性が確かめられた後に発売される後発医薬品の事です。と添え書きがありました。

 そう言えば私が使っている農薬にも同じ事が言えます。たとえばスミチオンという農薬ですが、園芸愛好家の間では

広く使われています。こんなに普及したのは価格が安くなり、手軽に買うことが出来るようになったからです。特許が

切れるまでは高い農薬でした。このように特許が切れると従来価格とは比較にならないぐらいに安くなります。安くなれば

みんなが使うようになり、大量生産が行われます。大量生産になれば価格は更に安くなります。と言うわけで、店頭では

安売り商品の目玉となったりするのです。

 話は変わりますが、中国からの輸入品であるやせ薬が肝臓障害を引き起こすとして大問題になっています。健康食品

にせよ、お薬にせよ、人間の健康と命を守るためのものです。その健康食品やお薬が逆に健康を損ねるようになったの

では、何のための健康食品やお薬なのか分かりません。

 すでに何名かの方は亡くなられ、肝臓障害に懸かった人もたくさん出ています。食品や薬は安全性が第一です。昔から

薬と毒は紙一重と言われてきました。良く効く薬というのは、それなりに副作用も大きいと言うことです。製薬会社は儲けの

ためには新しい薬をどんどん開発し市場に出してきます。ある程度の安全性は確かめられているのでしょうが、結局は

人間で試してみなければ、本当に安全かどうかは分かりません。そのため医薬品メーカーは大学病院など多くの患者を

かかえている大病院に売り込みに行きます。そこで度々問題になっているような医者と医薬品会社の癒着に繋がっていく

のです。こうなると患者の安全や治療は二の次となってしまいます。

 意見広告にもありますように有効性も安全性も確認されて、なおかつ価格が安い医薬品を何故もっと使おうとはしない

のでしょうか。大いに疑問を感じるところです。その上、薬価が高いと言うことは健康保険の財政難という大きな問題にも

連動しています。外国ではジェネリック薬品が全体に占める割合が50パーセントを超えていると言います。それだけ

財政への圧迫は緩和されているのです。一方では健康保険料を上げると言いながら一方では、まるでザルで水を掬う

ように高い薬を使うことを許していたのではいつまでたっても赤字は消えそうにありません。

 かつて70歳以上の老人医療費が無料であった頃、飲みもしない薬を何週間分も出していて大きな問題となったことが

あります。これも健康保険の財政を圧迫する原因になっていました。医者ももっとモラルを高くして医療制度を守らなけ

れば、自らの足下を崩すことになりはしないのでしょうか。

 ともかく高齢化社会を目前にして国民の命と健康を守るための医療制度のあり方を国民みんなが真剣に考えて

いかなければならない問題だと思います。

                                                     2002年7月31日掲載

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