地震雲

 先日、二度も続けて不思議な雲を見た。いわゆる地震雲というものではないかと思い、デジカメで写して

おいた。それから一日ぐらい間を置いて、播磨灘を震源地とする地震があった。12月13日の土曜日だった。

一階に居ても感じるような地震だったから、ほんの少しの揺れでも感じる二階だったら、もっと大きな揺れ

だったに違いない。岡山県では震度2〜3くらいだったようだ。

 この日は近所のお年寄りが亡くなられたので、葬式の受付係で出かける日だった。私の留守中に会社

から電話があった。当日の日直のM氏からのものだった。地震についての連絡だった。もっと大きな揺れ

だったら、こちらから電話をしていたかも知れないが、速報を見ると岡山県南部は震度3だった。まあ、これ

くらいなら被害はないだろうと判断し、こちらからは電話をしなかった。

 ところで地震雲は本当にあるのだろうか。昔から地震が発生する数日前には、いろんな現象が観測されて

いるようだ。これらは宏観現象と言われている。明治の頃の事だが椋平広吉さんと言う民間人が、地震前には

虹が出ると言い始めた。いわゆる椋平虹と言われるものである。一時は学者をも巻き込むような論争になった

そうだ。椋平虹なるものが、どのようなものか良くは分からないが、こういった自然現象が発生する事に着目

した意義は大きい。

 最近では近代的な観測器具を使って色んな現象が明らかになりつつある。岡山理科大学が観測している

空中のイオン濃度や八ヶ岳南麓天文台でのVHF電波の反射による観測等である。地震は決して地球内部

や地表近くだけの現象にはとどまらないようだ。地表や地中に大きな異変があれば、その上空にも何らかの

変化が起きるのではないだろうか。

 また、ナマズに代表される生き物達にも、何かを感じる能力があるようだ。大地震前にはネズミが一斉に

逃げ出したとか、犬が何かにおびえるように鳴いたとか、身近な動物達は敏感に何かを感じているようだ。

 今回の雲がいわゆる地震雲であったのかどうか確信はない。私自身も初めての目撃例だからだ。こんな

経験が度重なるようになれば、少しは確信を持って地震雲だという事が出来るようになるのだが。先の阪神

大震災の数日前にも異様な形の雲が観測されていた。

 今回も筋状の雲の他に、渦を巻いたような雲が見られた。但し、一回目の観測方向と二回目の観測方向は、

まったく異なっていた。一回目の方は昼間に見たものだが、やや東の方角から北の空に筋状の雲が重なる

ように数本見られた。二回目は会社の帰りがけに見かけ、大急ぎで家に帰り撮影した。この時は西側の空の

真っ赤な夕焼けの中に見られた。初めは筋状の雲だけであったが、その内、筋状の雲を分断するように渦巻き

状の雲が見られた。渦巻き状の雲が突然現れたのか、光の加減で見え始めたのかは定かでない。地震雲の

真偽のほどはともかく、不思議な体験だったので書き残しておく事にした。

                                             2003年12月23日掲載

   

最初に撮影した地震雲と思われる筋状の雲、ジェット雲にも見えるが切れ切れになっており、何か異なる感じだった。

   

二度目に撮影したもの、夕方の空に筋状の雲があり、異常なまでに赤い空だった。

   

左の写真の丸囲いの部分にうず状の雲があった。右の写真を見て貰うともっとはっきりしている。


 明けて2004年1月6日、大規模地震の発生が懸念されている東南海地震の発生地域とされる志摩半島南

約10キロ沖合の熊野灘で、マグニチュード5.2と推定される地震が発生した。発生は午後2時20分頃だった。

中部地方から四国、中国地方等、広い範囲で地震があり、三重県の紀伊長島町や奈良県吉野町等では

震度4を観測した。

 実は、地震発生の前日、地震雲らしきものが上空に観測されている。今回はデジカメを持たなかったので

撮影は出来なかった。また、前回同様、これが地震雲だという確信はない。しかし、地震雲らしきものを観測し、

その翌日の事であり、ここに書き留めておきたい。

科学新時代のページへ戻る

ホームへ戻る