一年をふり返って

 早いもので退職後一年と数ヶ月が過ぎてしまった。昨年の退職後は実に慌ただしい毎日だった。

退職後の諸手続きだけなら大したことはなかったのだが、退職後、暇をもてあましてもいけない

と思い公民館やライフパークの講座をたくさん申し込んでいたからだ。その上、思いがけないこ

とからピースボートによる地球一周の旅に出ることになり、出発の十月二十一日まで何となく落

ち着かない日々を送ってきた。

 そして、三ヶ月間に及ぶ地球一周の旅行、帰ってきたら真冬だった。それからハッサクなどの

果樹の収穫、旅行で知り合った仲間がこちらへ来るというので迎えるための準備、こちらからも

上京と、実に慌ただしい日々の連続だった。こんな事があって何とか落ち着いたのは今年の五

月以降だった。昨年の五月十五日が退職日だったので丁度一年が過ぎていた。

 退職前には民間委託となる瀬戸大橋記念館の館長をしてみないかという話があった。退職後

の事などまったく考えていなかったので、二、三年位ならやってみても良いなと思っていた。しか

し、そう簡単にはいかなかった。民間委託という話の背景には児島商工会議所が引き受けると

いう内々の話が進んでいたようだ。結局、私達のグループは当て馬のような形になって、この話

は消えてしまった。

 しかし、館長になっていたら地球一周の旅行などは出来なかったわけで、ならなくて良かった

のかも知れない。責任者として拘束される上、勤務時間は長く、その上、委託費は少なかった

ので労働条件としては良い話ではなかった。単なる名誉職のような仕事だった。その後、二、三

の話はあったが、旅行のことがあったので全ては帰ってからと保留にしておいた。

 やっと、落ち着いて畑仕事や退職前に考えていた事が始められたのは四月以降だった。家内

はこの頃から小学校に勤め始めていた。昼間は私一人だった。従って、心おきなく自分のやり

たいことが出来る体制が整っていた。

 まず、畑仕事の方だが夏野菜の主役であるトマト等なす科の作物の連作障害を避けて栽培

すること。そのためには少しでも畑の面積を広げること。昨年の台風の後始末として倒れたレ

モンの木の再生、そして、倒れたキウイフルーツの棚の修理、折れたスモモの枝の除去、果樹

の病害虫防除等々があった。

 ところが連日の畑仕事が意外にきつく、体中あちこちと痛いところが続出した。一時は寝返り

すら苦痛の時もあった。そんなわけで半日畑にいるのがやっとというような状態だった。このま

まではいずれ近い将来、畑仕事が出来なくなるのでは等と、ずいぶん悲観的に考えていた。と

ころが続けている内に、何となく体の痛いところが少なくなってきた。どうやらこの頃から体の方

が慣れてきたようだ。

 我々のような年齢になっても慣れると言うことはあるようだ。今でも時々部分的に痛いところは

あるが我慢できないことではない。こうして半日仕事が一日中やっても明くる日は回復している

ようになってきた。しかし、今は真夏なので熱中症の事を考え外の仕事は午前中だけにしてい

る。午前中とは連日三十度を超えるような気温の中では、上も下も汗びっしょりだ。この汗をか

くことが体には良いのかも知れない。今のところ体調はいたって良い。何よりもストレスを感じる

ことが全くないというのは人間にとって一番良いことかも知れない。雑草を刈っているときなどは

無心になっている。

 その代わり昼食後は疲れてぐったりしている。ほんの少しだが昼寝をするのが日課になって

いる。そんなわけで一気に片付けてしまおうと思っていた旅行写真の整理が未だ手付かずの

ままになっている。

 今までに果樹畑の方は台風の後始末がすべて終わり、花木を植えていたところは大きな木を

抜いて野菜畑に変えてしまった。また、果実の間引きや収穫のためにハッサクや柿木の下に

足場を作った。また、使い古しの肥料などを雑然と押し込んでいた物置の整理をした。また、夏

になると雑草や笹に覆われていた果樹畑だが、出来るだけ大きくなる前に刈り取っている。今

年初めて二本ともハッサクの木は本格的な摘果を行った。大きな実を作るのが目的だ。その他

の果樹も適宜摘果を行っている。

 枇杷やモモは大収穫だった。来年は数を減らしてもっと大きな実を収穫したいと思っている。

今はリンゴの津軽やナシの収穫期が近づいている。なしも近年になく大きな実がたくさん出来

ている。

 また、長い間荒れ放題だった車庫兼物置小屋の整理を行った。ずっと以前に買っておいた

棚を組み立て設置した。そして不要品は捨ててしまい、必要品はプラスチックの箱や発泡スチ

ロールの箱に入れ、ネームプレートを貼って中に入れているものが外からでも分かるようにした。

こうして、あちらこちら探さなくても必要なものがすぐ取り出せるようにした。

 その他、花の棚を塗装しなおして使えるようにしたり、鉢植えの植え替えをしたり、庭の整備を

行ってきた。その結果、見間違うほど庭全体がきれいになった。家の中では風呂場の塗装を行

った。また、押入の不要品を廃棄して整理を続けている。出来るだけ早い時期に終わるつもり

だ。

   

果樹畑では不要な花木を抜いて野菜畑にしたり、竹の根浸入防止の波板を修理してきた。

また、上の写真のように鉄パイプを使ってキウイの棚の修理を行いのり面での作業がし易いように足場を作った。

   

物置は不要品の廃棄や棚を組み立てて物の出し入れが簡単になるようにした。

庭木の剪定も業者任せではなく自分で出来ることは自分でするようにした。

松の剪定も昨年から自分の手でしている。

 昨年は落ち着かない一年だったので、今年の上半期は精力的にやってきた。それでも日々の

仕事がなくなってしまうと言うような事はない。仕事というものは次々とあるものだ。特に春から

夏にかけては野菜や果樹を作っているので家を空けることすらままならない。家内は適宜旅行

などを楽しんでいるが私は春以降どこにも行っていない。

 そんな状況だが、今後は粘土細工や木工などもやりたいと思っている。時間さえあれば、あれ

もやりたい、これもやりたいと取捨選択に迷っている。

                                   2005年8月15日掲載

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