あわただしく過ぎて行く時間、喧噪さ、人と人との軋轢、将来の不安、荒んだ心、現代人は様々な

苦しみや悩みを持ちながら生活をしています。老人の孤独死、子供に対しての虐待、切れる若者達

依然として絶えることのないいじめ、多くの社会現象は現代社会の末期的な症状を呈しています。

思い悩んですがった宗教は儲け主義本意のまやかしの宗教であったり、オカルト的な宗教で

マインドコントロール等といった犯罪集団を作り上げるようなものであったりと、何を信じて生きて

行けば良いのかと思い悩むような状態です。

 こんな世の中にあって、人生の道しるべともなるような一冊の本が出版されました。

執筆者は宗教家でもなければ、オカルト者でもありません。ついこの間まで私達と同じように

会社に勤め、一労働者として働いていた人です。執筆者自身もまた悩める人でした。子供の頃から

自分はどうしてこの世の中に生まれてきたのだろうとか、自分とはいったいなんだろう。自分は

どこから来てどこへ行こうとしているのだろう。等といった素朴な疑問を持ち続けていました。

そんな疑問が大きくなるに連れて、益々膨らんできたと言っています。社会人になっても

その疑問はなくなりませんでした。それこそ色んな宗教の本も読んだそうです。 何千冊という

本を片っ端から読んで彼なりに得た結論は人間自らが神であり、人はみんな同じように神に

なりうる存在だという結論でした。

 彼は私のいとこに当たる人です。生まれた年も同じ昭和十九年です。

子供の頃から夏休みには仲良く遊んだ仲でした。高校を卒業した頃までは手紙のやりとりも

していました。お互いに結婚し、長く音信は不通になっていました。ふとしたことで、彼に手紙を

出したのがきっかけとなり再び交流が始まりました。つい最近の事です。その際、彼から返事を貰い、

その手紙に書かれていたことが、あまりにも私自身が考えてきたことや、今も考えていることに

似通っていることに大変驚きました。生まれも育ちも違うものがここまで似るものなのでしょうか。

 その時、彼が今書きためた自分の考え方を出版社に送り、その内の一社から出版を引き受ける

という返事を貰ったという事でした。ゲラ刷りの段階でその内容を読ませて貰いました。

読む人によっては荒唐無稽とも思われるようなところがあるかも知れません。しかし、真理は

間違いのないものであると確信できます。誰彼と不特定多数の神を頼るのではなく、自らの

神性に目覚めなさいと言うところには十分な説得力があります。多くの現代人が他に責任を

転嫁して自らを改めようとしないところに、多くの問題があるように思います。あるいは、

病は気からと言われているように、多くのストレスにさいなまれ、自らも自らを病に落とせしめて

いるようなところも多々見受けられます。

 確信の持てない現代社会にあって、何かをつかみたい、自分自身が何であるかを知りたいと

思っておられる方に、是非、ご一読をお勧めするものです。

                                           2000年12月30日掲載


「人は幸福で当たり前」  千原 忠著  文芸社

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