自衛隊イラク派遣

 先の新聞報道で自衛隊のイラク派遣に賛成する人が増えたとありました。これは何を意味しているので

しょうか。考え過ぎかも分かりませんが、戦前の国家総動員令の悪夢をかいま見るような気がします。

 読者の声として新聞には派遣には賛成しないが、みんな無事に帰って欲しいといった投稿もありました。

派遣される自衛隊員の家族は、国民に指示されずに戦地に行く主人がかわいそうだとも言っていました。

どちらも理解の出来る言葉です。恐らく、多くの国民が同じような気持なのではないでしょうか。自衛隊員を、

こんな状態に追い込んだのは誰でしょうか。それは無理矢理戦争を仕掛けたアメリカやイギリス政府であり、

その後押しをした日本政府です。そもそも自衛隊に与えられた任務は日本の国土防衛であったはずです。

憲法には自衛隊を持つ事すら否定しています。その自衛隊が如何に人道支援とは言え戦地に赴くのです。

隊員の家族のみならず、国民の多くが割り切れない思いでいるのではないでしょうか。今回の調査で派遣

支持派が増えたとは言っても、心から賛成している人が何人居るでしょうか。

 イラクに戦争を仕掛けたのはアメリカとイギリスです。その理由は繰り返し報道されているように、イラクに

大量破壊兵器や生物化学兵器を隠し持っているというものでした。しかし、アメリカ中央情報局特別顧問の

デビッド・ケイ氏は、「イラクには生物・化学兵器の大量備蓄はなかった」と証言しています。国連調査団の

ブリクス委員長も同様の事を述べています。

 フセイン元大統領が逮捕され、イラク国民の多くが胸をなで下ろしているのは事実だと思います。しかし、

そのためにはイラク国民の多くが犠牲になりました。何も知らない子供達がたくさん殺されていきました。

当のアメリカやイギリス兵だって犠牲になりました。未だ安心して住めるような国にはなっていないのです。

それどころか混乱はさらに広がっているのが実情です。

 先のアフガニスタンの戦争ではタリバン政権を追い払って自由をもたらしたと言っていますが、その後

アメリカは何をしたのでしょうか。金になるものが何もないアフガニスタンは、未だ荒れたままの状態だと

言います。多くの国民が家族を失い、その日食べるものにも事欠くような状態だと言われています。大人達

は現実の苦しさから逃避するために、タリバン政権時代には禁じられていたケシの栽培を行い、麻薬に

逃避していると言います。こんな荒んだ国にしておいて、これが正義だと言えるのでしょうか。

 アメリカはアフガニスタンでもイラクでも相手を倒すためには手段を選びませんでした。過去に何度も使用

禁止が叫ばれていた劣化ウラン弾を大量に使ったのです。劣化ウランの半減期は45億年とも言われてい

ます。地球の年齢にも相当するようなとてつもなく長い半減期なのです。劣化ウラン弾は炸裂した時、大量

のチリとなってばらまかれました。それらは少なからず人間の体の中に入っています。先の湾岸戦争の際、

ばらまかれた劣化ウラン弾のチリは、地域住民に深刻な被害を及ぼし続けていると言います。これから先、

どんな病気が生ずるのか大変心配な状態です。

 こんな国に人道的支援と言いながら自衛隊員を派遣して本当に大丈夫なのでしょうか。戦争を始めた人も、

派遣を決めた人も、結局は自分の地位を守るために多くの人を犠牲にしようとしているのです。この事実を

直視せずして人道支援だと言えるのでしょうか。私には、とても賛成する気にはなれません。あなたは自分

の息子を派遣する事が出来ますか。もっと、声を大にして派遣反対を主張すべきではないでしょうか。たとえ

そのため卑怯者呼ばわりされても良いではありませんか。フランスやドイツをはじめ多くの国が未だ派遣は

していません。派遣しているのは、ごくわずかなアメリカやイギリスに追随する国だけなのです。

 本当にイラクの復興を援助しようと言うのならば、カンボジアの時のように国連として行動すべきではないで

しょうか。

                                               2004年2月6日掲載

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