今、中国では急速な勢いでインターネットが普及しているようだ。そして必要なアイテムで

あるソフトウエアの開発とハードウエアの会社が急成長している聞いている。黒煙をまき散ら

して走る旧式のトラックには、パソコンが満載されて地方都市へと運ばれて行く様子は、高度

経済成長前の日本にパソコンが普及していくような奇妙な景観に見える。

 私がパソコンを購入したのが1996年であった。その頃はWIN95が発売されたばかりで、

パソコン人口は大変少なかった。ましてやインターネット等と言っても、ポルノサイトと個人が

趣味で作ったホームページがあった位だった。そして、企業のホームページなどは、まだまだ

ごく一部でしかなかった。パソコンは買ってもインターネットに接続している人も全体から見ると

ほんの一部と言っても良いような状況だった。電話回線を使ってのデータのダウンロードには

非常な時間を要し、情報を伝達する手段としては大変心許ないものであった。

 その後、ISDNなる通信手段が一般の電話回線に取って代わったが、情報量の増えるスピード

の方が遥かに早く、情報量の多さに追いついてゆけないような状態であった。現在、通信手段

は多種多様に変化しつつある。有線放送が有線を使ってのサービスを開始し、電力会社も

自社の通信網の活用を考えている。一般家庭への電気配線の活用さえも考えられている。

 しかし、その進み具合はIT産業を経済活性化の起爆剤にと言う割には、遅々として進んで

いないように感じられる。中国では大々的に光通信網の普及を目指している。将来を見越して

未だパソコンの普及していない家庭や地方都市にまで光通信網を張り巡らし、来るべき将来の

インターネット時代に備えているという。中国はインターネットの普及に欠かせないパソコンの

製造と、それに必要なOSの開発にも国家的な見地から取り組んでいる。それがWindowsとは

異なるOSであるリナックスを利用したものである。インターネット上に公開されているリナックス

というソフトウエアは誰でも自由に使うことが出来る。誰でも利用できる変わりに、改良を加えた

リナックスは再びインターネット上で公開される。こうして、みんなが利用することによって益々、

洗練されたOSに成長していく。今後はマイクロソフト社の独占となっているWindowsに代わって

リナックスが主流になっていくのではないかとさえ言われている。Windowsが主流であった当の

アメリカでさえIBM社等が中心になって、リナックスに新しい事業展開の場を見いだそうとして

いるようだ。

 このように今、パソコンの世界では革命的な事が始まろうとしている。あの巨大な人口を要す

る中国が、インターネットによる大きな変革の時代を自らの手で切り開こうとしている。いったい

どんな時代が来るのだろうか。

 日本国内でも遅々として進まない通信手段の遅れの中でも、インターネットを活用した新たな

産業が次々に生まれようとしている。今までは大企業の下請けとして大企業の言うがままに

動いてきた中小業者が自らの手で新しい需要先を開発しようとしている。日本のもの作りの

底辺を支えてきたのは、高度な技術を持った、これら中小企業であった。彼らは大企業の利益

確保のしわ寄せをもろに受け、いつも泣かされると言う弱い立場でしかなかった。大企業から

仕事を取り上げられるくらいなら、少々は我慢して安い加工賃でも甘んじて相手の言うことを

聞いてきた。しかし、ここのところ製造業の相次ぐリストラ策の中でその我慢すら限界に達して

来ている。そして、次々に工場を閉鎖するような状況である。そんな中でも自らの力で何とか

したいという人達がインターネットを使って、自らのもの作りの技術を売り込み始めたのだ。

相手は特定な企業ではなく、世界が相手である。日本のもの作りの力量が試される時代に

なった。だからと言って、そうたやすく仕事を得ることは出来ないだろうが、これからが期待され

るところだ。

 インターネットはパソコンが普及し始めた頃の一部マニアやポルノサイトだけのものでなく、

本物の商売のために利用が拡大しつつある。テレビやラジオでは高い宣伝費を払わなければ

ならなかったことが、誰でもどんな小さなスペースでも商売が始められる時代がやってきたのだ。

日本の今のペースでは中国などの後発国に追いつかれ、追い抜かれるのは時間の問題の

ような気がしてならない。岡山県も情報ハイウエイ構想を打ち出して久しいが、早く一般家庭に

まで高速通信回線の普及が望まれる。

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