長引く不況とアフガン攻撃

今、必要なこと 

 十分な審議がなされないまま、テロ対策特別措置法案が与党議員の圧倒的な賛成多数で可決

されてしまいました。憲法論議を無視しての強引な可決でした。憲法九条があるが故に、自衛隊の

海外派兵は出来ませんでした。PKOでの平和維持軍派遣でさえ、過去の国会では大問題となった

経緯があります。何故今、自衛隊に海外派兵の道を開かなければならないのでしょうか。何の為

に急ぐべき理由があったのでしょうか。

 今、日本国内は深刻な不況の最中にあります。小泉内閣はIT産業を前面に押し立てて経済の

建て直しを行ってきました。しかし、ここに来て、頼みの綱であるIT産業が深刻な構造不況に陥って

います。日立やNECと言った大手IT企業が相次いで多くの労働者を解雇すると発表しています。

失業率が5.3パーセントと驚異的な数字となっています。そうでなくても巷には職のない人が溢れ

ています。この上、大量の失業者が出たら、私達の生活や雇用はどうなるのでしょうか。

 こんなに足元が危ういというのに、自衛隊の海外派兵等のために時間を費やしている時なの

でしょうか。その上、あろう事か公明党は党利党略丸出しで、衆議院選挙区の区割り制度一部

見直しなどと言っています。政府自民党に対し一名区を二名にしろだとか、小選挙区の一部を

手直しして中選挙区制を導入しろと迫っています。さすがに自民党の中にも、いい加減にしろと

反対の声は強いようですし、結局、決着を見ないまま論議は一時棚上げになってしまいました。

深刻な経済情勢や社会情勢の中で、こんな事を言い出す政党の良識を疑います。この政党は

本当に国民の方を向いて政治をしているのでしょうか。

 先日もテレビのインタビューの中で中小企業の経営者の方が言っておられました。「小泉さんは

口だけで何もやってこなかった。もう辞めて貰いたい」。いっこうに先の見えない深刻な不況の中

で、これが巷の本音ではないでしょうか。

 倒壊した世界貿易センタービルの下敷きになった人の中には、多くの日本人の方々がおられま

した。小泉さんは犠牲になられた方々の為にもアメリカ支援が必要だと言っています。本当に犠牲

になられた方々がアフガニスタンの攻撃を望んでおられるでしょうか。それよりは、益々深刻さを

増す私達自身の生活をどうしていくのかを考えることの方が先決ではないでしょうか。これはエゴ

でも何でもありません。至極当たり前のことだと思います。税金を納めているのは私達自身です。

アメリカ人から一銭の税金を貰っているわけではありません。非常にわかりやすい事です。どう

贔屓目に見ても小泉さんはアメリカの方を向いて政治をしているような気がしてなりません。

アフガン攻撃は本当に正義の戦争なのか

 アメリカのブッシュ大統領はテキサス州出身の大統領です。従って、テキサスの石油財閥と深い

関係があるとも言われています。また、アメリカは兵器を大量に作り、海外にも輸出している国でも

あります。自らも、世界のあちらこちらで戦争をしながら大量の兵器を消費し、他の国にも輸出して

いるという死の商人の側面を持っている事は否めません。ベトナム戦争に始まって、イラク戦争、

コソボ紛争等に介入し、世界の警察を任じて恥じない国ですが、その背景にはアメリカの強大な

武器産業の側面を見逃すわけにはいきません。大量の武器を作って消費する。それによって利益

を得ている大企業がたくさんあるのです。

 アメリカには国という枠とは関係なく商売をしている人達がたくさんいます。それらの人達は有力

な政治家を動かし、自らの利権を守り拡大しているとも言われています。彼らにとって国家とは

何なのでしょうか。恐らくは自らのために利用すべき何ものでもないのではないでしょうか。

 アフガニスタンの隣国にはたくさんの石油や天然ガスをはじめとする鉱物資源が眠っていると

言われています。世界各国は前々から、これらの資源に関する利権確保を巡って激しい駆け引き

を行っています。石油や天然ガスを持ち出すためにはアフガニスタンにパイプラインを引くのが

一番得策だとも言われています。

 大量の兵器消費と資源確保の利権、これはアフガニスタンという国をターゲットにして奇妙に結び

つくのです。テロを封じ込めるというのは表向きの口実であって、その実はと言うことも十分考え

られるのではないでしょうか。タリバンを壊滅させた後のことを考えれば、一石三鳥を狙っていても

決して不思議ではないのです。

 正義の戦争とはいったい誰が定義づけるのでしょうか。アフガニスタンでは日々多くの人が

傷つき亡くなっています。彼等にアメリカの正義は通用するのでしょうか。

                                          2001年11月21日掲載

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