「姫神」高松公演

 長い間のあこがれだった「姫神」のコンサートに行きました。今回のコンサートは瀬戸大橋を渡って向かいの

高松市の高松県民ホールでありました。もっと大編成のグループを想像していただけに、第一印象は意外な

感じがしました。演奏者が数人という小さなグループだったからです。

 今回の高松公演では「姫神」の主催者である星さんが病気療養のため来られませんでした。その代わり、

星さんの息子さんがシンセサイザーの演奏をしていました。そして、岩手県の地元で活躍しているという山口

太鼓の佐々木さんと、中国のモンゴル自治区から来たという馬頭琴奏者のライ・ハスローさんが特別参加して

いました。そして、お馴染みの姫神ボイスの女性歌手が二人という編成でした。

 私はシンセサイザーをメインとする音楽が好きで、今までにも「喜太郎」の演奏会に3度、「センス」の演奏会

に一度行ったことがありました。しかし、「姫神」の曲に関してはCDでしか聞いたことがありませんでした。それ

だけに今回の高松公演が大変楽しみでした。

 高松公演があるという話を聞いて、すぐにローソンのチケットセンターで指定席券を買いました。そんな訳で、

前から二列目のほぼ真ん中という大変ラッキーな席でした。ライ・ハスローさんと星さんが舞台の端に腰をかけ

て演奏をしたとき等、二人の演奏を間近に見ることが出来ました。

 喜太郎さんが主催するグループが作り出すボリューム感ある電子音楽の世界。センスというグループの名に

ふさわしい深浦さんと勝木さんが作り出す洗練された音の世界。「姫神」の音楽は、それらとは異なる土の匂い

とでもいうのでしょうか、何となく人間くさい温かさを感じさせるものでした。特別参加の山口太鼓の佐々木さん

は全身を使って太鼓を叩き、今まで見たこともない演奏スタイルを見せてくれました。ライ・ハスローさんの馬頭

琴演奏は時に軽快なリズムを刻み、時にユーモアのある音を奏で、いかにも大陸で生まれた楽器らしい演奏

でした。そして、「姫神」の何よりの聞かせどころは、二人の女性シンガーによる歌でした。

歌詞の意味は分かりませんが、その歌こそ「姫神」の音楽そのものでした。歌は電子音にカムフラージュされ、

不思議な音楽となって実に心地よく聞こえてくるのです。シンセサイザーの音と歌声を聞きながら、私の心は

いつしか縄文の昔や遙かなる東北の山々や、遠い南国の沖縄へ飛んでいくような不思議な感覚に陥りました。

まさに「姫神」の作り出す音の世界そのものに浸ることが出来たのです。

 同じシンセサイザーを中心とする音楽であっても姫神、喜太郎、センスと三者三様、これほどに音楽と言うもの

は異なるのです。私にとっては、いずれも捨てがたい音の世界です。今日も家の中で、あるいは自動車の中で、

これらの音楽を聴きつつ暮らしています。

                                         2004年8月19日掲載       


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