針穴写真機

 先日、新聞を読んでいたら、こんな記事が載っていました。牛乳パックで写真機を作り、それで写真を

写して遊んだというのです。

 私は子供の頃から写真に大変興味を持っていました。大人でさえも写真機は高値の花という時代で

した。ましてや子供の私達に写真機など買えるはずがないのです。それなのに、その欲求は抑えがたく

おもちゃの写真機を買って遊んでいました。これをどこで買ったのか、いくらぐらいの価格だったのか、

プラスチック製だったのか、金属製だったのか、その辺の記憶はまったく残っていません。ただ、非常に

小さなカメラだった事だけは印象に残っています。

 珍しい事に、そのカメラで使えるフィルムがあった事です。小さなカメラでしたのでフィルムも小さかった

はずです。そんなフィルムを使うようなカメラがあったのでしょうか。この写真機で写した写真を写真屋さん

へ持って行って現像や焼き付けをして貰いました。写真屋さんへ持って行くのが、子供心にも気恥ずかし

かった記憶が残っています。それは、おもちゃのカメラで写したものだったからです。それにも関わらず、

なお、写し続けていたのは余程カメラで写すという行為や写した写真に押さえがたい興味があったに違い

ありません。

 そして、写真への興味は単に写すことだけでなく針穴写真機を作るということへ移っていきました。針穴

写真機では写真を撮るというわけにはいきませんでしたが、針の穴を通して周辺の景色が逆さまに見える

という、その不思議さに取り付かれました。何度も何度も作り替えては使いました。ちなみに針穴写真機の

原理は指の隙間でも再現することが出来ます。

 手作りカメラで写真を撮る。子供達にとって、こんな楽しい実験はないでしょう。学研が大人向けの科学

雑誌の付録として針穴写真機を付けたところ、たちまちの内に売り切れたそうです。私も注文してみようと

思いましたが売り切れでした。

 私のカメラ遍歴は小さな子供だった頃からのものです。こうして、日光写真から始まっておもちゃのカメラ、

針穴写真機、一眼レフカメラ3台、デジカメ2台、そしてビデオカメラを買いました。動画を写してみたいと

いうのがその理由ですが、やはり根底にあるのは写真好きです。動いているものや昆虫などの一瞬の姿や

形をとらえ、そして絵を描くように美しい景色や珍しいものを切り取る事です。今では景色を見ると写した後

の出来上がりまで思い描けるようになりました。

牛乳パックを使ったカメラ作り

牛乳パックに光が入らないように黒い紙で覆い、直径2センチの穴を開ける。

ここに老眼鏡のレンズ2枚を貼り付ける

                                              2004年6月13日掲載

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