木が切られ、山が削られ、むき出しの地肌が遠くからでも見えるぐらいに大きく山の姿が

変貌している。私の住んでいる近くの山である。山が削られ、谷が埋め立てられて、おびただしい

廃棄物が埋設処理されている。五指に余る業者が、入り乱れて廃棄物を山に埋めているという。

 今、日本各地は廃棄物の処分に困っている。市町村で処理できるゴミの量には限度がある。

東京都のように早くから海岸をせき止め、そこを埋め立て地としているところもあれば、

ダイオキシンという猛毒をまき散らしていることさえ気付かずに、燃やし続けていた市もある。

そして、香川県のように小さな島にゴミを押しつけて、しらん顔をしていた県もある。

豊島の住人が騒ぎ出さなければ、この島は永遠にゴミの島として使い続けられたであろう。

 そんな誰もが目をそむけたくなるようなゴミに目を付け、県や市町村の無謀な許可を後ろ盾に、

莫大な荒稼ぎをしている業者がいる。現実は法を犯しているような事もあるかも知れないのだが、

誰もそれを指摘できない。いわば無法地帯なのだ。

 しかし、私達は全ての責任を、これら業者に押しつけて良いのだろうか。私達自身、毎日毎日

大量のゴミを排出している。人間が生きて行く限り、このゴミとは縁が切れない状態にある。

一方、国も地方自治体も許可だけ与え、全く監視をせずに野放し状態であるのも事実である。

これらのゴミは地下に埋められた後、どうなって行くのだろうか。恐らくは数年後か数十年後には

おおきな反動となって跳ね返って来るに違いない。

 結局、私達は国や地方自治体、そして、あくどく稼ぐ処理業者とぐるになって、将来への大きな負の

遺産を押しつけようとしているのではないだろうか。声高に廃棄物処理業者を非難しても始まらない。

今すぐにも、私達自身が吐き出している多くの廃棄物のあり方や、廃棄物を出さない工夫を

考えなければ、この問題は決して解決しないのではないだろうか。

 変わり果てた山には今日もおびただしいカラスの群が飛んでいる。そして、相変わらず廃棄物

処理業者と地元住民との対立は続いている。そして、行政は何もせずに傍観者を決め込んでいる。

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