現代のタイムマシン「デジタルハイビジョンテレビ時代」

 NHKで本格的なBSデジタル放送が始まって2年になるそうです。先日来、記念行事として色んな特集番組が放送

されています。いずれも素晴らしい映像です。先日はブータン王国に住んでいるという謎の動物ターキンの放送があり

ました。ブータンの自然のすばらしさとターキンの知られざる生態が余すところなく描かれていました。

 以前のテレビは買って十数年過ぎたのですが、ある日、急に画面が歪んで見えるようになってしまいました。もう寿命

だったのでしょうか。ソニーのトリニトロンテレビでした。買った当時は映像の鮮明さと音のすばらしさに感動したもので

した。画面の大きさも21インチで、当時としては比較的大きい方だったのではないでしょうか。

 ここ十数年間、電化製品ことに映像や音に関するものは大きく進歩しました。オーディオ機器は高級品の第一に位置

するものでしたが、今や低価格と小型化が極端に進んでいます。映像関係ではビデオカメラのコンパクト化と低価格化

が進みました。近い内にはハイビジョンのビデオカメラも発売になるそうです。テープに録画するビデオデッキは最早、

古い方式になってしまいました。今はDVDが主流になろうとしています。

 子供の成長を写したビデオテープがだめになってしまったという話を耳にしますが、CDやDVDと言ったデジタル録画

方式になりますと永久保存も夢ではなくなります。そして最新のテレビ受像器は液晶やプラズマ方式が主流になりつつ

あります。

 そんなプラズマテレビや液晶テレビの鮮明な映像に魅せられて買いたいという思いがつのっていました。そんな時、

偶然にしては実に出来すぎていると思うのですが、それまで見ていたテレビの画面が急に歪んでしまうようになったの

です。本気で買い換えを考えなければならなくなりました。

 買うまでには何度か色んな電気店に足を運びました。今日、従来型のテレビであれば数万円という低価格です。今は

安いもので我慢をしておいて状況を見て買い換えるか、それとも思い切って液晶かプラズマ方式かと考えました。しかし、

これらはいずれも価格が高く決断がつきませんでした。その時、見つけたのが今回買ったソニーのテレビでした。ヴェガ

という商品名のトリニトロン方式のテレビでした。画像の鮮明さや明るさは液晶テレビやプラズマ方式に決して勝るとも

劣らないものでした。画面の大きさも32インチでした。

 テレビ画像は受像器が液晶やプラズマ方式だからといってきれいに見えると言うわけではありません。送られてくる

信号によるのです。テレビ電波の主流は長い間VHFやUHFと言った地上波でした。ところが、これらの電波は地上に

ある様々な障害物によってゴーストと言われる二重映りや画面に小さな波が出たり、画像がちらついたりと鮮明さに

欠けるものでした。従って、地上波はキー局から配信されたものを一旦地方局が受信して再発信しています。従って、

地方局はキー局を中心にしたネットワークの中に入っているのです。たとえば読売テレビやTBS、テレビ朝日やフジ

テレビ等がキー局となっています。

 また、地上波はアナログ信号というラジオなどと同じ方式で音声や画像信号を電波に乗せて送っています。従って、

データとして送ることの出来る信号の量には制限があります。

 一方、BS放送やCS放送といったものは、デジタル信号を地球上に浮かんだ人工衛星を中継して送信しています。

従って、地上にある障害物の影響もなく、また、地方局の必要もなく、地上波(アナログ)にはない大量の情報を送る

ことが出来るようになったのです。大量の情報を送ることが出来るということは画像の質も音声も格段に向上します。

そんなわけでハイビジョン放送なども送信可能になったのです。ハイビジョン放送は画像の鮮明さや音質の良い分、

大量の画像データと音声データを必要とします。

 ここ二年間、試験的に放送されていたBS放送も、いよいよ本格稼働の時代になってきました。その画像や音声の

素晴らしさは実際に体験したものでなければ分かりません。また、双方向という新しい試みもなされています。視聴者

と放送局が直に結ばれ互いに情報のやりとりが出来るのです。将来はパソコンのような機能も付加して、ますます

多機能型のテレビになっていくのではないでしょうか。ともかく今はハイビジョンの素晴らしい映像と音を楽しむことに

しましょう。

 ハイビジョン映像は映画の世界にも取り入れられるようになりました。フィルムを回して撮影するのではなく、ハイ

ビジョン用のビデオカメラを使って撮影するのです。ジョージルーカスが作っているスターウオーズは息の長い人気

映画です。今回、撮影された「エピソード2、クローンの攻撃」はハイビジョン撮影で制作されたそうです。コンピュータ

グラフィックスと組み合わせれば、未来世界でも太古の昔でも自由自在に描けるのです。模型やぬいぐるみを使わ

なくても未来世界の乗り物や太古の恐竜達を画面に登場させることが可能なのです。その映像は、まるでその世界

に飛び込んだような感動を与えてくれます。その意味においてハイビジョンは現代のタイムマシーンと言えるかも

知れません。

 来年のNHK大河ドラマは宮本武蔵です。この撮影にはハイビジョンカメラが駆使され、色んな撮影効果が楽しめ

そうです。テレビ好きの私は今から楽しみにしています。ハイビジョン映像を通じて一気に武蔵の時代にタイムスリップ

してみてはどうでしょうか。ハイビジョンテレビが現代のタイムマシンなのです。

 そして今、地上波もデジタル化しようとしています。地上波の映像や音質も格段に向上すると言われています。その

時代ももう目の前に来ているようです。莫大な投資を必要としているようですが、その投資に見合うような新しい家電

の市場が誕生するのでしょうか。

                                                2002年12月31日掲載

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