外来種の繁殖

 草抜きをしている時や、散歩の時ふと足下に目をやると、見慣れない植物を見かけることが多くなった。少なくとも

子供時代には絶対に目にすることのなかったような植物である。いつの頃から、こんなに多くなったのだろうか。

一時、セイタカアワダチソウの繁殖が問題になった事があった。あの頃から次第に多くなってきたような気がしている。

 それ以前、たとえば明治時代に入ってきたものが帰化植物となったものも少なくない。在来種だとばかり思っていた

ものが、専門書を開いて見ると帰化植物と書かれていたりする。このように身の回りには如何に外国産の植物が多い

かと言うことが良く分かる。それにしても昨今、急激に増えているような気がしてならない。

 水島コンビナートの多くは埋め立て地である。従って、他の場所とは異なり、比較的新しい土地だと言っても良い。

私の働いている会社もコンビナートの一角にある。工場建設の際、田圃だったところに山土を盛って造成した土地である。

工場建設当初(昭和38年頃)は緑地帯としてきれいな芝生を植えていた。ところが最近急激に雑草が生え始めてきた。

そして今では見たこともないような植物が大変な勢いで繁殖している。

 これらはいったいどこから来たのだろうか。コンビナートには色んな形で輸入品が持ち込まれてくる。もし、これら

見かけない植物が、この地域に集中的に繁殖しているとしたら、輸入品との関連があるかも知れない。農作物などの

輸入品に付いてきたものだろうか。それともこの地域だけのものではないとしたら、道路工事等で使っている吹きつけの

芝生の中に混ざっていたものだろうか。

(インターネットで調べていたら牧草なども輸入されており、これでは簡単に繁殖することが判明)

 琵琶湖ではブラックバスの繁殖で在来種であるゲンゴロウブナやホンモロコなどといった魚がどんどん少なくなって

いるようだ。岡山県でも山間部のダム湖でたくさん釣れていたワカサギが、すっかりつれなくなったと聞いている。

ダム湖にもまたブラックバスが異常繁殖しているようだ。このようにして多くの河川が外国から来た魚たちによって

占拠され、在来種は絶滅の危機に瀕している。持ち込まれた外来の魚はブラックバスやブルーギルと言った比較的

良く聞く名前のものの他にもたくさんいるらしい。

 そしてペットとして持ち込まれたワニやトカゲといった爬虫類、カブトムシやクワガタといった昆虫までもが、国内産の

ものと交雑したりしながら繁殖をしていると言うからこれから先が心配だ。

 和歌山県地方では日本猿と台湾猿の自然交配が進み、日本猿の絶滅が心配されている。これも動物園に飼われて

いた台湾猿が放置された事によるものだと聞いている。

 生物はその国その国の固有なものがあり、それが自然を豊かにしている。しかし、その国の固有種がいなくなると

言うことは、生物の多様性がなくなることであり、放ってはおけないような気がしている。

 ペットとして買う人も売っている輸入業者も、責任を持って売り買いして貰いたい。少なくとも飼い主は、飼っている

ペットが死ぬまでは野放しにはせず、責任を持って飼って貰いたい。

 飼い主の元を離れた異国の鳥たちが、日本の冬にも適応し集団で飛び回っているとも聞いている。恐らくは地球の

温暖化も彼らの生き残りに力を貸しているものと思われる。彼らが飛び回っている光景を一度見てみたいものだと

思っている。想像は出来ないが奇妙な光景ではなかろうか。

                                                      2002年6月8日掲載

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