電気屋さんのアドバイス

電気は大切なもの

 電気に弱い、電気に触りたくないという人は案外少なくないようです。確かに目に見えない、

感電すると死に至るような事もある。感電時のびりびり感は、例えようもなく気持ちが悪い等々。

数え上げればいろんな理由があって、「さわらぬ神にたたりなし」と敬遠されている方が案外

多いのではないでしょうか。

 私も好んでこの職業を選んだ訳ではありませんが、電気屋として30数年間働いてきました。

幸い、大きな事故にも遭遇せずにやって来る事が出来ました。今日、家庭の中はもとより、工場、

事務所を問わず、電気の恩恵を受けてないところはないといっても過言ではないでしょう。

どうかすると、あるのが当たり前、まるで空気のような存在になってしまっています。しかし、

いったん停電してみると、こんなに不自由な事はありません。以前にも、自衛隊の訓練機が

送電線に引っかかって大停電が発生しました。そのために、この地域は大混乱になりました。

この地域の人々にとって、この時ほど電気のありがたみを感じたことはなかったのではないで

しょうか。

 私が子供だった頃は、しばしば停電していましたから、みんな慣れていて、すぐローソクを

取り出して電球代わりにしていました。当時、電気製品と言っても照明とアイロン、ラジオ位の

ものでしたから、さほど不自由を感じませんでした。しかし、今日のようにあらゆるものが電化

製品となり、最早電気なしでは生活できなくなりました。

 ここでは、皆さんに電気器具や設備の取り扱い上の注意と、電気の省エネについて、少し

でもお役に立てたらと、私の経験を元に書いてみたいと思います。

電気の安全について

 皆さんは電気設備を使う上で安全について考えたことがありますか。家庭内の電気配線は

どのようにして保護されているのかご存じでしょうか。それぞれの地域の電力会社から配電

された電気は家の入り口にある積算電力量計を通ります。そして、電源ブレーカーを通って

各回路に配電されます。新築の家などでは電源ブレーカーは漏電ブレーカーとなっている

ところが多く、屋内に漏電があると、電気を遮断して漏電による事故を防ぐようにしています。

 火災事故等、漏電が原因と思われるような事も少なくないのです。昔の家屋は古い配線が

そのまま使われているケースが多いので、漏電ブレーカーの設置されていないケースも多い

のです。その上、配線が老朽化していますので注意が必要です。

 特に木造モルタルの家で昭和30年代からそれ以前に建てられた家の場合、専門家に調査

をして貰ったり、場合によっては配線を更新した方が良いかも知れません。電力会社も定期的

に漏電チェックを行っていますので、その際、相談してみると良いでしょう。

 次に多いのは接触不良によるものです。特に電気コタツや電気コンロのように電気を大量に

消費するものは、より注意が必要です。コンセント部分がゆるんでいたり、さわってみてひどく

帯熱しているようでしたら、詳しく調べてみる方が良いと思います。さしこみ(プラグ)の中のネジ

がゆるんでいたりします。また、長い間にはコードが老朽化して切れかけているような事も良く

あります。いずれも専門的な知識がなくても解決できるような事ですので、少し注意をしてみて

下さい。

 ただ、修理に慣れている人は別ですが、あまり知識のない人がさわりすぎるのは禁物です。

応急処置にとどめておいて、早めに専門店や電気的知識のある人や電力会社に相談して

みて下さい。屋内配線については電気工事屋さんに相談してみると良いでしょう。

あなたでも出来る「省エネ」

 便利さに慣れてしまうと、これが当たり前となって、「省エネ」と言ってもぴんときません。しかし、

これらの電気が地球の温暖化の原因になっていることや、原子力という危険と隣り合わせの

設備によってまかなわれているものだと言うことを考えると、無制限に使用を拡大するわけには

いかなくなります。家庭内や職場でも省エネに心がけたいものです。

 では、いったいどんなことが私達に出来るのでしょうか。皆さんは積算電力計を見たことはあり

ますか。家の中の照明や全てのスイッチを切ったと思っていても、積算電力計を見ると中の円盤

がゆっくり回っていると思います。完全に切ったと思っていても、どこかの電気製品に電気が流れ

続けているのです。最近省エネで問題視されているテレビなどの待機電力かも知れません。ある

いは消したと思っていた、どの部屋かの照明の消し忘れかも知れません。空調機をつけたままと

言うことはありませんか。このように注意してみれば、無駄な電気をたくさん使っているのです。

 従って、家庭内で出来る省エネは、まず、無駄な照明は、その都度きちんと消す。テレビも長時間

見ない時は電源スイッチを切っておく。空調機も使わない季節はコンセントを抜いておく。冷蔵庫等

のように同じ効果を得るのであれば、省エネタイプの冷蔵庫に切り替えましょう。タイマーでセット

できるものはタイマーを有効に活用して、必要のない時以外は電気は使わないようにしましょう。

 こうして、小さな事でもみんなが実行すれば大きな省エネになります。明日からと言わず、今日

から出来ることをやっていきましょう。

電気屋さんの失敗話

 先日も、こんな話がありました。家族のものが二、三日前から氷が出来ないと言うのです。そんな

話をしている内に冷蔵庫全体が急に冷えなくなったのです。いよいよ買い換えの時期が来たのかと

新聞に折り込まれていた広告を取りだして、近頃の冷蔵庫はどれ位するのだろうと調べていました。

 それにしても、この冷蔵庫、省エネタイプが主流になり始めた頃買ったものです。まだ10年もたって

はいないものです。とりあえず電器屋さんに見て貰い、どうにもならないようなら覚悟しようと決めて

おりました。そんなおり、家内が冷蔵庫まわりを掃除していたら、また動き始めたというのです。確か

にわずかではありますが庫内は涼しいのです。それでは前に引き出して裏側を見てみようという事

になり、手前に引き出そうと足下にあるカバーをはずしてみました。ところが、そのカバーの裏には

びっしりとわたぼこりが溜まっていたのです。よく見ますとカバーの裏側だけでなく冷蔵庫本体の方

にも、まるでフィルターのようにほこりが付いています。原因はこれでした。早速掃除機を取り出して

吸い取ってしまいますと冷蔵庫は元気良く動き始めました。

 とにかくついでだから裏も見てみようということになり、裏を見てみますと何年分のほこりでしょう

か。床にも壁にも、もちろん冷蔵庫本体にも、ほこりやゴミがいっぱい付いていました。冷蔵庫に付

いているドレンポットも取り外して水洗いしました。裏のカバーも水洗いしました。何年か分の大掃除

でした。

 こうして我が家の冷蔵庫は甦ったのです。何年か前から氷の出来の悪かったのも、原因はこれ

だったのかも知れません。この日以来、氷はどんどん出来ています。効率も随分落ちていたはず

です。省エネタイプが省エネになっていなかったかも知れません。電気屋にしてこの有様です。

どうか皆さんも冷蔵庫の周辺、空調機のフィルターの掃除、室外機の周辺にものなどを置いて

いないかどうか、もう一度確かめてみて下さい。

                                           2001年6月30日追記

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