アレグリア2

 いま、大阪では「アレグリア2」の公演が行われている。今回はKDDIアレグリア2となっていた

のでKDDIが日本公演の後押しをしているのではないだろうか。その他、フジテレビなども企画

には参加しているようだ。

 しかし、「アレグリア2」と聞いてもぴんとこない人が多いのではないだろうか。「アレグリア2」

は、サーカスとミュージカルをミックスしたような華麗で高度に洗練されたアクロバットがミックス

されたような夢の舞台である。

 この団体の拠点はカナダにあるそうで、その名を「シルク・ドゥ・ソレイユ」という。以前、「シル

ク・ドゥ・ソレイユ」の特集を放映していたので見られた方も多いのではないだろうか。「シルク・

ドゥ・ソレイユ」の歴史を紐解くと、世界のトップレベルに位置するようなパフォーマー達が集ま

って結成されたようである。

 従って、今回の日本公演でも各国からの選りすぐりのパフォーマーが来ている。今では、演出

にも音楽にも衣装にも、それぞれ一流の芸術家達が関わっているようだ。むろん、スタッフの中

には日本人も多い。確か特集番組の中では衣装スタッフが日本人だったような記憶がある。

 この日は夏休み最後の日、八月三十一日だった。朝から曇っていたが雨が降るようなお天気

ではなかった。岡山から高速バスに乗り難波で降りた。ここから地下鉄を乗り継いで会場に行

った。最寄りの駅に降り立つと目の前に奇妙な形の大きなテントが立っていた。これが新ビッグ

トップと呼ばれている公演会場だった。

 中に入ると中央の舞台に向けて傾斜のついた席が二千八百席あった。私達が行った日は夏

休み最後の日だったからか子供連れが多かった。会場はA席とS席に分かれていた。私達の

席は舞台正面のS席の最上階に近いところだった。会場を見渡すと満席ではなかった。広い

スペースのそこかしこに多少空席があった。それでも千数百人位は入っていたのだろうか。

 私達が席についてしばらくすると舞台は始まった。サーカスでは道化役者というのだろうか。

そんな人達が不思議なコスチュームとメーキャップで舞台や客席に出てきた。彼らに指示して

いるのは長い杖を持った魔法使いのような男だった。背中に大きなこぶがあった。

 こうして、華やかな舞台は始まった。賑やかな演奏をしながら楽隊が客席まで降りてきて練り

歩いた。やがて舞台の奥に座り別の音楽を演奏し始めた。すると白いドレスを着た女性が出て

きてテーマ曲を歌い始めた。こうして、あいだに三十分の休憩を挟んで多彩な演技を見せてく

れた。

 舞台に空中演技の際のネットを張るのも、綱渡りのセットをするのも、パフォーマーの介添え

役もみんな出演者だ。舞台に出てくるものすべてが演技者として何らかの役を演じている。彼ら

が身につけている衣装も大きな魅力だ。さすがに私達の席からは舞台が遠すぎて詳しくは見え

なかったが、インターネットのホームページには詳しい説明が書かれていた。色んな色を組み

合わせた奇抜な衣装だったようだ。

 演技と演技の間には道化役が出てきて客席を大いに湧かせ舞台の幕間を埋めていく。見て

いて飽きることはない。また、難易度の高いパフォーマンスを見ていても不思議に緊張感がない。

たった一度だけ失敗はあったが、他は完璧な演技だった。華麗すぎるがゆえに決してサーカス

のような悲壮感がない。

 アレグリアはスペイン語で歓喜を意味する言葉だ。従って、最初のアレグリアが演じられた時

は暗い世相だったので、みんなに明るさを取り戻して貰おうというコンセプトで企画されたようだ。

従って、アレグリア「歓喜」には、そんなテーマが描かれているようだ。

 見る人それぞれに抱く感想は異なるのだろうが、私は道化役が演じたノスタルジックな汽車と

雪を使った舞台と、最後に演じられた空中ブランコと鉄棒を組み合わせた演技が一番良かった。

見る場所によっても感想は異なるのかも知れない。私達は舞台を見下ろすような場所に座って

いたので出演者一人一人の表情は分からなかったが、演技の全体を一望できたのでスケール

の大きさを実感できた。

 かくして、夢のような舞台はたちまちの内に終わってしまった。ビッグハットの外に出てみると

雨が降り始めていた。ビッグハットのある大阪南港は大阪湾に面したところでWTCコスモタワ

ーなど貿易関係の巨大なビルが建っていた。まるで、近未来を思わせるような町だった。改め

て、別の機会にこの場所を訪れゆっくりと散策してみたいと思っている。

                                        2005年9月14日掲載

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