安政柑と伊予柑

 安政柑はあまり知られていない果樹ですが、しまなみハイウエーの島、瀬戸田町に行くとたくさん

売っています。あっさり系の柑橘です。伊予柑は今や全国的に広く行き渡り一般的な果樹になり

ました。


安政柑(収穫までは後3ヶ月)1999.11撮影

 ザボンに似た大きな実は、子供の頭ほどもあるもので味は割合に淡泊です。甘みも薄く酸味も

少なく、柑橘類特有の臭いも薄いようです。国内のどの柑橘類にも似ていないような気がします。

しかし、皮が厚く全体的な特徴は、どちらかと言えばザボンに似ていると言えましょうか。

 原産地は「しまなみ海道」の途中の島、生口島です。この島は瀬戸田町と言います。町には西の

日光と呼ばれている耕三寺があります。又、シルクロードや仏教伝来の日本画で有名な平山郁男

画伯の生誕地でもあります。

 島は柑橘類の栽培が盛んで、耕して天に至るほどの段々畑に蜜柑やハッサク、夏みかん等の

柑橘類がたくさん栽培されています。安政柑は、この島の特産品となっています。聞くところにより

ますと、蜜柑畑に実生で生えていた苗を大きく育てたところ安政柑が成ったと言うことで、自然交配

による新種ではないでしょうか。

 安政柑といいますから、あの安政の大獄で有名な徳川末期の安政の頃から栽培され始めたの

でしょうか。真偽のほどは知りませんが、どなたかご存じの方はおられないでしょうか。


※追記(1999.11.16)

 安政柑で検索してみますと下記のような記事がありました。安政年間(1854年〜1895年)に

広島県で偶発実生した文旦の 一種。果皮は淡黄色でなめらか。果肉は淡黄色で柔軟多汁、酸は

少なく香りと爽快な風味があります。と書いてありました。やはり、自然交配で偶然に出来た新種の

ようです。


 安政柑は2月下旬頃から3月上旬頃にかけて収穫します。ハッサクや夏みかんのように酸味は

強くありませんから籾殻の中に囲って酸抜きをする必要もありません。実に上品な味です。

 安政柑が収穫できる頃、この島を訪れると道ばたの店で土産物としてたくさん売っています。

かつて、この島への交通手段が船であった頃、港から耕三寺に至る道には土産物店がたくさん

並んでいました。私も何年か前、この島を観光で訪れた際、帰りの道で安政柑を買ったことが

あります。その時の不思議な味が忘れられず、近所の苗物屋に頼んで苗を取り寄せました。

 安政柑は非常に丈夫な木で成長力は旺盛です。そして多産系です。実が付き初めて以来、裏年

がありません。病害虫などにも比較的強いようです。アゲハチョウの幼虫も付いたことはありません。

唯一被害と言えば夏の高温期にハダニが付くことです。ハダニがついたら葉が白っぽくなりますから、

ダニの予防をします。

 夏から秋にかけて果実が一段と大きくなり始めますから、果実の重みで枝が垂れ下がります。

木が低いと果実が土についてしまいますから、実を吊るようにして支柱をしてやります。今年もまた

豊作のようです。先日、支柱を立てた際、かなりの個数を確認しました。これから収穫期である2月

下旬頃まで、果実はますます大きくなることでしょう。

                                            2009年8月6日修正


あと1ヶ月もすればもっと色づきが良くなる。 1999.11撮影

 先の安政柑とは対照的とも言えるような特徴を持った柑橘です。色は濃いオレンジ色、皮をむぐと

柑橘類特有の強烈な良い匂いがします。味も柑橘類の中では特上と言えましょうか。ハッサクや

夏みかんと同じように晩柑です。

 伊予柑と言いますから、原産地は地名で言えば伊予地方、つまり愛媛県地方でしょうか。伊予柑

は木に成らしたままで収穫しても良いのかも知れませんが、私は12月頃収穫して、籾殻の中に

囲っておくようにしています。

ハッサクや夏みかんの様に、1ヶ月位ゆっくりと酸味を抜いて味がまろやかになって食べるように

しています。もともと、さほど酸味の強くない果実ですから、わざわざ囲って置く必要はないのかも

知れません。

 そろそろ、蜜柑の味にも飽きてきた頃、囲っていた箱の中から取り出してみます。色も一段と

赤みを増しているように見えます。表面をきれいに拭いてやりますと、いっそう艶が増しきれいに

なります。見るからに食欲がそそられます。

 栽培方法は他の柑橘類と同じです。樹勢はあまり強くありませんから、他の果樹などが側にあると

木が弱ってしまいます。出来るだけ周りは広くとり、日当たりと風通しを良くして下さい。我が家の

伊予柑もキウイの陰に隠れてしまい樹勢が良くありません。来年は思い切ってキウイを刈り込んで

日当たりを良くしてやろうと思っています。

                                          2009年8月6日修正


2000年情報

 安政柑も伊予柑も開花までの状況は順調です。特に伊予柑は昨年不作であった分、花の付きは

良さそうです。しかし、木全体が今ひとつ元気がないようなので、心配をしています。下の写真は

最近撮影した開花状態の伊予柑の写真です。

     

花はたくさん咲いている  2000年5月中旬撮影


病害虫: ハダニ         アカールやケルセン乳剤の殺ダニ剤を散布します。

      アゲハチョウの幼虫 スミチオンやカルホス乳剤を散布します。

      カイガラムシ      カルホス乳剤を散布します。

      冬にマシン油乳剤や石灰硫黄合剤を散布します。     

手入れ: 果実の収穫が終わったらお礼肥として油粕、発酵鶏糞、化成肥料を適当に施肥します。

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